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古代の秘宝

あの霧は一体

第9話 古代の秘宝


黒い霧から現れた異形の存在は、フォスとティアに向かってじっと動かず、不気味な咆哮を続けていた。二人はその異様な存在感に圧倒され、しばらく動けずにいた。


「これは…守護者を超えた何かだ。けど、この霧がただの敵じゃない気がする。」フォスは冷静さを保とうとしながら、その存在を見つめた。


ティアも息を呑みながら、ペンダントを握りしめる。「まだ私たちにはあのペンダントの力がある…けど、もう限界かも…」


異形の存在は二人を見下ろしながら、徐々に消えかけた神殿の方へと戻っていくようだった。まるで、何かを守っているかのように。


「待て!あれを追わなきゃいけない!」フォスはすぐに気づき、異形の後を追うようにティアを促した。


二人はその姿を見失わないように、崩れた神殿の奥へと進んでいく。すると、神殿の最も深い場所に、古代の壁画や文字が刻まれた大広間にたどり着いた。広間の中央には、奇妙な台座があり、その上にはまばゆい光を放つ秘宝が鎮座していた。


「これが…古代の秘宝?」ティアは驚きの声を上げ、台座に近づこうとする。しかし、その瞬間、異形の存在が再び姿を現し、二人の行く手を阻んだ。


「やっぱり、この秘宝があいつの狙いか…!」フォスは剣を構え、異形に対峙する。


「フォス、どうするの?あの秘宝が何か特別なものなら、私たちが手に入れるべきなの?」ティアはペンダントを再び輝かせようと力を注ぐが、以前のような力はもう残っていなかった。


「たぶん…この秘宝には何か重大な秘密が隠されている。それが、この地の闇を引き寄せている原因かもしれない。」フォスは慎重に状況を分析しながら言った。


異形は大きな咆哮とともに二人に襲いかかろうとしたが、その瞬間、秘宝から突如強烈な光が放たれ、異形を押し返すように広間全体を包み込んだ。


「な、何だ!?」フォスとティアは驚きながらも、その光の中で身を守る。


光が収まると、異形の存在は姿を消していた。しかし、広間にはまだ強大な力が満ちているように感じられた。


「どうやら、この秘宝が何かしらの防御機構を持ってるみたいだ。でも…僕たちがこれに触れるべきかどうかはわからない。」フォスは警戒しながら秘宝を見つめた。


ティアは一瞬考え込んだが、決心を固めた。「私たちはこれを手に入れるべきよ。この秘宝が持つ力は、私たちの旅を終わらせるために必要なものかもしれない。」


フォスも深く頷いた。「わかった、ティア。慎重にやろう。」


ティアが手を伸ばし、秘宝に触れると、その瞬間、彼女のペンダントと秘宝が共鳴し始め、強烈なエネルギーが体中に流れ込んできた。ティアはその力に耐えながら、目を閉じて集中する。


「フォス…これは…想像以上の力よ…!」ティアは震える声で言った。


「その力が何かを変えるかもしれない。使い方さえわかれば、僕たちがこの闇を打ち破ることができる…!」フォスは希望を感じ始めた。


しかし、その力が解き放たれると同時に、神殿全体が再び激しく揺れ始めた。秘宝を守っていた防御機構が崩壊し、地面が割れ、溶岩のような灼熱のエネルギーが噴き出してきた。


「ここも崩れ始めてる!急いで脱出しなきゃ!」フォスはティアの手を引き、神殿の外へと走り出した。


二人は崩壊する神殿を背に、辛くも脱出に成功したが、背後には再び立ち上がる黒い霧が…。


「これで終わったわけじゃない…。でも、今ならあいつらを止める方法があるかもしれない。」ティアは強い意志を感じさせる目でフォスを見つめた。


フォスもそれに応えるように頷いた。「そうだ、これからが本当の戦いだ。」


第10話 闇の真実

戦いとは一体

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