26話
「雛菊、柊。お前達の母親が見つかったぞ!」
「本当に!?」
「会えるの?」
「あぁ、昨日連絡をとって今日組に来てもらう事になってる」
「やったー!」
「久しぶりだ!」
いつもの様に朝食を食べていると総一郎さんがやって来て母さんを見つけたと言われた。
嬉しいことだけど、タイミング悪い、アイツがこっちに向かってるって連絡が来たばかりなのに母さんは相変わらず運が悪いな。
まぁ、会っちゃったら会っちゃっただね!
私もちょっとは強くなったから大丈夫、鉢合わせない可能性の方が高いし大丈夫!
でも会わないに越した事ないけど…
「お母さんはいつ頃来るの?」
「今日の午後にはこっちに来ると言っていた」
「あと少しで来るんだ!」
「待ち切れないね!」
「うん!楽しみ!」
母さん、昔みたいに痩せ細ってないといいけど、そこら辺は大丈夫か。母さんが行く所なんて幼馴染の美咲さんの所くらいだから美咲さんならしっかりやってくてれるはず。
ルゥに監視も頼んでいたし大丈夫。
母さんの居場所を知ってるのに総一郎さん達に探させたのは、私達の願いを叶えてくれるかどうか試したかったから。
……何様って感じだけど会った人間を、私達を助けてくれたとはいえ、すぐ信じるなんて危機感が無さすぎる。
そんなのあり得ない。
いい人ぶって最後に裏切られるなんてよくある話だ。
「お母さんが来るまで何して遊ぶ?」
「う〜ん、探検はもう飽きたし、お料理も子供用のが無いと結構厳しいから道具が来るまで出来ない。」
「部屋で大人しく折り紙とかやってる?」
「そうだね〜」
朝食を食べ終え大人しく部屋に戻った私達は
母さんが来るまで大人しく遊んでいた。
「〜〜〜ッ!!!」
「ッ!ッ!!!」
「何の音だろう?」
「なんかちょっと前にもこんなことあったね」
「確かに!」
施設にいた時と同じ様な争う声や物音が玄関の方から聞こえて来た。
まさかとは思うけど、アイツが今このタイミングで来たとか?
相変わらず最悪なタイミングだ、母さん何かに取り憑かれてるんじゃないか。
「私は娘に会いたいだけなんです!お願いします!一目で良いんです、会わせて貰えませんか」
「いや〜困るっすよ!アポも取ってないのに突然来られても!そもそも雛菊ちゃん達の本当の父親かどうかも確認しようがないっすもん」
「だから、娘に会わせてくれれば私が本当の父親だと分かってもらえるはずです!」
「いやいや、それが無理なんすよ!自称父親を名乗る怪しい奴の前に小さな子供連れて来るわけ無いじゃないっすか!」
言い争っていたのは虎徹さんと私と雛菊の実の父親、ドゥエイだった。
虎徹さんが対応していて雨音さんが居ないって事は瑞生さん辺りを呼びに行ったのかな?
「君では話にならない!私が自分で探すから退いてくれ!」
「ちょちょちょ!勘弁してくださいっす!今上の人間を呼びに行ってるので此処で大人しく待ってて欲しいっす!」
ドゥエイが虎徹を押し退けて無理やり屋敷に入ってこようとしている。
「柊どうしよう?あれ止めた方がいい?」
「う〜ん、私達が出て行って止まるか分かんないけど…行きたいんでしょ?」
「うん、だって虎徹お兄ちゃん困ってる。一応雛菊達のお父さんだし」
「はぁ、困った父親だね。血が繋がってるなんて思いたくないよ」
「そんなこと言わないの〜あの人が居なかったら雛菊達生まれてないんだよ?」
「はいはい」
雛菊がどうしてもと言うから仕方なく行くのであって父親には一欠片の情もない。
とっとと追い返して、雛菊と母さんと楽しい1日を過ごすんだ。




