第9話「設計者へ至る道2」
俺が今回挑むのは、密貿易商人を使った情報操作イベント
――のはずだった。 そう、ただのイベント。
軽くこなして、次のステージへ進むだけの予定だったんだ。
だが、運命は俺に平穏を許してはくれなかった。
「オギャア……(これ、俺なら余裕だろ)」と
心の中でつぶやいた瞬間、
脳内に突如として謎の数字「2067」がフラッシュ!
その瞬間、俺の顔が「難解な哲学者の表情」に変化。
眉間にしわを寄せ、遠くを見つめるその表情は、
まるで宇宙の真理を悟ったかのようだった。
母親は、「あら~、今日の宗一郎ちゃん、表情豊かね!」と微笑む。
いや、そこじゃないだろ!
今、俺の脳内では未来の組織の影がちらついてるんだぞ!?
未来から俺を守る存在? 未来から来た“右腕かつ大切な人”?
赤ちゃんの脳内で「マジで何が起きてるの!?」が無限ループ再生される。
まるでバグったゲームのように、混乱と疑問がぐるぐると渦を巻いていた。
そんな混乱の中、俺の前に現れたのは
――密貿易商人。 黒いローブに身を包み、目元だけがギラリと光るその姿は、
どう見てもただ者じゃない。 こいつもまた、妙に怪しい雰囲気を漂わせている。
俺は考える。
「偽情報を紛れ込ませるだけなら楽勝だけど、
これが設計者の罠だとしたらどうする?」
知力999で頭をフル回転。
俺の思考は超高速でイベントの裏を読み解いていく。
「この密貿易商人、やっぱりNPCっぽいぞ。
設定が妙に作り込まれてるし、声優感あるし。
セリフの間の取り方、完全にプロだろ……!」
俺は泣き声誘導スキルを発動! 「次は貿易路を変更してくれ」と、
赤ちゃんとしての最大限の意思表示。 「オギャアアア!(どうかお願い!)」
――その結果、密貿易商人は目を輝かせながら、
「はい!要望に従います!」と、まさかの行動に出る。
その瞬間、俺は確信した。
このイベント、ただの情報操作じゃない。設計者の意図が絡んでる。
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