夢
ある夢を見た。
茜色に染まりかえり、とてつもない光を放つ夕日が地平線に落ちかけそうな空が広がっていた日だった。
理人の前に小さなベンチが一つありそこに5~6歳くらいの女の子がこちらを見てほほ笑んでいた。
懐かしい...
理人は近づこうとした。
と、
その時、理人はその夢から覚めた。
なんだったんだろうか...
なんだまだ深夜か...
ともかく寝ようか。
理人は気にせずもう一度眠りについた。
◇ ◇ ◇
あぁ朝か...
理人はあの夢を忘れるくらいに深い眠りに落ちていた。
ベットから起き上がり寝室棟から出ると、
右側の流しのほうから声がした。
「おう!リヒト!調子はどうだい?」
「まぁまぁかな!ルンバートお前はのほうは?」
「いつも通り元気さ!」
昨日の隊員紹介で知ったのだが、ルンバートは理人と同い年らしい。
昨日知った天才を理人は誰かに言いたくてたまらなかった。
「そうだルンバート!俺もう体力測定みたいなのの結果でたぞ!」
「お?どうだったんだ?」
「それがな?無って部分がすごい高かったんだよ!なんかの才能かな?」
理人は反応に期待していた。
が、
ルンバートからの返事は意外なものだった。
「無なんて俺の測定結果の紙に書いてなっかたぞ?」
「へ?うそ...」
「ってうそだよ!ジョークジョーク!」
理人は冷や汗をぬぐい、ルンバートの腰を蹴った。
「いっって!」
理人はその声を無視しさっきに話に戻した。
「んで、ルンバート。無ってなんか特殊なものとかあるの?」
「んー...無が高い人なんて初めて聞いたぞ?」
「だよな~」
そのまま二人は食事棟へ向かった。
◇ ◇ ◇
食事が終わり、隊員全員練習場へ集まった。
「それでは剣技を教える。諸君は諸々、私を見た後始めなさい。とその前に、一つ上級の剣技を見せようか。」
そういうと、隊長のバーストは剣をもち構えた。
剣を左斜めに下げぐっと引くと、猛烈に赤く剣が光った。
そのまま練習人形を突いた。
人形は、灰になった。
場内全体に驚きが走る。
「これを習得できるのは今から行う剣技を習得してからだ。しっかり練習に励め!」
はい!という声が場内に響くと同時に、練習が始まった。
そして理人は初めて剣を持ち、初めての剣技を学ぶことになったのだった。