リヒトの日常?
宣戦布告通達をされたあの夜から5週間後、リヒトはすでに戦場へ送られる準備をされつつあった。
リヒトは剣の扱いも多少慣れたと判断されたので、訓練生育成及びその隊の指揮を任せられた。
「それでは君たちには木刀による実技試験をはじめる!この試験の合格者にはブデルタ隊長より剣が受け渡される!皆のもの!位置につけ!」
練習場内に緊張が走る
「はじめ!」
合図とともに木刀が交じり合う音があちこちで響く。
それをリヒトは評価しなければならないのだが...
「え、あ...なに誰がやられたのだい?あそこか!」
「しっかりしてください!」
「え、え、はははあ...なんじゃこりゃ...」
「あそこやられました!」
「はいはいわかりましたよ」
リヒトと話しているのはリヒトの付き人となったモンデンス・クリスティンである。
彼女は2週間前にリヒトについた。
なんだかんだ試験を終えリヒトは自分の書斎へ行った。
リヒトは椅子に座り、独り言を始めた。
「なんだよもう...はぁ...なんでこうなるかなぁ...」
「どうされました?」
「いや...ただ暗号がほしいだけだったのになぁ...」
「はい?暗号?何のことですか?」
「い、いや...なんでもないよ...?ってえぇ!?お前どうやって入った!?」
「普通に入ってきましたよ?気づかなかったんですか?っていうかうそです!その顔は何か隠して
ます!」
「んなわけない!言い切れる!」
「へぇ~そうなんですか?絶対ですね?なにか隠し事していたら殺しますよ?」
「殺せないくせに。ところでさぁ」
妙な殺気が沸いているがこれも無視する。
こんな感じのが毎日続いているのだ。
とその時、
リヒトたちのいる書斎の扉が激しく空いた。
「リヒト様!チェルシー様から伝令です!直ちにチェルシー様の宮殿へお越しください!緊急と聞いて
おります!」
「わかった!直ちに行く!大臣の許可は?」
「既に得ているそうです!南門に馬車が止まっています!それにお乗りください!」
「承知した!」
そしてリヒトは馬車に乗りチェルシーのところへ向かうのであった。
◇ ◇ ◇
宮殿について早々宮殿へ移動中にことは深刻さを増していたらしく、チェルシーが走ってこちらへ向かってきた。
「リヒト様!こちらの馬車にお乗り換えください!早く!」
「なんかすごいことになっているらしいな...クリスティン!ここで待って居ろ!」
「い、いやしかし!」
「ダメだ!執事さん!この子を頼みます!」
「確かに承りました!」
馬車の中の少女は神に祈りをささげていた。
「あぁ...こりゃほんとにやばいかもなぁ...」
ぼそぼそ独り言を言いながらリヒトは馬車に乗った。
そのまま馬車は動き始めた。