才能発見?
...
快晴か...
ここは...
転送されたところはどうやら森の中のようだ。
とりあえず探索しようか
そう思い、理人はズンズンと森の奥へと進んだ。
2時間程歩いたあたりで風景が一変した。
木々は枯れ果てていて、小動物すらいない。
ガサゴソガサゴソ
ん?...
向こうの草むらになんかいる...
シュッシュッ
草むらの中から矢が飛んできた。
次の瞬間ガサゴソしていた草むらあたりから、40匹ほどのネズミみたいだが、
頭には角が生え、目は赤い。
そんなネズミみたいなやつらが一斉に理人に向かって矢を飛ばしてくる。
理人は逃げ切ろうと必死に走り近くの大きな岩に隠れた。
そろそろ隠れるのも限界だ...
もうさっそく死ぬのかな...
と、その時だった。
「突撃!」
男性のたくましい声が響く。
振り返ると20人ほどの人があのネズミみたいなやつを次々に倒していく。
「少年無事か?」
さっきと同じ声だ。
「はい!お助けいただいてありがとうございます!」
「無事ならなによりだ。しかし、40のポギーに囲まれていて生き延びるなんて運がいいな。」
「ま、まぁ...えへへ...」
と、その時
バンッバンッ
銃声が鳴り響く
「隊長!敵撃破しました!」
「ご苦労だった。退却!それでは、女神の過保護に幸運あれ。」
「あ...待って!ください...」
「どうした少年?」
「あなたたちは一体誰なんですか?」
「あぁ...我々は!この人間界の誇り!ビクトリア部隊だ!!」
そういえば、あの無責任"管理者"が軍隊入ればいいとか言ってたな...
「おぉ!すごいですね!僕はいれますかね...?」
「少年興味あるのか?」
「はい!あります!とても!」
「ならついてきたまえ。手続等がある。」
こうして俺は王都へ行くことになった。
王都まで3時間ちょいかかったがその時間はほぼ国の歴史を聞いていた
が、
長いし、つまらない!
なんなんだ、すべてのモンスターを砂にした英雄シャークズ?おとぎ話だろ!
まぁ、このように時間は過ぎていったのであった。
王都についた俺は、まず体力測定とやらをした。
「すべてにおいて平常値やや下回りますね。」
苦笑いしながら言うスタッフに少しキレそうになった場面を除くと、普通に終わった。
しかし、よく結果を見るととてつもなく数値がいいところもあった。
それは...
なんと...
無という部分だった。
意味をスタッフに聞いてもわからないという。
ただし、無がとてつもなく数値がいいのは初めて見たという。
案外才能でもあるのかもしれない。
俺は舞い上がった。
異世界で才能が発見するなんて、逆になぜ現実世界はひどいのか...。
でも、無なんて...地味過ぎ...
ともかく、これが俺の異世界転送され初めて幸福を感じた場面だった。