黒月の決戦•序章
夜空を覆う黒月の光が、森や村を不気味に照らす。
その光は世界のすべてを染め、風は冷たく、重く、森の木々を揺らす。
フォスは剣を握りしめ、深く息を吸った。
「……黒月が来たか。これが本当の決戦の始まりだな。」
ティアが杖を握り、横に立つ。
「怖い……でも、逃げない。私たちは一緒だよ、フォス。」
ノクスは小さく光を放ち、影を探る。
「ボクもいるよ。フォス、ティア、準備はできてる。」
森の奥から、黒い霧が立ち上がり、不気味なうねりを見せる。
霧の中から、影の王の残滓――小さなスライム状の存在が姿を現した。
「……僕も力を貸すよ。」
フォスが頷く。
「頼む。お前の力が必要だ。」
霧がさらに濃くなり、黒月の光が鋭く森を照らす。
影が集まり、異形の闇の手下たちが次々に姿を現した。
その数は圧倒的で、森の空間は恐怖で満たされる。
ティアが杖を振るい、白い光を放った。
「ライト・サージ!」
光が闇の手下を押し返し、一時的に空間が白く染まる。
ノクスも光を広げ、影を縛る。
「フォス、今だ!」
フォスは剣を振り上げ、影の手下に斬りかかる。
しかし、黒月の光で影は何度も再生し、戦いは激しさを増す。
「くそ……止まらない!」フォスが叫ぶ。
影が地面から次々に立ち上がり、剣を振るたびに闇が反撃してくる。
ティアが咄嗟に盾を作り、ノクスと連携して防御。
「フォス、集中して!
剣だけじゃなく、光と闇を同時に使わなきゃ!」
フォスは深呼吸し、剣に光と闇を流し込む。
「俺の闇も、光も――全部受け止めろ!」
黒月の光が激しく揺れ、影の手下たちは一瞬動きを止める。
その隙に、フォスたちは前進し、森の中心にある古い祭壇へたどり着いた。
祭壇の上には、闇のエネルギーが渦巻き、
まるで黒月そのものが地上に降りてきたかのようだった。
影の王の残滓が小さく震えながら言う。
「……あそこだ。黒月の力の源は、あの祭壇の中にある。」
フォスは剣を握り直し、深く息を吐く。
「よし……行くぞ。後ろは任せた。」
ティアとノクスが頷き、三人で力を合わせて祭壇へと突進。
黒月の光が一層強くなり、周囲の影が渦を巻く。
空気が切り裂かれるような音とともに、闇の力がフォスたちを包み込む。
森全体が揺れ、木々が折れる。
フォスは剣を突き出し、闇に立ち向かう。
「来い……俺たちの光も闇も、全力で受け止めろ!」
黒月の光が一瞬、フォスの瞳に重なり――
視界が真っ白になった。




