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幕末転生 - 転生したら知力だけでガチるしかなかった -   作者: 紫蘭
「Final showdown」

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55/61

第55話「俺たちのカードゲーム」

 俺の名前は、蒼井颯真。

 ちょっとワケあって、

 中学3年の授業中にCIOのヒットマンに暗殺された――って、

 いきなり何の話だよって感じだよな。でも事実なんだ。


 そのあと、なぜか江戸時代に転生。

 今は、ちょっと知力に自信アリな12歳の少年ってわけ。

 どうやらこのまま順調にいけば、

 未来の世界を平和に導くらしいんだけど…俺自身には、

 その未来の記憶がまったくない。

 だから、どんな未来になるのか、正直ピンときてない。

 ま、それが今の俺の現状ってやつだ。


 暗殺されたあと、

 俺は如月澪って女性に生まれたばかりの赤子として転生させられた。

 しかも、よりによって江戸時代の幕末。

 未来の平和ボケ真っ最中だった俺からすると、

 もう物騒すぎてビビるレベル。


 で、なんやかんやあって、

 俺は江戸時代に連れてこられた理由を聞かされることになる。

 話を聞いた結果。

 ――「これ、CIOをなんとかしないと終わらなくね?」って思った俺は、

 頼れる仲間を集めることにした。


 苦労もあったけど、仲間集めはうまくいった。

 しかも、集まったのは超強力な3人!

 橋本左内、坂本龍馬、黒田清隆――幕末を代表するレジェンドたちを、

 なかば…いや、かなり強引に仲間に引き入れたんだ。

 CIOを倒すために、力を貸してくれって頼み込んでさ。


 それから俺たちは、日常を共にしながら親睦を深めて、

 信頼関係を築いていった。

 もちろん、学問を中心に、

 それぞれ必要なことはちゃんとやったつもり。


 で、次のステップとして、

 3人がこの時代で自分に必要なものを見つけて磨けるように、

 6年間の修行期間を設けて、再集結の日を決めたんだ。


 そして――今年の7月の頭、ついに再会を果たした。

 ほんと、つい最近のことだよな。

 CIO打倒はもちろん、他にもやらなきゃいけないことが山積みでさ。


 まずは、直近の大きな目標を全員で共有した。

 その中の一つが、「CIOとの対決方法を考えること」。

 で、俺がそのヒントをつかんだところで、前回の話は終わったんだ。

 ――というわけで、今回はその続きから話していこうと思う。

 チリン。チリィーン。チリリーン。

 と風鈴の音が響き、涼やかな風がそっと顔を撫でた。


 風を感じながら俺は手紙を伏せた。

 手紙を伏せる手がかすかに震える。


「何も言えず、ただ空を見上げるしかなかった。」


 真っ白な雲が、自分は無関係だと言わんばかりに空を流れていく。

 

 俺はこの状況から逃げたいのか、それとも受け止めたいのか、

 自分でもわからない。ありとあらゆる感情が、渦を巻いて、

 言葉にならないまま、ただ心を乱していく。


 チリン。チリィーン。チリリーン。

 風鈴の音だけは、相変わらず響いている……。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 この話をするには、ちょっとだけ時間をさかのぼらなきゃならない。


 龍馬さんと「こいこい」で勝負してから数日、

 気づけば、どんな対決の形がふさわしいかを考えるだけで、

 胸が高鳴っている自分がいる。


 もちろん、対決は神聖なもので、その結果が世界の平和を左右するのだから、

 儀式のように厳かであるべきだ。 そんなふうに考える人もいるだろうし、

 ワクワクするなんて不謹慎だと言われるかもしれない。


 むしろ、だからこそ―― 誰にでもできる、ただの遊びのように見えて、

「これは自分たちの問題じゃない。」なんて言えなくなるような、

 気づけば当事者として巻き込まれてしまう、 そんな対決の形を、

 この手でつくり出したいんだ。


 ジャンルで言えば、これは「テーブルゲーム」って呼ぶのかな。

 トランプ、花札、UNO―― いろんなカードゲームがある中で、

 俺が目を奪われたのは、

 江戸時代に生まれた日本最古の対戦型カードゲーム、

 その名も「卍落着まんじらくちゃく」だった。


 これから話す内容は、

 1回聞いただけでは、覚えきれない可能性があるんで、

 あまり力まずに見てくれると助かる。


 この遊戯、実はまとまった資料がほとんど残っていない。

 けれど、口伝として各地に語り継がれていて、

 その“誰が作ったのか”という点こそが、

 俺がこのゲームに惹かれた最大の理由だった。


 なんと考案者は、遊びとは無縁に思える町奉行所の役人たち。

 中でも名奉行・大岡忠相が関わっていたという説もある。


 小学校や中学校の教科書で見た「士農工商」の身分制度。

 これを思い出してほしい。実は商人に注目すれば、

 この身分制度の成り立ちと関連しているからね。

 江戸の中期から後期にかけて商業が活発になると、

 町人――特に商人たちの間で揉め事が頻発するようになった。


「火事と喧嘩は江戸の華」なんて言葉もあるけれど、

「卍落着」は、そんな喧嘩の代わりとして機能した。

 派手な応酬が魅力のゲーム性が、

 まさに時代の空気にぴったりだったんだ。


 ある歌舞伎の一節に、こんな場面がある。

 争いの解決を拒む二人の商人に向かって、主人公がこう言い放つ。


『争いに刀を使えば血が流れる。

 しかし、この駒と札ならば、血の一滴も流さぬまま万事落着ぞ!』


 この言葉に、俺は心を撃ち抜かれた。

 たぶん俺は、ただテーブルゲームに惹かれたんじゃない。

 自分で“決着のルール”を作りたかったんだと思う。


 だからこそ、俺にとって―― 世界の平和をめぐる争いに、

 ふさわしい決着のかたちとは、

 自作のカードゲーム以外に考えられなかったんだ。


 俺が考えた、ゲームはこうだ!


 ◆◆ゲーム概要◆◆

 タイトル:未定(2067年)

 プレイ人数:2人

 プレイ時間:3分~

 対象年齢:9歳以上


 ジャンル:2人用対戦型・戦略カードゲーム

 目的:相手の体力ゲージ(10ポイント)を0未満にして勝利をつかめ!


 ◆◆ゲームの準備◆◆

 1. バトルフィールドの展開

 中央にバトルフィールドを設置。ここが守護者たちの戦場になる!


 2. 守護者の配布

 各プレイヤーは「守護者判別キット」によって、

 以下の条件で守護者カードを受け取る:

 ▶属性:火・水・風から1体ずつ(計3体)

 ▶レア度:3体の合計が★6になるように設定(例:★★★+★★+★)


 ◆◆ゲームの流れ◆◆

 ① 守護者の召喚

 各プレイヤーは1体の守護者を選び、バトルフィールドに召喚。

 守護者の能力に従って、攻撃・回復・特殊効果を発動し、

 相手の体力ゲージに反映!


 攻撃、回復、特殊効果の発動順は速さに依存する。

 速さが同一の場合。

 属性が異なる場合は火<水<風の順

 同属性の場合はレア度で優劣を決定(★<★★<★★★)

 速さの優劣が完全に一致の時は、そのターンは無効  


 ② 行動フェイズ

 各プレイヤーは1ターンずつ、以下のすべての行動を行なう。

 ただし、特殊効果によっては、その限りではない。


 ・攻撃:相手の体力を削る

 ・回復:自分の体力を回復

 ・特殊:守護者固有のスキルを発動


 ③ ターン終了

 行動後、守護者はプレイヤーの元に戻り、

 1ターンのクールタイムに入る。

 この間、その守護者は召喚・行動できない。


 ④ 状態の持続

 前ターンの効果や状態異常は、

 次のターンにもフィールドに残る。

 戦況の流れを読むのがカギ!


 ⑤ 次ターンへ

 ①~④を繰り返し、勝敗が決するまで続ける。


 ◆◆勝利条件◆◆

 以下のいずれかを満たしたプレイヤーが勝利!


 勝利条件①:相手の体力ゲージを0未満にする

 勝利条件②:相手の守護者が全滅(3体すべて使用不能)になる


 ◆◆補足ルール◆◆

 ・クールタイム中の守護者は行動不可

 (攻撃・回復・特殊すべてNG)


 ・ただし、残り守護者が2体以下で出すしかない場合、

  次ターン開始時に召喚可能


 ・特殊効果が回数で勝利条件の場合、その効果はコピー不可


 正直、知識も経験もほとんどなくて、

 手探りで作ったカードゲームだ。

 だから、きっと粗いところや足りない部分もあると思う。

 実を言えば、内心めちゃくちゃビビってる。

 でも――そんな不器用で素朴な挑戦も、

 まるごと受け止めてもらえたら嬉しい。


 そして今、このカードゲームを使った最初の対決が、

 ――静かに幕を開けようとしている。

最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。


━━(付録)守護者紹介 ≪火属性≫ ━━━━━━━━━━━━━

・No1/30(火属性)(レア1)(速さ1)

守護者名:【火廻ひめぐりのともしび】詳細:巡る記憶の火 

与ダメ:0、回復:1 

特殊効果:このカードを対戦中バトルフィールドに

     合計5回出せたら無条件で勝利

―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―

・No2/30(火属性)(レア1)(速さ4)

守護者名:【焔童子えんどうじ】詳細:炎を纏う童の姿をした火の精霊

与ダメ:2、回 復:0 

特殊効果:なし

―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―

・No3/30(火属性)(レア2)(速さ3)

守護者名:【焔隠ノ策士・津軽為信】詳細:火の中で生き延びた謀略家

与ダメ:2、回復:0 

特殊効果:1ターンに3以上の被ダメは受けない

―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―

・No4/30(火属性)(レア2)(速さ3)

守護者名:【炎帝プロメテウス】詳細:人類に文明を与えた知恵と炎の象徴

与ダメ:2、回復:0 

特殊効果:次のターン継続攻撃+2

―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―

・No5/30(火属性)(レア2)(速さ3)

守護者名:【焔帝・カグツチ】詳細:火の原初、創造と破壊の王

与ダメ:3、回復:0 

特殊効果:相手のターン終了時に追撃ダメ+1

―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―

・No6/30(火属性)(レア2)(速さ2)

守護者名:【陽炎ノ舞】詳細:幻惑の舞手

与ダメ:2、回復:0 

特殊効果:ターン開始時に相手より体力ゲージがポイントでも下回るとき、

     与ダメが4になる

―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―

・No7/30(火属性)(レア2)(速さ3)

守護者名:【灼王アグニ】詳細:火を司る神格。儀式と浄化の象徴

与ダメ:1、回復:0 

特殊効果:このターンの全相手の特殊効果を無効、次の2ターン継続攻撃+1

―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―

・No8/30(火属性)(レア3)(速さ先)

守護者名:【炎将・信玄】詳細:風林火山の火、迅速な攻めを象徴

与ダメ:3、回復:0 

特殊効果: 必ず先制攻撃できる、さらに相手のターン終了時に追撃ダメ+1

―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―

・No9/30(火属性)(レア3)(速さ3)

守護者名:【紅蓮の太陽・織田信長】詳細:破壊と再生の象徴

与ダメ:4、回復:0 

特殊効果: そのターンの全相手の特殊効果を無効、継続も含む

―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―

・No10/30(火属性)(レア4)(速さ4)

守護者名:【不死鳥・鳳凰】詳細:火山に棲む不死鳥

与ダメ:2、回復:10(1回/1試合) 

特殊効果:1回だけ全回復する、その場合必ず後攻めになる

―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―

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