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青い惑星の来訪者  作者: セムラ


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2/7

航海と異変

出発から十二日目。


「船長!」


ナディアの声が操縦室に飛び込んできたのは、ノーランが仮眠から目を覚ましたばかりの朝だった。


「エンジン二番の燃料消費が想定を十八パーセント上回っています。このまま進むと——」


「目的地に届かない、か」


「はい」


ノーランは計器盤を見た。赤いランプが点滅している。


十二日かけてここまで来た。引き返す燃料もなければ、このまま進む燃料もない。


ノーランは、ルカを呼んだ。


「エンジンの状態を見ろ。消耗か、それとも——」


ルカはしばらくエンジン室にこもったあと、操縦室に戻ってきた。いつもの笑顔はなかった。


「通常の消耗じゃありません」ルカは声を落とした。「燃料ラインの流量調整弁に、手が加えられた痕跡があります。微細な調整で、一見しただけではわからないくらい巧妙に。でも確実に、燃料を過剰消費させる設定に変えられていました」


沈黙が、操縦室を満たした。


「サボタージュか」とノーランは言った。


ルカは静かに頷いた。


ノーランは窓の外を見た。星が流れていく。誰かが、この船を地球に到達させたくない。


「最寄りの着陸可能な天体は?」


「V-7です」とナディアが答えた。「通称〈黄色の星〉。四十七時間で到達可能です。ただし——」


「ただし?」


ナディアはわずかに目を細めた。「事前調査では、生命体の存在が示唆されています。詳細は不明です」


ノーランは少し間を置いた。


「ルートを修正しろ。V-7で補給できるかは分からないが、このまま漂流するよりはいい」


「了解です」


ナディアが去った後、ノーランはルカに小声で言った。


「流量調整弁の件は、まだ他の乗組員には言うな」


「……わかりました」


ルカの目が暗かった。ノーランも同じことを考えていた。


七人の中に、敵がいる・・・

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