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神様を拾ったらひとまず役場で確認をしましょう お狐巫女様といっしょ

作者: みやび

お札を買って帰ったら家に狐耳狐尻尾の女の子が生えた。

まるで意味が分からない。


「わらわは、神様なのじゃ、ここを神社とする!!」


巫女服を着た金髪の彼女はそんなことを、どや顔で宣言した。

まるで意味が分からなさが増えた。






「えっと、こういう時、どうすればいいんだろうか……」

「笑えばいいと思うのじゃ」

「あはっ」


思わず苦笑いが漏れる。


「ひとまず、君は誰だい? まあ、いきなりそんなコスプレな格好して現れたから、泥棒よりも神様っていう方が信じられるけど」

「案外物分かりがよいの」

「いや、君の格好が非常識すぎるだけだよ」


巫女服だけだって神社以外では見かけないのに、金髪に狐耳と狐尻尾である。こんなところにコスプレした変人が入ってくる確率より、神様のほうが確率が高い気がしてくるぐらいにありえない格好だった。


「で、この1DKの一人暮らしのアパートの部屋を神社とするって、なにがおきるの?」

「わらわがここで生活するのじゃ!! うれしかろう」

「んー、まあうれしいかもしれないけど…… ここ、ペット禁止だよ」

「ペットではない!!!」


がーと吠える神様(仮)。耳がピーンと立ち、尻尾がぶんぶんモフモフとせわしなく揺れる。

かわいらしい子が一緒に住んでくれるっていうのはそりゃうれしくないわけではないが、いろいろと理性が試されそうである。


「ひとまず、君の名は?」

紅葉くれはじゃ、覚えておくがよい」

「はいはい、紅葉ちゃんね。身分証とかあるの」

「これじゃ!!」


どや顔で、胸元から取り出したるは運転免許証だった。AT限定のゴールドである。

取り出した瞬間、胸元が見えたのは気にしないことにした。ほのかに暖かいのも必死に無視する。

住所は、お札を買った神社だな。生年月日は……明治になっているんだけど……


「なんじゃ、すごいじゃろ、ゴールドじゃぞ。神様仲間でも運転できるやつは少ないのじゃ。みんな機械音痴じゃからの」


どや顔して尻尾をぶんぶん降る紅葉ちゃん。

いや、別に俺もゴールドだし……






ひとまずうちを神社にするとか言っているし、住民票をうちに移す作業から始める。

いや、正直言うと、まだ8割ぐらい、紅葉ちゃんが家出娘か何かで、俺の家に転がり込もうとしているんじゃないかと疑っている。

紅葉ちゃん見た目高校生だし、下手に泊めたら即逮捕である。青少年育成条例違反で捕まる。ひとまず住民票当たりの手続きをすれば、嘘をついていたらばれるだろうと思って、一緒に役所まで行ったのだが……


「~♪ これであそこがわらわの神社じゃの!」

「マジかよ」


紅葉ちゃんが明治生まれなのは、役場の書類が嘘でなければほんとらしい。しかも神籍移転手続きとか言う謎の手続きをとって、無事、俺の家が紅葉ちゃんの神社になった。というか普通に借り家なのに、いいのだろうか。


「ひとまず夕飯を買ってくるか。何が食いたい?」

「稲荷ずし!!!」

「出来合いのでいいか? 一から作るのはめんどい」

「わらわがつくってやってもいいぞ」

「ひとまず今日は出来合いので我慢しろ。ここのスーパーのやつ結構おいしいから」

「じゃあ試してみるのじゃ」


なんとなく騒がしくなりそうである。


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