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完全犯罪

作者: 憂媿穎
掲載日:2026/04/08


とある資産家の男性が殺害された。


警部 「うーむ…。犯行当時この部屋には鍵がかかっていた。他に人が通れそうな通路も見当たらない。一体、犯人はどうやってこの部屋から出たというのか」


探偵 「…実に簡単なことですよ、警部」


警部 「まさか、謎が解けたというのかね?」


探偵 「ええ、謎の答えは目と鼻の先にあります」


そういうと探偵は資産家の男性の死体を揺すち始める。


探偵 「⋯つまり、この男性は最初から殺されてなどおらず、ただ昼寝をしていただけだったということです。ほら、起きてください」


警部 「⋯⋯?」


そこでようやく昼寝をしていた男性が眠りから目覚める。


男性 「あー、よく寝た」


警部 「⋯⋯⋯」


探偵 「おはようございます」


男性 「あ、これはこれはどうも」


男性はそれから冷蔵庫からナポリタンを取り出し、レンジで温める。ちょっと遅めのお昼ご飯だ。


男性 「ところで、先から気になっていたんですけど。なぜ私の部屋に探偵やお巡りさんがいるんです?…もしかして、この近くで事件でもあったとかですか?」


警部 「⋯…⋯⋯」


しかし、ここで異変が起こる。ナポリタンを食べていた男性が突然苦しみだしたのだ。


男性 「⋯うっ!!」


警部 「大変だ!!もしや、ナポリタンに毒が?」


探偵 「⋯いや、よく見てください。男性のあの幸せそうな顔を。単にナポリタンが美味しいからびっくりしているだけです。きっとお腹が空いていたんでしょう」


警部 「⋯⋯⋯⋯」


やがて男性はナポリタンを食べ終え、居間に寝転がりテレビを観始める。録画しておいた朝ドラだ。


探偵 「それじゃあ警部、事件も一段落したことですし。我々もお暇しましょうか」


警部 「⋯⋯⋯⋯」


男性 「あ、せっかくですからこれお土産にどうぞ」


そう言うと、男性は戸棚から都まんじゅうを取り出す。


探偵 「あ、これはどうも」


警部 「⋯⋯⋯⋯」


探偵「あれ、どうしたんですか警部?せっかく事件が解決したというのに死人みたいな顔をして」


男性 「きっと疲れているんですよ。ほら、最近物騒な事件が多いですから」


探偵 「何だー(笑)」


探偵 男性 「あはははははは」


警部 「⋯⋯もう、この仕事辞めたい」


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