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酒を飲み、英雄を語る①

魯粛は邸に劉備達一行を誘った。

劉備「世話になる。魯粛殿」

魯粛は「貴方の英雄が来るとは予想しなかった。あまり、おもてなしもできませんが、一献どうですか?」

使用人を呼んで、宴の準備をさせた。

関羽や張飛を始め、疲労の色を隠しきれなかったので、休めることに安堵していた。

魯粛は劉備と別席を設け、対面するように席についた。

魯粛として少し驚いていたが、酒をついで尋ねた。

「玄徳殿にとって英雄とは、その条件とは何でしょうかな」

劉備『ふむ、前回、孟徳と談じたが、まあ、良かろう』

「天・地・人を兼ね備えた人物と見てますが」

魯粛「天の時、地の利、人の和を持つものですか。」

劉備「運の良さ、性格の悪さも要素に入りますか」

魯粛は少し顔色を変えたが、「玄徳殿から見て、現状、誰が当てはまりますか」

劉備は思案していた。

『孟徳ではなく、子敬と談ずか、あの時は箸を取り落としたが、雷が鳴る可能性は低いか。』

「魯粛殿、1人づつ、交互に挙げていきますかな。まず、私から冀州の袁本初殿はどうでしょう。

冀州という肥沃な土地という地の利

四世三公という名門の生まれ。

その名声により豊富な人材が配下にいる。

知謀の士には田豊、沮授、逢紀、審配、郭図、許攸らが。

武勇の士には顔良、文醜らがいる。」

魯粛「確かに人材は揃ってますな。」

劉備「人材は揃ってます。

ただ、本初殿には弱点が。

1つ目は、優れた知謀の士がいても、意見に左右され、一番良い献策をしてもここ一番での決断力に乏しい。

重要な場面では致命的です。

二つ目は、数年後、後継者を選定する場合、本初殿が誤った選定をしたら、冀州は他人の手に落ちるでしょう」

魯粛は董卓追討時のことを思い出して、

「ムム、確かに危険ですな」

魯粛「では本初殿の弟、寿春の袁公路殿はいかがですか、私の旧主ですが。」

劉備「本初殿と同じく、名門の生まれ、豊かな寿春の地を得てますな。

ただ、魯粛殿の邸に着くまでの道中を見たら、民の怨嗟の声が大きい。

地の利を得ているとは言えない。

袁一族のため、人材がいても能力を活かしきれてない。

大それた野心もある。

亡くなった孫文台殿が洛陽で拾ったものを欲している。

まだ漢王朝は衰えたとは言え、皇帝になろうとしたら、逆賊として潰されるだけ、近いうちに首が胴から離れるだろう」

魯粛「ムム」

『これは離れて良かった。玄徳殿の指摘は・・・。

私も讒言を受けて離れた。

離れなかったら、私も粛清されてもおかしくなかった。』

魯粛「では、荊州の劉景弁殿は如何ですか。

八俊と呼ばれ、優れた人物で荊州九郡を抑え、魚米豊かな土地に精兵もあり、中原の兵乱から避難してきた人材もおりますれば、天下を取れるのでは?」

劉備「確かに天下を取れる可能性はありますが、本初殿と同じかと。

計略を立てても、実行力がない。

『孟徳が河北、遼東へ向かった際、許昌はがら空きで、帝を迎える機会はあったので、話をしたが、実行しようとしなかったな。』

後継者の選定を誤ったら、他人に荊州を奪われて終わります。

長男の劉琦殿は聡明ですが、病弱、後ろ楯がない。

次男の劉琮殿は劉琦殿ほど、聡明ではなく、蔡一族の後ろ楯があります。」

魯粛は溜め息をつき、「なるほど、天下を握るのは難しいですな。

同じ劉一族で益州の劉季玉殿はどうですか?」

劉備は「父、劉嫣ほどの器量はないと思います。

蜀の地は攻めにくく、守りやすいという地の利はありますが、交通の便が悪い。情報が伝わりにくいところがある。

人口の少なさも」

『前回、取ったが、苦労かけた。報えたとは思えない』

内心、諸葛亮に謝った。

劉備「次は誰をあげますか」

と魯粛に促した



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