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アートロモンド・ストーリア  作者: Nefer
異世界へ飛ばされて...
10/11

セーフゾーンそして泉


 どのくらい気を失ってから経ったであろうか。

 目が覚めたリヒトは今までに感じたことのない痛みを覚悟したのだが、全くその痛みというのは襲って

 こなかった。


「ここはどこだ…」


「ここはセーフゾーンですよ。リヒト様。」


「セーフゾーン…あ、あのゴーレムは!」


「私の最大限の力を使い無事倒しましたよ。あ、傷も治しておきました。」


「あ、ありがとう。チェルシー大丈夫か?」

 よくよく顔を見るとチェルシーの顔は青白くなっていた。


「大丈夫ですよ。」


 大丈夫にはとても見えない。


「魔力切れ…そんな感じだな…どうしたら…」


 そう思ったリヒトの頭の中にある呪文がふと浮かんだ。


「やってみるか…」


 そういうとチェルシーは不思議そうな顔をして


「何をするのですか?」


 と言ってきた。


「ちょっとね。」


 

そう返したリヒトはその頭に浮かんだ呪文を唱え始めた。


「神の慈悲を乞う!ここに舞い降りろ!大天使の使い手ルハン!」


 一筋の光が洞窟内に差し込む。


「ホーリーケア!」

 

 リヒトはチェルシーの手を握りそう唱えると、チェルシーは徐々に元気を取り戻してきた。


「あ、ありがとうございます…しかしリヒト様…その呪文は…私の持っている魔法書の中の高難易度の術

 の欄に書いてあったものですよ…なぜそれを…」



「わからないけどふと頭に…ね?」

 

 そういうとチェルシーがすごい顔をしてこういう。


「リヒト様、もしかして魔法書読みました!?あれは私の家系の人以外読んではならないのですよ!」

 

 なぜそうなる…、そう思いながらあるわけないと答えた。


「そ、そんなことより早く先を急がないと!」

 

 そうチェルシーを急かしこの話を終わりにしようとしたが、逆効果だったらしい。


「そ、そ、そ、そんなことですって?これは重要なことです!もし見られていたのなら先祖様に怒られま

 す…」

 

 なんか落ち込んでいるぞ…そして怒っている(?)


「ご、ごめん!もう言わないからそんなに落ち込まないで!というか見てないから安心してよ。」


「本当ですか?」


 涙目でこちらを見つめてくる…


「あぁ、本当だよ。」


「な、ならいいですけれども!」


 機嫌が直ったことを確認したリヒトは内心ほっとし、もう一度チェルシーを急かせた。


「あ、あぁ、そうでしたね、急ぎましょうか。」


 こうして、二人はセーフゾーンを後にした。


◇             ◇             ◇


セーフゾーンを後にしてから少し歩いたところに泉があった。


それを見たチェルシーが何か思い出したような顔をし、こういった。


「この泉…確か…昔祖父が言っていた泉かもしれないです…」


「そうか、どんな泉?」


 そう聞くとチェルシーは突然、また怯えていた。


「どうした?」


「思い出しました…ここは…海の神ポートの召喚門です。」


「召喚門?」


「召喚門とはある一定期間、神国と人間界を繋ぐ門のことです。祖父はここを封印したといっていました


が、今見たところ解かれています…ここは早めに抜けたほうがよ…」


と洞窟の奥へ行こうと提案しようとしたその時、泉が黄金に光り始めた。

そして、声が聞えた。


「時は来た!今こそ我々神の力を見せるべき時!反撃しよう!人間どもに!!」


「遅かったようですね…仕方がありません…リヒト様!戦いましょう!」


 リヒトはうなずいた。


「我が名はポート!人間どもを始末しに来た!お前たちは最初の犠牲者になればよい!」

 上半身は骸骨、下半身は龍のような長い鱗のついた尾を持つ獣神が現れた。


「いざ!」


 リヒトとチェルシーは声を上げた。


「覚悟しろ!人間ども!」


 こうして3つ目の神と戦うことになった。



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