隕石の旅
無限と漆黒、有限と星々。私の旅は何時終わるのだろうか、幾万、幾億もの始まりと終わり。
輝くことも忘失し、己の身を削りながらも突き進むことのみが宿命だと信じ。この、宇宙の何処かに私の宿願を満たしてくれる存在。
『隕石』として旅をすることになった私は、自身の終焉を迎える前にやるべきことがある。自我が目覚める以前、母なる大地の一部として生命の源となり、多くの繁栄を齎してきた。しかし、その時が訪れた。我ら全てを守護し続けること幾億、宙に浮かび爛々と輝く丸い星。一瞬で膨大な『光』と『力』がこの銀河を、慈母を、生命を、無へと誘った。
私は、あまりの熱光に意識が目覚めるのを感じた。勢いのまま飛散する片割れの姿にとんでもない異世界に迷い込んでしまった事を直感したが、次第に、輝きが晴れ、次いで漆黒が顔を出し、数多の煌めきが私を出迎えてくれていた。
旅する中、宇宙は私に色々な事を教えてくれた。宇宙と無限、銀河と瞬刻、星々と刹那、そして『生命』。
私は、慈母から分け与えられた生命の因子を体内に宿していることに気づいていた。今は、悠久の眠りについている。この因子こそが私の希望。彼女達を甦らせる事だけを願って旅を続けた。
銀河数億を股にかけ、私は宛ら宇宙葬。悠然とただ目指すのみ。銀河の光の言霊が私を導きその場所は『生命の星』。青く澄み渡り、翠緑の園。
私は運命に祝福するとその星に降り立つことを決断した。
隕石衝突まであと一週間――。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
初の純文学作品です。文章を作るって面白いですね!
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