実はバイクは車より安全な乗り物なんやよ?
コラムってわけじゃない。
単純に事実を述べたいっていうだけの話。
ヤマハ、ホンダ、カワサキの3社がアンケートにて掴んでいること。
それは若者が「クルマと比較してバイクに憧れを持っている」という事実。
男女関係なく、10代~20代前半の3割もの人間がそんな考えを持っているという驚愕の事実。
理由は簡単で「経済的にまだ手が届く」から。
彼らもまた、私のように「どこかへ駆け抜けてみたい」と思ってるんだろう。
筆者は彼らと同じ年代に四輪に憧れつつも二輪についてもいいなとは思っていた。
ただ、やはり彼らが考えるのと同じように敷居が高いと思っていたのだ。
「バイクは事故しやすい」「バイクはコケたら大変」「暑い」「寒い」そんなイメージが先行し、「バイクよりもクルマ」と考えていた人間だ。
だがそんな人間は結局、東京に在住で働く関係から四輪はカーシェアでバイクが愛車という今の20代~30代と同じような状況に置かれている。
本当はクルマが良かったが、求める性能を満たす日本国産メーカー車で維持できるような代物がなかった。
結局は「モノコック」という存在が「年間3万キロの人間だと1年~長くても2年以内にでビビリ音を生むような欠陥品」であるという筆者の走行距離に対して応えてくれない貧弱さが悪いのだ。
別にスポーツカーが欲しいわけでもないのにコレは一体何なのだろう。
かといって「ラダーフレーム」に拘れば全幅2m近くという、日本の国内で使うにはバカデカいものか、商用車しかないのだ。
「ならジムニーはどうだ?」という話があるのだが、ジムニーは田舎にあるけどすぐ錆びる仕様が気に入らなかった。防錆対策を考えると付き合っていられない。
トヨタのラッシュまたはダイハツのビーゴだったかな?
アレもどうかと言われたが、アレも弱点がそれなりにあって諦めた。
ただ、アレがやたらめったら息が長くてそれなりに売れていた理由は間違いなく「この枠に当てはまる存在だから」であるとは思うということだけは言っておく。
また残念ながらこちらは販売終了してしまっている。
なので実質的に選択肢があるとすると「ジープラングラー」ぐらいだろう。
ラングラーを維持できる金さえあれば買っていたかもしれないが、アメ車の中で唯一売れている車両の理由は、これもまた「唯一の存在だから」である。
後は前述した「コルトディーゼルミニバス」「コースター超ショートボディ」だが、これらは車体価格も高くラングラーより維持費がかかるので厳しい。
で、私がバイクと車に求める条件はこれらだ。
1.フレーム、またはボディは「90万キロ以上走行してもヘタらない」
2.エンジンは20万キロまでは何とか保つ。
3.積載力が高い。
4.車なら車内で寝られる、バイクならカバー外したらすぐ発進可能で面倒な積載などの時間が発生しない。(ようはフルパニア可能ということ)
5.100km走行時が非常に楽
6.いざと言う時は140kmぐらいまで即加速して緊急避難可能な加速力(最近話題の頭のおかしいドライバー対策)
6.航続距離400km以上
特に航続距離は重要だ。
バイク、車が趣味の人間なら知っているだろうが、現在ガソリンスタンドは信じられない勢いで減少傾向。
しかも24Hなんて殆どない。
例えば国道1号の場合、京都から名古屋までの間にガソリンスタンドが全く無い。
この間100km以上あるが、この間2つか3つあった程度で、しかも上り車線の場合は確か名古屋市内に入って見えてくるシェル石油ぐらいしかなったはず。
これらのスタンドは24Hではないので、深夜に通過しようものなら名古屋市街まで入って探すハメになる。
しかし市街地といっても新東名沿いの豊田市内ですらすでに今年に入って3件もガソリンスタンドが潰れてしまったぐらいで、市街地だからといっても地方だと安心できない。
私はロングライドに車とバイクを乗る人間。
しかも走る時間帯は「走りたい時に走って、1回でもあくびが出たら昼夜構わず道の駅などで寝る」という走ることだけが目的の、ネット上の言葉を借りるなら「距離ガバ勢」と呼ばれる人間だ。
どれだけ走るかというと、ほぼ高速を使わず2泊3日で東京から下関を目指して出雲まで行って諦める程度。(総走行距離1800km前後、1日600km以上)
目的地を決めたら食事とトイレと風呂と寝る以外では停車せず、殆ど走りっぱなし。
そういう人間にとって最も危惧すべきことは「ガソリン補給」である。
なぜなら「市街地」ほど混雑する日本の道路事情においては、距離を伸ばしたい人間にとって渋滞に巻き込まれ、体力と時間をデタラメに消耗する行為は避けたいのだ。
だが24Hほど市街地側に配置されている。
航続距離が短い車においてこの矛盾の解消に努めるのは大変。
夜景を楽しんで走りたいと思ったら夕食を我慢してスタンドまで向かうなんてことになる。(車のために走ってるのか、自分のために走ってるのかわらかなくなる)
結果的に行く前に何度もgooglemapなどと睨めっこしてスタンドに目星をつけておかなければならないが、北海道や九州、そして四国などでは冗談抜きで片道100km程走らないとスタンドがないといったような観光地が存在する。
そこにいきたいと思うと、最低「200km」は走行可能でなければならないが、それは「観光地とスタンド」との往復であり、そこからさらに別の場所に向かうことが出来ないことを意味する。
よって「400km」の余裕はもっておかなければ地方の観光すらままらないというのが現在の状況だ。(寄り道などが全く出来ない)
一般の乗用車の航続距離は800km前後なので、この話が当てはまるのは「バイク」限定の話だが、車によってもガソリン残量を気にせず走って燃料ゲージ半分以下になったらパニックになるだろう。
かくいう筆者もカーシェアの登場によって長距離旅行を楽しんでいた20代前半の当初、何度も遭遇しては泣いた。
当時のgooglemapはそこまで高性能ではなく、潰れたスタンドが普通に掲載されていたりしたからね。(この頃、急速にガソリンスタンドが潰れていった)
それで、バイクについてだが、
燃料タンクが11Lとか13Lとかしかないのに1L20kmしか走れないような車両がザラにあるので最初の車種選びは慎重に行おう。
ただ、13Lや14LといってもCBR250RやNinja250のように1L/30km以上みたいな存在もあるので、量が少ない=航続距離が短いとは限らない。
重要なのはその車両が持つ航続距離であって、CBRやNinja250は450kmぐらい普通に走ってくれる非常に優秀な中型バイクだと言っておこう。
間違っても18LだからってCBなんかに乗ると「1L16km!?」なんて事になったりして泣いたりするので、某赤い3倍の大佐風に言うと「燃料タンクの大きさが航続距離の決定的な差ではないことを教えてやる」ってなことを言いたいわけだ。
では本題に入るけど、若者が意外にもバイクに憧れる一方で、バイクに対して一番敷居が高いと感じているのが「事故」であった。
これはある意味で正解だ。
なぜなら車とバイクにおける事故遭遇率の単純な計算でいえば車の1.3倍ぐらいの確率でバイクは事故ってるからね。
バイクの方が「事故をしやすい」という単純な話では正解。
だがこれは厳密には正しくない。
なぜならバイク事故の80%以上は「時速30km以上の速度超過によるもの」だからだ。
どういうことかというと、高速道を走っていると「二輪自動車の死亡事故多発、速度注意」だとか「二輪の追い抜き危険」なんて電子掲示板にあるけど、ようは箇条書きで書くとこういうこと。
1.速度を大幅超過して無理に追い抜きをしたらバランスを崩して転倒し、本来の道を外れて一方通行である黄泉比良坂を直進することになり、Uターンできなくなった。
2.速度を大幅超過した状態でカーブを曲がりきれず、崖を飛び越えて三途の川まで飛び越えてしまい、途方にくれることになった。
3.田舎の夜道を速度を超過した状態で高速走行中、狸などの障害物にぶつかり、気づいたら黄泉路に入って迷い、本来の道へ戻れなくなった。
4.速度を大幅超過して走行中、突然車が車線変更してきたのに対応できず、そのまま激突し、こちらも車線変更を余儀なくされ、気づくとナビが「冥界」と書かれた地域へ案内する中を真っ直ぐ突っ走っていた。
こんな状態だ。
ようは、バイクの場合は「乗り手の意識の問題」に起因する事故が大半であり、乗り手が安全運転を心がけた場合は事故全体の2割しかない「出会いがしらによるもの」でしか事故には遭遇しない。
これらはその中で6割強が「相手の確認不注意」であり、こちらの不注意の事故はさらに少なく全体では数%あるかないか。
(バイクは視界が非常に広く死角が車より非常に少ないため、きちんと運転する上では確認不注意というのが極めて少ない)
そこから考えると自動車より極めて事故に遭遇する率が低く、自動車と比較した場合のバイクの事故率は自動車の半分以下の確率だ。
何故なのか。
それは簡単で、例えば「前方の車が急ブレーキしてきたって車間などを守ればこっちは基本的に回避できる」からだ。
私もバイクに乗り始めて何度かヒヤリハットには遭遇しているが、二種免を持つ人間として車間をなるべくとる人間のため、殆どの場合は問題無く回避できている。
車だと急ブレーキを踏まなければならない状況でバイクは「避ける」という行動が追加されるのが大きい。
例えばバイクの場合、この間の東名のような事故に近い状況に遭遇しても停止させられるということはほぼ不可能に近い。
強引にやろうものならソイツに責任が間違いなく及ぶような事故になるのは間違いなく、ぶつけずに停止は出来ない。
そもそも煽ってくる連中の大半はスピードの遅い車であり、例えばCB400ですら0-100がランボルギーニガヤルドと同じレベルであるため、中型以上であれば本気の加速でほぼ逃げられる。(小型二輪にあたる原二の125ccとかだと厳しい)
ただその場合もしつこい場合は車が入って来れない狭い街路に入ってしまえばいい。(小型の利点を生かす)
でも正直な所、「煽られるような状況に遭遇することを回避する」のが基本だと思うけどね。
だってバイクならサービスエリア出口で車が停車してたって真横から抜けられる。
基本的にこの手のドライバーが反応するのは「抜ける際にアクセルを吹かして煽る」とか「クラクションを鳴らす」とか「口頭注意」であるので無視して即座にすり抜ける程度で文句を言うような者は殆どいないはず。
危ないと思ったらSAの受付へ連絡すればすぐにガタイのいい人が駆けつけて処理してくれる。
こういうのも「回避行動」の1つではないかな。
車に乗る上で重要なのはリスクだ。
どんなに安全運転したってスマホでゲームやってるやつが激突してきたり、薬を飲んだ人間が昏睡してクレーンが暴走してきたり、飲酒運転している奴が暴走行為行っていたりするが、それにおいて「走行中に回避行動」という選択肢が増えるバイクは安全。
ただ、近年ではその出会い頭による事故の遭遇比率も非常に低くなりつつある。
これは四輪側のドライブサポート装備の影響だ。
レーダーサポートや自動ブレーキといった存在は結果的に二輪車を守ることにも繋がっている。
これらによって出会い頭の事故も2015年あたりを境に一気に低くなりつつあり、真面目な話、ここまで事故比率が低いと油断しそうで逆に怖い。
それともう1つ。
バイクは飲酒運転検挙率が極めて低い。
なぜか。
それは飲酒なんてしたらまともにバランス維持できないんで本能的に乗るのを避けるから。
だから深夜警察が飲酒運転の検問をやっててもバイクは高確率でスルーされる。
つまり、飲酒運転さえしようと思えない、ある種危険な乗り物だからこそ安全なのだ。
車に乗る上で常に苦しめられるのは、自分がどんなに安全運転していても、他の要因によって事故に遭遇すること。
回避能力が殆どないからだ。
デカければデカい車ほどそうなる。
実際筆者もこれまで10年以上車に乗り続け、現在では年2万kmは軽く走っているがこれまでの人生で1度後方から前方不注意で追突されたことがある。
未だにゴールド免許なのが自慢だけど、ゴールド=無事故ではないのが重要だ。
私の場合は残念ながら大型バス運転中に自損1回、追突されて1回で無違反なだけである。
無事故で一生通そうと努力してきただけに情けないと言わざるを得ないので、せめて無違反で人生終わらせたいとは思っている。
ようは、どんなに評定速度を守ったって他者によって事故に巻き込まれる。
それを回避できることができるため、バイクはほぼ自業自得に近い事故が多い。
それさえ守れば素敵なカーライフを授けてくれるだろう。
ところでもう1つ若者が危惧している「転倒」についてだが、バイクでの転倒は速度超過でカーブを曲がりきれなかったとか障害物を踏んだとか、砂地など滑りやすい部分を進んだとかいう状況以外ではほぼ発生しない。
これも安全運転していればほぼ無縁だ。
バイクの転倒は上記の状況を抜かすと「立ちコケ」「押しゴケ」「低速でのUターン時」などの下りている最中や殆ど速度が出ていない所に集中している。
なぜなら最近のバイクには「トラクションコントロール」とか「ABS」などが搭載されており、特に「ABS」に関しては「新規モデルは2018年モデル、つまり2017年9月以降発売の新モデル」などによって義務化されており、「既存モデルも2020年モデルから義務化」され、現在ほぼ8割以上の二輪車にはオプションにて「ABS」が搭載されている。
砂地などにに入ってタイヤロックして予測可能回避不可能なんてことは殆ど無くなった。
yotuubeなどでも最新バイクが砂地でバランスを崩しかけて立て直したりしているが、
これはトラクションコントロールなどによるもので、大型バイクには最近当たり前のように搭載されてきている。(車でいう横滑り防止機能)
ついでに言うとクルーズコントロールという自動制御による一定速度を維持するだけの自動走行が可能なものが搭載された車種も相次いで投入されてきている。
50代過ぎのオッサンやジジイ世代は知らない人が極めて多いのだが、
「いつからバイクは四輪に搭載されるような安全装置とは無縁だと錯覚していた?」
言っておくがホンダはバイクの自動ブレーキも特許で出願しているぞ。
スーパーカブの最新型、スーパーカブC125なんかABS標準搭載にしちゃったんだぞ。
(スマートキーと貴重品を入れるシート下のスペースの電子ロックまで搭載)
ディスクブレーキとABSと電子ロックとスマートキーを搭載したスーパーカブが10年後に出るなんて2007年に言ってたら笑われただろうが、今やそんな時代なんですよと。
スーパーカブなんてアイドリングストップ機能なども特許出願しているが、C125にそんなのまでついたら箇条書きで記したらこの手の人なんて理解不能な感じになるだろうね。
それで、私が好きなAKIRAの冒頭シーンで「これは、コンピューター制御によるアンチロックブレーキ」なんていってるけど、昔は「まぁ2019もABSなんて最新鋭のシステムすぎて凄いから思わず独り言を呟いたんだな」なんて思ったが、
現実世界の現状と照らし合わせると鉄雄の脳内はこんな感じだったんじゃないかな。
「それとこれは、コンピューター制御によるアンチロックブレーキっと(来年から義務化だけど金田のヤツわざわざオプションで入れよったんやな)」って。
で、「ピーキーすぎて~」のくだりに対して「乗れるさ」ってのも(トラコンやクルコンまでついとるのに何調子乗ってんねん、アホちゃう?)みたいな感じだったかもしれない。
割とマジで2019年頃のバイク事情を考えると金田のバイクはそこまで驚く代物ではないのだ。
精々、ハーレーなどにしか搭載されていないバックギアが搭載されているぐらいだろうか。
アレもトラコンか何かで制御している気がするし、ヘタすると自動ブレーキも付いてそうだ。
でもそういう時代が2019年頃なわけ。
こういった安全装置によってバイクにおいては速度超過以外の事故率が極めて低く減少傾向であり、車よりとにかく安全。
だから買う場合は「ABS」は最低限付属したものを買おう。
これを見てバイクが欲しいと考えている人は特にオプションで選んでおいてほしい。
筆者もヒヤリハットにおいて何度もABSには助けられた。
パニックブレーキ症候群があるため、ブレーキロックが何より怖い筆者が今の愛車で一番怖いのは5速から6速に繋がらずにバイクが物凄い衝撃を発してバランスを崩すことだけだったりする。
絶賛買替検討中である。(ドリームが補償してくれないというから)
で、暑さについてだけど暑さは正直メッシュなどの衣服を用いたら車より快適。
車種にもよるが風はとても気持ちいい。
人間自体が空水冷式冷却であるためだ。
寒さにおいては「電熱」という製品が近年登場し、最近流行の兆しをみせている。
これはホットカーペットを身にまとうと考えてもらえばいい。
バッテリーから供給される電力を電熱線を通したジャケットやズボンにより、寒さにきわめて強い状態にすることは不可能ではない。
そもそも最近は「ライディングジャケット」などといった一連のバイク向け製品がアウトドア製品などの進化に牽引される形で進化しており、極めて断熱性能などが高いものがある。
進化した薄手の生地でかつゴアテックス製などの耐水性生地が挟み込まれたジャケットを身に着ければかなり楽。
まー筆者はお金がないので、若者には「私と同じくKOMINEで我慢しとけ」と言うけどね。
ぶっちゃけ金かければ車並みに快適なのがバイクである。
だから若者に言いたいのは「君が安全運転を心がけている限り、バイクは四輪車の4割以下の確率でしか事故に遭遇しないので、好きにいろんな所に移動してみたいと思うなら安全装備満載のバイクでプロテクターなどをきちんと装備して乗ってみて」ってこと。
実は結構前からこれを題材にしたバイク小説を考えているが、上手くストーリーを練られて折らず、プロットの段階で挫折中である。
四輪は金かかりすぎるんじゃい!
最後にどうでもいい薀蓄話。
バイクでは「アクセルとブレーキを間違えた」という事故が計測できない。
まぁ間違えたところで突っ込んでも店のガラスを突き破るほどの車体重量がないからではないかと思われるが、バイクがコンビニに突っ込んだなんてニュースは確かに無い気がする。
70~80歳で大型に乗るような集団とかがいる結構いる時代に、彼らが暴走したという話も聞かない。
もしかしてバイクって凄い安全な乗り物なんじゃないかな!