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出来損ないの探偵物語  作者: Ⅾeka
7/7

罪人探偵 2

お昼休みが終わりそうな頃、次の授業が自習になるとわっかたクラスメイト達は、事件の謎を解くためフォードの裁判のような事を始めた。


「おい!いい加減白状しろよ!お前がやったんだろう!家村!」


あいかわらず、加古君はフォードを犯人だと言っている。周りのクラスメイトとみんな同じ意見だ。


こんな状況で、緊張するがそろそろ僕の推理ショーだ。


「ねぇ!ちょっと良いかな?」


「なんだよ?蒼井!」


「一度話を整理するとともに僕の話を聞いてくれないか?」


僕はみんなの前に出て、声をかけた。


「なんだよ?」


「まぁまぁ時間はとらせないから」


僕がそう言うと、皆は僕の方に体を向けてくれた。


「まず、この裁判?はアリサの財布が盗まれたことにかんしての話だよね??」


「そうよ!それでその財布が家村君の鞄から出てきたんじゃない!」


「それに!事件の時にクラスに入っていくコイツを見たって奴もいるんだぞ!」


クラスメイトの一人がそう言ってくれた。


「でも詳しく聞いたらフォード以外にも事件があった時間にこの教室にいた人がいたそうだよ?」


この言葉に、皆は驚きの表情をしていた。一人を除いては。


「その人が犯人って可能性があるよね?…ね?加古くん?」


僕は、加古くんを睨むように見つめると、彼は顔をうつむいていた。


ここで、トドメをさしてみるか…。


そう思いながら、僕は加古くんのもとに近づいていった。


「加古くん、君が犯人なんじゃない?」


僕の言葉に彼は少しだけ動揺すると、すぐに言葉を返してきた。


「な、何を言うんだ!君は友達をかばいたいからって僕を犯人にするのか!」


「そうじゃないよ…だって君相当おかしいことしてるって気づいてない?」


「おかしいこと?」


そう聞かれた僕は、2つの黒い財布を取り出した。


「じゃあ!この2つ財布のうち、どっちがアリサの財布かわかる?」


そう言うと彼は急に焦りだした。


「な!ひ、左か…」


「じゃあ…確認してごらん?」


彼は選んだ財布を確認すると、目を見開いて驚いた。


それもそうだ、あれはフォードの財布なんだから。


「な!なんで!」


「ね?わからないでしょ?こんなの中を見ないとわかるはずが無いくらいそっくりなのに、何で君はあの時すぐに彼女の財布とわかったの?確認もせずに?」


僕がそう言うと、周りがざわつきだした…。


「そ、それはいつも使っているところを見てたから…」


「その財布は、今日から使いだした財布だよ?いつも見れてないよね?」


彼はついに言葉がつまりだした。


「そ、そこまで言うなら証拠はあるのかよ!?」


「証拠か…ところで加古くんコンタクトはどうしたの?朝はコンタクトをしていたはずでしょ?」


「そ、それは…」


「あったよー!」


彼が動揺していると、後ろの方からアリサの声が聞こえてきた。


そろそろトドメをさそうかな。


彼女はハンカチの、上にコンタクトレンズをのせてこちらに来た。


「私のカバンに入ってたよ!」


「もしこのコンタクトが君のだとしたら、君が犯人ということになる。どうする?このコンタクトをしっかり調べてもらうかい?」


「う、うわぁぁぁぁぁぁ!」


加古くんは、泣き崩れた。


少しすると、彼は自供しだした。動機はアリサに振り向いて欲しかったからだそうだ。事件を起こしてそれを自分で解決したら自分の事を見てくれると思ったからだそうだ。


フォードを選んだのは、サボリのくせにアリサと仲が良かったから犯人にしようとしたそうだ。


でも、フォードもクラスの皆も彼を許していた。本当に優しいクラスだ。







夕方、僕とフォード、アリサの三人は夕陽のさす教室で話していた。


「全く今日は本当に災難だった」


「そうだよね~まさかフォードが犯人になるんだから!」


「そうだね!『罪人探偵』だったね!」


「いや!それはあっちだろ!…まぁありがとうなワト。探偵似合っていたぞ」


彼は顔をそむけながら僕にお礼を言ってくれた。


「だよね!本当にかっこ良かったよ!」


僕は、皆の言葉に照れ笑いした。


今日の事は、僕は忘れないだろう。


そして、今日この日から僕は変わることを決意した。


探偵になれなくても、僕の一番する探偵(フォード)の最高の相棒(ワトソン)になれるように…。








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