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絶望の影

やった…!の続きは……

第8話 絶望の影


巨大な神殿の中、封印の石が砕けたにもかかわらず、守護者は復活し、さらに強大な姿でフォスとティアの前に立ちはだかっていた。その身体は黒い霧に包まれ、力が増大しているようだった。


「どうして…消えたはずなのに!」ティアは絶望的な気持ちを抱えながらも、フォスの隣で構えを崩さない。


「たぶん、封印の力だけじゃ不十分だったんだ。この守護者、もともと封印だけで抑えられるような存在じゃなかったのかもしれない。」フォスは焦りを隠しながらも、冷静に分析する。


守護者は低く唸りを上げ、その巨大な剣を振り下ろす。二人はなんとか間一髪で避けるが、その衝撃で神殿の床が崩れ始める。


「どうすれば…このままじゃ、勝ち目なんてない…」ティアの声には、かすかな恐怖が混じっていた。


「諦めるな、ティア!僕たちはここまで来たんだ。必ず突破口があるはずだ!」フォスは彼女を励まし、守護者の動きを観察する。


守護者は次々に攻撃を繰り出し、フォスとティアは必死に避け続ける。しかし、その力は圧倒的で、二人は次第に追い詰められていった。


その時、ティアの胸元で光を放ち始めるペンダントにフォスが気づく。「ティア、そのペンダント…まだ何か力があるんじゃないか?」


ティアはペンダントを手に取り、目を閉じて集中する。「このペンダントが…守護者を封印した力なら、今度は私たちの味方をしてくれるかも…」


彼女はペンダントに意識を集中し始めた。すると、ペンダントから強烈な光が溢れ出し、守護者の攻撃を一瞬食い止めることに成功する。


「今だ、ティア!」フォスは叫び、ティアは全力でペンダントを守護者に向けて掲げる。


光は守護者を包み込み、その動きが徐々に鈍くなっていく。しかし、それでも守護者は完全には止まらなかった。


「まだ足りない…!」ティアは苦しそうに叫ぶ。守護者の闇の力がペンダントの光に対抗しているかのように、二つの力が拮抗している。


フォスは焦る気持ちを押し殺し、考えを巡らせる。「もしかしたら、この神殿自体が力を吸収してるのかもしれない。守護者を完全に倒すためには、神殿のどこかにあるその源を断たなければならないんだ!」


「源…?」ティアはフォスの言葉に反応しながらも、守護者の攻撃に耐え続けていた。


「守護者の力が増してるのは、この場所が原因だ。封印が破られた今、この神殿自体が守護者の力の源になってるんだ!」フォスは周囲を見渡しながら叫ぶ。


その瞬間、フォスの目に神殿の中央にある奇妙な装置が映る。「あれだ…!あの装置が力を集めてるんだ!」


ティアはペンダントの光を維持しつつ、フォスに目を向ける。「フォス、あれをどうにかして…!」


「分かった!僕がなんとかする!」フォスは守護者の攻撃をかいくぐりながら、装置に向かって走る。


守護者はそれに気づき、再び剣を振りかざそうとするが、ティアのペンダントの光が一瞬守護者の動きを止める。フォスはその隙を突いて装置に飛び込む。


「これが、守護者の力の源…!」フォスは必死で装置に手をかけ、古代の仕掛けを解こうとする。しかし、その仕組みは複雑で、時間がかかってしまう。


「急いで、フォス…!」ティアは限界寸前で光を維持していた。


ついに、フォスは装置の仕掛けを解き放ち、装置が停止する。瞬間、守護者の身体が黒い霧に包まれ、消え去っていった。


ティアは力を使い果たし、膝をついたが、フォスが駆け寄り、彼女を支えた。「やった…やっと終わった。」


二人は疲れ果てながらも、再び立ち上がる。しかし、その時、神殿全体が大きく揺れ始めた。


「この場所も崩れる…!」フォスはティアの手を取り、急いで出口へと走り出す。神殿が崩壊する中、二人は間一髪で外に脱出した。


外に出た二人は荒れ果てた山道の上で息を整える。守護者は倒されたが、その代償に神殿も崩壊してしまった。


「これで、本当に終わったのかな…?」ティアはまだ不安な表情で空を見上げた。


「いや…まだ何か残っている気がする。次の手がかりが見つかるまで、気を抜けないな。」フォスは慎重に辺りを見回した。


しかし、二人が次の道を歩き出そうとしたその瞬間、大地が激しく揺れ始めた。突然、崩壊した神殿の奥深くから、黒い霧が再び立ち上がり、今度は遥かに強大な力を伴って天に伸びていく。


「な、なんだ…!?まだ終わってないのか!?」ティアは驚き、後退りする。


霧の中からは今まで見たこともない異形の姿が現れ、その存在感だけで周囲の空気が重く感じられる。守護者の残留思念が、新たな闇の力を呼び寄せたのかもしれない。


「フォス、どうするの…?」ティアは再び恐怖に包まれた顔でフォスを見つめる。


フォスも状況に驚きを隠せないが、すぐにその冷静さを取り戻し、ティアに向かって強く言った。「ここで立ち止まるわけにはいかない。この力の正体を突き止めて、完全に断ち切らなければ…」


そして、空高く黒い影が再び形を取り始め、二人に向かって不気味な咆哮を響かせた。守護者を超える何かが目覚めつつある。


第9話 古代の秘宝

フォスとティアの次の場所は……

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