死刑宣告!?
宿舎にガンダッシュで戻った理人だったがやはり、みんなは食堂にすでに行ってしまっいて誰もいなかった。
「点呼の時いなかったからきっと教官激怒しているんだろう...」
そう独り言を言った瞬間、鋭い目線を感じた。
「おいリヒト!どこへいっていたのだね?」
教官だ。
「は、はい!昨日は城を飛び出してしまい申し訳ありませんでした!私は町へ行っておりました!」
「ほう。それで?何をしていたんだい?」
「は、はい!さ、才能がないと思い落ち込みながら歩いていたのですが途中で倒れてしまい...」
「ほう。それではこれはなんだかせつめいしてくれるかい?」
教官は一枚の紙を理人に渡した。
「とりあえず読み上げろ!」
「は、はい!「本町にて、見習い騎士と思われる少年を目撃。深い眠りに落ちている様子。隣にはアードリアス・エルザ親王妃の娘...と思われる...少女が同じく深い眠りに落ちている様子...。報告はここまで。以上。」」
「それで?なぜ練習場から逃亡した見習い騎士がアードリアス親王妃の娘と一緒にいてなおかつ、一緒に寝ているんだい?」
「い、いや...その...あ、あれなんです...たまたま...はい...会いまして...」
「ほう。たまたま。会うのはまぁ仕方がないことだな。それでなぜ寝たのだ?」
「い、卑しいことはしていません。成り行きというか...はい...」
「成り行き?どのようなだ?」
「色々していたら疲れてしまい寝てしまって...」
「色々...これは裁判行きかな?」
「...何もしていないんですけども...」
「国家にかかわる人だぞ?重罪だな...」
「死刑ですかね...」
「一番ありうるなぁ」
「...」
「とりあえず上のほうに報告書まわしてくるからここで待っていろ。」
「は、はい...」
し、死刑!?
誰か!助けてくれ!何もしていないんだ!
二度も死にたくない!
理人は心の声もろくに出せずただただ立っていた。
しかしとうとう理人は不安と緊張でうずくまってしまった。
数分後、うずくまっていた理人に誰かが話しかけた。
「君がリヒト君か。親王妃の娘を守っていただきありがとうございました。親王妃に代わってお礼を申し上げます。」
「え?あ?は、はい。」
「申し遅れました私はアードリアス・エルザ親王妃の執事です。先ほど、リヒト様の教官から聞きましたがこの件につきましてはこちらのほうで処理いたしましたのでご安心ください。」
「え?あ、ありがとうございます!」
「ところでこの後用事などはありますかね?」
「ないですけどなんでですか?」
「来てもらいたいんです主の家に。」
「あ、あはい!喜んで!」
こうして理人の疑いも晴れ、アードリアス親王妃の豪邸に招かれた
◇ ◇ ◇
アードリアス親王妃のまるで城みたいな豪邸についた理人は言葉にできないくらいの衝撃を受けた。
目の前にまるで天使のような少女がたっていたのだ。
これが...チェルシーなのか...?
実はあの時夜中であたりが真っ暗で顔がまともに見えない状況だったのだ。
「リヒト...またお会いできて私は嬉しいわ」
チェルシーが理人に近づきながら言った。
「あ、はい!わ、私もです!」
「なに急に緊張した顔してるのよ。この前会ったばかりじゃない。」
チェルシーは微笑んだ。
「綺麗だ...」
「ん?」
あ、口に出てしまった...
「あーいやなんでもない。」
「そう」
「理人様、お嬢様外はお寒いので中でお話ししましょうか。」
こうして理人は城みたいな豪邸に足を踏み入れたのであった...