第四話凶悪、バカをテンコ盛り
なんというか、書いていて昭和臭のするはなしだなぁ、と。
第四話 凶悪、バカをテンコ盛り
それぞれが一人暮らしをしているサンバカラス。
が、何時の間にやら一つのアパートの二階フロアに並んで住んでいた。
で、寝るときはそれぞれの部屋に行っているのだが、食事となるとミナオの部屋に集る。
三人の中で料理スキルを持つのがミナオだけであることに関係するだろう。
実際にその姿を見た女子は、「お、お、お、おもちかえりぃーーーー!」と叫びながらみなおに抱きついたというのだからその姿は尋常ではない非現実性にあふれているという。
その「おもちかえり」女子であるところの伊熊 緑子は、以来、毎日のように夕飯時に現れる名物人間になってしまった。
「美形で美少年で、さらには乙メンまでついてくるアパート、住みたい~~~~~~!」と、大家さんの前で絶叫してしまった所為か大いに認められ、出入り自由を勝ち取った猛者でも有る。
大家さんは変わった人間が大好きで、道端で変人を拾ってきては住人に加えている。
たとえば、先日拾ってきた2浪の受験生は、見た目こそ常識人だけど、なぜかその物腰やしべり方、そして表情などで有る種類の女性のフラグを根こそぎ立てまくるらしく、入室三日目で5人もの女性が修羅場を演じる事態になった。
また、有る種類の女性達が見た目どおりに気が強く活発で押しが強くて協調性が無いものだから暴れる壊す大騒ぎするという事態に流石の彼も反省し、全員と縁を切ると宣言。
瞬間的に女性達は全員で協力体制を曳き、一致協力でその縁切りを阻止。
表面上は仲良く、水面下ではこれ以上の女性が増えないように牽制しつつ参加メンバーを減らそうと躍起になっている、らしい。
そのへんは緑子さんが詳しく、いろいろと夕飯時間に教えてくれる。
たとえば、ハーレム5人衆の一人である沖津 花世さんは、某家電企業の創業者一族につならるお嬢様だったりとか、ハーレム5人衆の一人である仲神 テレシコワさんは日本寺社協会の会頭御息女だったり・・・・
つまりお嬢様ばかり、なのである。
「つまりぃ、身分も気質も遺伝子も御嬢様な人にだけ効く媚薬みたいな人なんですねぇ、あの人」
なるほどなぁ、と頷く三人。
「でもさ、今は5人だけど、昔はどうだったのかな?」
『え?』
キクノの疑問に周囲が凍る。
「いやさ、そんなゴキブリほいほい見たいな人が、今まで生きてきて、今の五人で打ち止めって訳が無いじゃない。」
そんなキクノの言葉を聴きながら、みなもモエも緑子もお膳の上を片付け始めた。
たっぱにおかずを入れ、おひつは閉じた上でゴムで止め、テレビはカバーをかけて・・・・
「もしかすると、このアパートに来たのだって、どこからか逃げて・・・・むぎゅ。」
瞬間、ミナがキクノを押しつぶす。
モエも緑子もその場で伏せた。
同時に響き渡るガラスの破砕音、静穏モーターが制限を解かれて轟音を上げつつ風の浪を撒き散らす。
「どうやら、突入場所ちがいはなかったみたいだな・・・。運がいい」
そう言いながらモエがカーテンの隙間から空を見上げる。
「・・・・げぇ、天羽財団のヘリだぜ」「げ、世界最強の私設軍かよ・・・」
押しつぶされたキクノをみながら三人が言う。
「・・・こいつの予言ボケ。恐ろしいほどの正確さだよな」「ああ、昔から怖い目にあってるくせに直らん」
「でもまぁ、それが判るから備えられるわけでしょ?」
何度か予言ボケを体験している緑子は余裕の表情だった。
『ダーリン、いるのはわかってるわ。でてらっしゃい!!』
幼子の声が拡声器で響き渡る。
『私がまだ使い物にならないので浮気するのは理解するわ、理解してるのよ!!』
何が使い物にならないのかなぁ、まだ?
『でもね、ダーリンのハーレムにその泥棒猫がいることだけは許せないの、そう、あんたとあんた、名前を呼ぶのも穢わらしい忘恩の姉妹!!』
外は白熱してきたなぁ・・・・。
窓辺で見学している四人の視界の端に何かが映る。
きらりと光る長いもの、そう「何か」だ。
瞬時に観戦時間終了を知った僕たちは、窓のカーテンを閉める。
テレビを消す。
そして電池式のラジオをお膳に載せて声を潜めた。
これから始まる大家さんの宴は、見ても聞いてもいけないのだ。
首を潜めてやり過ごすのが一番だ。
天羽財団の一部部署で何らかの不始末があったことを新聞が伝えた。
不明瞭で何も伝わってこない記事だったが、唯一「ごめんなさい」という声明だけは明瞭に伝わってきたことだけが記されている。
かくして世は事もなし、バカばかりが大暴れする世の中なのだろう事は間違いない。
いかがでしょうか、以上が書き溜め分のサンバガラス物語でした。
割とリラックス目的で書いているので、あまり頻繁にはアップしませんが、お付き合いいただければ幸いです。
次回 予定不明w