表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
陰に陽に  作者: 若松ユウ
17/22

017「ジェラシー」

「おーい!」

「おーい!」

 海に浮かぶ櫁と椚に向かい、椛と椿は、ブンブンと大きく手を振る。

「結構、遠くまで泳いだみたいですね」

「そうだな。沖のほうまで行ったみたいだ。大丈夫かな?」

「天気も穏やかですし、問題ないと思いますよ。それより、さっきの続きをしましょうよ。さあ、どんと来い!」

 椛は大股を開き、ビーチボールを打ち返す構えをする。椿は、椛に向かってビーチボールを投げながら言う。

「よし、行くぞ。そーれ!」

 二人は、ビーチボールを往復させながら会話を続ける。

「ハイ。――ところで、椿さん」

「何だ?」

「椿さんは、いま、お姉ちゃんと付き合ってるんですよね?」

「ああ、そうだけど。それが、どうかしたか?」

「もうすぐ三十ですけど、結婚したいとか、子供が欲しいとか、思わないんですか?」

「急だな。そりゃあ、あわよくば、とは思ってるけどさ」

「そうなんですか? そういう気配がないから、最近、椚さんに乗り換えようかって言ってましたよ?」

「え! ――オッと、ボールが」

 椿は、椛の爆弾発言に驚き、一瞬、動きを止めたあと、落したビーチボールを拾いながら言う。

「それは、本当の話か?」

「まあ、酔って口走ったことだから、どこまで本気かは知りませんけど、この前、そんなことを言ってましたよ」

「そうか。よりによって、椚の奴に」

 顎を押さえて沈思し始めた椿の顔を、椛は下から覗き込みながら言う。

「兄として、弟に彼女を取られるのは、プライドが傷つくんじゃありませんか?」

「ああ、そりゃそうだ。こうしちゃいられない。漫才師になんか負けてられるか!」

 椿は、ビーチボールを椛に押し付けると、バシャバシャと海に入っていく。

「頑張ってくださーい」

「何を頑張るんだ?」 

「あっ、楓さん」

 椛は振り返り、両手にサイダーの缶を持って立っている楓の姿を認める。楓は、振り返った椛の手に、片方の缶を渡す。

「あれ? 梢さんは、まだ休憩中ですか?」

「あっ、いや。ビールが入って、ご機嫌になったから、桜と松井に任せてきた」

「ああ、なるほど。もう、アルコールに手を伸ばしたんですね」

「そうなんだよ。酒に、恋人の座を奪われないか心配だぜ。ハハッ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ