憧れの高校生活?
「世の中の人間はすべて平等」なんて言う人がいる。しかしそんなのは理想でしかない。世の中にはイケメンという勝ち組とその他に属する平凡やそれ以下に属するくそ人間いわゆる負け組にわけられる。例えばイケメンが「君をずっと待っていた」なんて言うと、もう女子なんかは胸がキュンキュンドキドキしてしまうだろう。イケメンでない負け組側の人間が言うと、キモいと思われ引かれる。ましてや犯罪者扱いされるかもしれない。こんなのどこが平等なんだ。不平等ではないか。だから世の中平等なんてありえないのだ。by滝下 海斗
4月上旬桜がとても綺麗に咲いてる頃。俺は新しい制服を着て、わくわくの気持ちで自転車をこいでいてた。そう今日から俺はあの憧れの高校生なのだ。ついに高校生だ…!高校生活では彼女を作ってリア充ライフを満喫するのだ!なんて思いながら高校に向かっていた。
「高校ではどんな可愛い子に出会えるかなー……ん?」
俺の前方で全力疾走で走っている女子を見つけた。 ヒラッ その風でスカートがめくれ上がった。
「ピンク!派手!」
いきなりいい事あったなーと思っていたらその女子から何か落ちるのが見えた。そのまんま放っておくのはまずいので俺は拾いに行った。
「なんだ…?生徒手帳か。えーと名前は…優希雪奈?この生徒手帳ってことは同じ学校か」
確認してから周りを見渡したがもう女子の姿は見えなかった。
「走るの速いな…。しょうがない学校で渡すか…」
俺は生徒手帳をポケットにしまい、また自転車をこぎ始めた
「うおー…!でかいな」
この東青大学はここら辺の高校のだと一番でかい高校らしい。
とうとう俺のリア充ライフが始まろうとしている…!俺はそんな気持ちで第一歩を踏み出そうとした瞬間 ー
「んぁ?」
ちょっと離れた所で小さい女の子が泣きながら座っているのが見えた。
「迷子…か?」
俺はその子の方へ駆け寄った。女の子は「お母さん〜!」と泣きながら言っている。
「ふぅ〜。どうした?お母さんとはぐれちゃったのか?」
「うん…」
どうやら迷子らしい。俺は時間を確認して女の子の手をとった。
「よし、じゃあお母さん探すか。こんな所で泣いててもお母さんには会えないぞ」
女の子はコクッとうなずき立ち上がった。俺は街中の人に話を聞き、そんな感じの親がいたという方向に向かった。そして女の子は無事にお母さんと会うことができた。時間を確認して、まだ間に合うか…と思い再び学校に行く向かい始めた。
そして、少し歩いたところで俺は時計を見て気づいた。
「あれ…?この時計…止まってねぇ…?」
今時刻は8時10分。さっき確認した時も8時10分。
「これやばくね…?」
学校には8時40分まで着いていなければならない。時計が動いてないことを考えると、今現在の時刻は25分くらいといったところか。
「うん。やばい」
自転車を駐輪場に止めてしまっているためない。俺は全速力で学校へ行こう向かい始めた。
「うぉぉぉぉお!」
「新入生のみなさん。ご入学おめでとうございます。本日からあなた達は私たちの仲間です。これからたくさんのことを乗り越えて頑張っていきましょう」
パチパチパチ と拍手があがる。
がやがやとした教室。新しい仲間との出会いにみんなワクワクしている。
「はいみんなー。席に座ってー!今日からみなさんの担任になります、新川静香です。よろしくね〜」
男子から「おぉ〜」と低い声が聞こえる。
「ではまず、みんなの名前とか趣味とか色々知りたいから、自己紹介でもしてもらおうかな〜。じゃあ出席番号順にどんどんやってって〜」
みんながそれぞれ自分のことを話していく。
「はい拍手〜。じゃあ次の人〜」
みんなが周りをみて確認する
「あれ?次は確か滝下だぞー」
ガラガラガラッ
「ハァハァ…どうも滝下海斗です。ハァハァ…これからよろしくお願いします。」
俺は見事に遅刻をした。
「おー滝下。初日に遅刻とは度胸のあるやつだ。まぁ話は後で聞くからとりあえず席に座れ。」
「はい…すみません。」
ザワザワ
「くそ…最悪だ。初日から遅刻だなんて…。最初が肝心なのに…」
俺が肩を落としていると
「いやー、初日から遅刻だなんて勇気あるねー」
なんだと思って俺は横を見た。そこに居たのは俺が拾った生徒手帳と同じ顔である。そして俺は自然と太ももの方へ視線がいってしまった。
「ってあんた、どこ見てんのよ!」
俺は正気を取り戻した。
「あ、あぁすまん。あの、これ」
俺はポケットから彼女の生徒手帳を取り出した。
「ってあんた!なんで私の生徒手帳持ってのよ!ストーカー…!?」
「ちげぇよ!俺は拾ったんだよ!」
くそ…この女…顔がいいからって調子に乗りやがって。
「気持ち悪いっ!もう私に関わんないで!」
「こっちこそゴメンだよ!このクソ女!」
「クソ女ですって!?何よこの変態男!」
「うるせぇっ!俺は拾ったって言ってんだろ!」
「うるさいわよっ!近寄んないで!」
「うるさいのはあんたたち2人よ!」
俺らは先生に叩かれ周りを見渡した。みんなの視線がこっちに向いている。俺は立ち上がってみんなに謝った。
「お前も謝れよ…」と俺は小声で言った。
「なんであんたの言うこと聞かなきゃいけないのよ」
「いいから謝れって」
「いやよ!あんたの言うことなんて聞きたくないわ!」
「そうかよ!わかったよ!クソ女」
「また言ったわね!?」
「あんたたちー…」
『はいっ…!』
「ちょっとは反省しろー!」
「で2人ともなんで今職員室に来てるかわかるよね?」
『はい…』
2人の声がピッタリとあった。
「合わせるんじゃないわよ」
「お前が合わせてきたんだろ?」
また2人はもめ始める。
「だから!それだよ!」
『はひっ!』
またそろった。
「君たち2人はこれから同じクラスとしての仲間なんだ。もっと仲良くしてはどうかね」
「はぁ…そうですか…」
こいつ顔はいいのに性格がなー…
「はぁ。そうですよね…」
この人顔は…べつに良くはないし性格も…良くないし。まぁいっか。
「このまんまの2人だと私の方にも何か苦情が来るんだ」
「はい…」
でもこいつと仲良くやるなんて、無理な気しかしない。落し物届けてあげたのにあんな態度を取るなんて。まぁたしかに俺も足の方を見てしまったこともあるけど、しかしそれでもあの態度はほんとにもう人として疑ってしまう。
「で、提案なんだがお前ら2人で部活わ作ってもらおうと思う」
「はい?部活?」
俺ら2人で部活を?この女とましてやこんな状況で俺ら2人で部活をできるわけない
「せ、先生?本気で言ってるの?こんなやつと部活なんて無理よ!」
「否定は認めない」
「はぁぁ!?」
「これでやらなきゃ内申オール1にするぞ?」
この先生むちゃくちゃだ。やんなきゃオール1なんて将来バッドエンドでしかない。
「先生。でも部活ってたしか4人以上じゃありませんでした?」
「あぁそうだよ?」
「じゃあ2人でどうやって部活を?」
そう。部活は4人以上でなければならない。2人では部活を作ることが認められないのだ。
「なーに簡単な話じゃないか。2人で協力して人員を確保すればいいんだよ」
「この男と協…力?」
「この女と協…力?」
むりむりむり!こんなやつと協力なんてできるわけない。
「無理ですよ!先生!」
「はぁ…しょうがない。成績はオール1か…」
先生は引き出しから紙を取り出し、何かを書こうとしている
「まった!先生待った!やるから!やりますから!」
「待ちなさいよ!私はべつにやるなんて言ってないわよ!」
「もうやるしかないんだよ!」
「滝下はこう言ってるがどうする?」
俺はキラキラとした目で優希を見つめた。オール1になんかなりたくない。
「はぁ…分かったわよ。やればいいんでしょ!」
「おぉ。お前らは話が早くて助かるよ」
先生の方から小声で「ちょろいな」と聞こえた気がしたけどまぁ気のせいということにしよう。
俺は初日からたくさんのハプニングが起きた。本当に俺はリア充ライフを満喫できるのだろうか…
誤字すみません