獣神
その洞窟の前には洞窟の周り全体に文字が書かれていた。
「この文字が…封印?」
「そうです。これは先祖が50年間かけて封印したものです...どうやって封印が解けたのでしょうか...。」
「敵兵の仕業じゃないのか?」
「いいえ...でもこれは...高度魔術師でも破壊が難しい術式のはず...。」
「だろうな。でも考えてみろ?向こう側に高度魔術師がいたのなら...。」
「私で最後ですよ?」
「双子が居たら?」
「...その可能性は考えになかったです...。」
「だな。まぁとりあえずこの中の神々を鎮めさせるか!」
「はい!」
洞窟は奥深く、真っ暗であった。
とその時、
「貴様らは何者だ...!」
と声が聞こえた。
慌ててリヒトは、
「だ、誰だ!」
言葉を発した。
「我は光の神イヴァロア。時が来たのだ。さぁそこをどけ。」
「無理だ!お前たちを鎮めるために来た!」
「ならば殺すのみ!」
そういうとイヴァロアから光が放たれて洞窟が明るくなった。
俗にいう龍だ。
なぜかチェルシーがおびえていた。
「どうしたチェルシー!」
「この龍は…!」
「この龍がどうした?」
「この龍は操られています。これは...術式です...。」
「そうか...。わかった。よし!こい!イヴァロア!」
「グォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」
イヴァロアの鳴き声洞窟中に響いた。
次の瞬間、
イヴァロアが光を放った。
「リヒト様!これシャローレイヨンです!防御のこと考えてください!」
「OK!岩たちよ!我を守りたまえ!」
リヒトの前に岩が集まり頑丈な壁になった。
壁に当たり爆発音が盛大になった。
リヒトは無傷だ。
「よしゃ!俺のターンだ!ここにあるすべての光よ!我に力を!ルミネルレイヨン!」
これが的中し凄まじい音と共にイヴァロアの叫び声が響く。
「グァァァァァァァァ!おのれ!貴様ら!」
「リヒト様、ここは私が!」
「任せた!」
「この龍に裁きを!ソーパフェックモ!」
青い光がイヴァロアを包んだ
そして、イヴァロアの叫び声が再び洞窟内に響いた。
「これは?」
「完全封印魔法です。これで1000年は封印されるでしょう。」
「すごい...。」
「リヒト様!先を急ぎましょう!早くしないと神獣たちが出て行ってしまいます!」
「おう!」
リヒトたちはまた真っ暗闇の洞窟の奥へと進んだ。
◇ ◇ ◇
30分程歩くと光が見えてきた。
そこはなぜか伸び伸びと草が生え青々と生い茂っていた。
「ここは...。」
「どこでしょう...。」
「よく来たな我が宿敵よ。」
後ろから声が聞こえてた。
リヒトたちは驚いて振り返ってみると、そこには5m超の巨大ゴーレムがいた。
ルーシーがなぜかまた、とてもおびえていた。
「ルーシーさがってて俺がやる。」
「ご、ごめんなさい、昔のこと思い出してしまって...。リヒト様危ない!」
ゴーレムが殴ってきたのだ。
「岩たちよ!我を守れ!」
ゴーレムの攻撃は完全によけられた。
「奇襲とか卑怯だぞ!」
「貴様ら人間と同じようにしたまでだ!ゴォォォォォ!」
ゴーレムの叫び声とともに大量の岩が一斉に飛んできた。
「なんじゃこりゃ!我を守れ!」
鈍い音が聞こえた。
「血...か。死ぬのか...。」
リヒトの魔法は不完全に発動され、効果がなかった。
「リヒト様!大丈夫ですか?リヒト様!リヒトさ...」
「へ、ここでも死ぬのか...。」
その言葉を発した後リヒトは気を失った。