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ミスリルを換金してお買い物をした

 俺たちはカリン王国ミズチを現住所として国民ICカードを発行してもらった。

 そうして、街の人に聞いてミスリルを換金出来る店までやってきた。


「すいません、この宝石を換金してほしいんですが」


「ほほー、これはこれは、ミスリルですな」


「そうです。いくらぐらいになりますか?」


「そうですな、純度にもよりますが1g(ガラム)あたり一万スイといったところですかな」


「それでは、査定が終わったらこれらのカードに4等分して入金してもらえますか」


「いいでしょう。少々鑑定にお時間頂きますぞ」


 大体一キロぐらいのミスリルを持ってきているので、1000万スイ前後になると思われた。

 差し当たりこれで色々お買い物を楽しもうと思う。


「鑑定が終わりましたぞ。純度はそこそこといったところなので1g8000スイ、合計840万スイで買い取りましょう。一人あたり210万スイ入金しますがそれでよろしいですかの?」


「はい、それでお願いします」


 ピロリンと音がなってカードに入金がなされたようだ。


「すみません、ついでに聞きたいのですが携帯PCはどこで買えますか?」


「それでしたら、ここを直進して右にいったところにあるツナガルショップで買えますよ」


「そうですか、ありがとうございました。また機会があれば利用させてもらいますね」


 換金所を出ると、次は区役所でも言われたように携帯PCというものを持っていた方が良さそうだと思ったので携帯PCショップへと向かった。

 アカシックリングで調べるとどうやら前世のスマホのようなものらしい。


「これから携帯PCってのを買いにいくよ」


「それってどういうもの?」


「一言では説明できないけど、離れていても会話が出来たり、天気がわかったり、ゲームができたりするアーティファクトだと思ってくれたらいい」


「なんかすごそうね」


「百聞は一見にしかずと言うからまずは手に入れてみよう」


 外をあるくと車や小型の飛行機がいっぱい飛んでいる。


「あの鉄の塊みたいなのは何だ?」


「あれには人が乗っていて移動に使ってるんだ。この星の馬車みたいなもんだ。馬は必要ないけどな。ちょっと待って」


 アカシックリングで調べてみると、車は自動運転で動いているようで、手動運転を使わないなら免許みたいなものは不要らしい。


「俺たちも購入して乗ることはできるみたいだ」


 そうこうしてるうちにツナガルショップについた。

 カイはまたしても自動ドアに驚いている。


「この建物もみたことのない材質で出来てるわね」


「ツルツルしてるよー」


「こらっ、あまり触るんじゃない。すいません、田舎者なもんでして」


「いらっしゃいませ。大丈夫ですよ。本日はどのようなご用件ですか」


 スーツのような服をビシッと着た受付の人が案内してくれる。


「私たち4人分の携帯PCを買いに来たのですが」


「携帯PCですね。機種が色々ありますがどのような用途で使われますか?」


「何に使えるかもあまりわかってないのですが、通話とかはできるんですよね?初心者向けのを4つ欲しいです」


「はい、通話はできますよ。それでは、らくらくPCがいいでしょうね」


「4人お互いにアドレス登録がしておきたいのですが教えてもらってもいいでしょうか」


「はい、まず電話帳アイコンをタッチして……」


 俺が通訳しながら、みんなの電話帳登録を済ませた。

 他にも電卓や天気、ニュース(これは俺しか使えないが)、メール、地図などのアプリの使い方を教わった。

 3人には、頑張ってこの国の「ケイ アリス カイ メグ」の文字だけ覚えてもらい、しばらく電話しあって使い方を覚えてもらった。

 最初に「もしもし」というお決まりのことも教えた。


「これで、この国のどこにいても連絡がとれるな」


「そうなの?あたしちょっと離れたところに行ってくるからそこから電話してみるね」


 メグがちょっと先走っているので止めた。


「待って、それならかなり離れたところにゲートを開くからそこから電話してみて」


「あ、そうだね、そっちのほうがいいね。それじゃケイよろしくー」


 アカシックリングで治安の良い国を調べてそこへゲートを開いた。


「地図アプリも見ておくようにね」


 メグがゲートをくぐっていく。

 一応ゲートを閉じてみた。


「ピロポロリン!ピロポロリン!」


「もしもし。メグか?」


「もしもし、兄やん?すごーい遠くても話が出来るんだね」


「ああ、すごいな。ただ、この星でしか使えないものらしいぞ」


「そうなんだね、それでも充分すごいよ」


「何かあるといけないからすぐ戻っておいで」


 俺はゲートを開いた。


「わかったー」


 メグがすぐに戻って来た。

 地図アプリで現在地を見ることはできるが、前いた場所を調べるのがまだ出来ないようだ。

 俺は拡大縮小機能を使って、地図のどの辺にいたのか教えてあげた。


「へー、こんだけ離れた場所に行ってたんだ」


「次は拠点だね、この国の不動産屋はどこにあるか聞いてみよう。すみません、不動産屋はどこにありますか」


「店舗はここから2個めの道を曲がったところにあるけど、不動産情報も携帯PCで見れますよ」


「店の人の話も聞いてみたいので直接行ってみます。ありがとうございました」


「またのご来店をお待ちしています」


 携帯PCは充電器もついてるが、本体に太陽光パネルで充電する機能もついているようだ。

 携帯PCを購入したはいいが、俺の場合はアカシックリングが便利すぎてあまり使わないかもしれない。

 電話だけは携帯PCに分があるみたいだけど。

 不動産屋にいく前にアカシックリングで不動産を検索してみると、1500万スイぐらいから不動産があるみたいなので今月は拠点の購入は諦めることにした。


「今調べたんだけど拠点には1500万スイぐらいかかるみたいだから、拠点はまた貴金属か宝石を持ってきて換金してからにしよう。今日はそろそろ帰ろう」


――――――――――――――――――――――――――――――――


 ゲートでアースワンの拠点に戻ってきた。

 やはり文明が発達していると色々便利なものがあるな。


「電話がつながらないよー」


「ちょっと難しい話になるが、基地局って言って電話の音を伝えるための基地がこの星にはないからな。アースツーにはいっぱい基地局があると思う」


「そうなんだ、ちょっと残念」


 アカシックリングで調べてみると確かに各地に基地局があるようだ。


「その道具は魔力じゃなくて電気っていうエネルギーで動いてるから、電気がなくなると動かなくなるんだ。携帯PCについている茶色い部分を日光にあてると電気が少しずつ溜まるから、こっちにいる間は日向に置いておくのがいいかもしれない。あっちの世界に拠点を持てたら、拠点で充電できるようになるから。ああ、充電ってのは電気を貯めることね」


「この充電器ってのを使うんでしょ?どうやって使うのかはまだわからないけど」


「そうそう。また今度教えるよ。あと数字は覚えておくと便利だから教えとくね」


 3人に0から9までの数字を教えた。元々この世界にも数字はあるので、文字の対応を覚えるだけだったのでみんなすぐに数字はマスターした。

 ついでに電卓アプリの使い方もかるく教えておいた。


「すごいなこれ。商人にバレたら盗まれるかもしれないな」


「あまり見せびらかさないようにはした方がいいとは思うけど、とられても10万スイ程度でまた買えるから、とられても無理に取り返そうとしなくていいからね。安全第一」


「あと、そこの数字が0に近づくとエネルギーがなくなるから、その数字にだけは気をつけておいて。電気が満タンだと100になるからね」


 俺は携帯PCの充電の割合を表示している部分を教えておいた。


「そういえばカメラアプリはアリス達でも使えるかも」


「カメラって何?」


「百聞は一見にしかず、こうやってカメラアプリを起動して、パシャっとな」


「あっ、カイ達が写ってる。精巧な絵を残す道具なのね」


「はいはーい、あたしもやりたーい!」


「それじゃそこのアイコンをタッチして、そしたらいいと思うタイミングでそこの写真ボタンを押すんだ」


「兄やん写すよー、はいっ。撮れたー!」


「これって何枚ぐらい残せるの?」


「ちょっとまってね、調べて見るから」


困った時のアカシックリング頼み。ふむふむ、一枚1MByteぐらいで本体の容量が100Gか。さらに1Tの予備ストレージもあるな。ということは本体だけでも10万枚ぐらい撮れるな


「カメラだけしか使わないんだったら10万枚ぐらい撮れるみたい。さらに予備の記録媒体を使うと100万枚は保存できるよ」


「10万!?100万!?撮り放題じゃない」


「動画を撮らない限りはまず使い切ることはないね」


「動画ってのはどういうもの?」


「ほらっこれが動画」


「10万!?100万!?撮り放題じゃない」


 アリスが驚いている動画をついさっき撮ったのだ。


「何これ、恥ずかしいじゃない!撮り方を教えなさいよ!」


「ちょっとぐらい自分でも調べてみたら?ヒントはカメラアプリで撮れるよ」


 そういいつつ俺はさらに録画する。


「むむー、ケイのイジワル」


「むむー、ケイのイジワル」

 

 またいいのが撮れたようだ。


「あーっ。また撮ってる!!」


「あはは、楽しいなぁー」


 また撮られるのを警戒してリアクションをとらないようにしてるアリスが可愛い。


 


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