21話
「2人ともお疲れさん!疲れただろ」
「全然!お話しするだけだったもん」
「初めての経験で楽しかったよ!」
「それなら良いが、これから王に食事のお誘いをされてるんだ。もちろん行くだろ?」
「美味しいもの食べたい!」
「宰相さんが言ってたやつだね!」
まさかあの紙に書いてたやつを実際にくれるとは思わなかったな。
王宮のご飯って豪華なのかな、豪華だったら良いなぁ!
雛菊も嬉しそうだし、楽しみ!
「では改めて自己紹介をしよう、アゲート・バオフェスィファと言う。裁判では世話になったね」
「こちらこそありがとう!」
「面白かった!」
「話に聞いた通り、本当に変わった子供だな」
総一郎さんから聞いてたのかな?
まぁ私は精神が大人だから楽しかったけど、普通の子供の雛菊は流石だなって感じ。
「こっちはハクだ」
「紹介が雑ですね、宰相をしております。ハク・スチュアートと申します。よろしくお願いしますね」
「よろしくハクお兄ちゃん!」
「よろしく!」
王様と宰相さんに挨拶が終わったら、大きくて長いテーブルのある部屋に連れて行かれた。
テーブルの上には料理が大量に乗っていた。
「わぁ!すごい!美味しそー!」
「いっぱいだ!しかもお高そー!」
「今日はご馳走を用意しても足りたいくらい世話になったからな、遠慮せずに食べてくれ」
「ありがと!」
「頂きます!」
施設を出た日と手術が終わった時もご馳走用意してもらったけど、それとはまた違ったお金掛かってるなって感じの料理だ。
美味しそー
「今回はとてもお世話になりましたね。貴方達の体の中に入っていたマイクロチップも裁判でとても役に立ちましたよ」
「そうなんだ!雛菊達も取ってもらえて良かった!」
「取ってもらってなかったら、裁判の時に死んでたかも!」
「それだけは本当に良かったですね」
宰相さんだけでなく、周りの大人全員がホッとした様な顔をして、微笑んだり微笑まなかったりしていた。
「協力してくれた礼に何か願いを叶えてやるぞ」
「願い?このご馳走がご褒美じゃ無いの?」
「これは元々用意していたものです、なのでお礼にはならないんですよ?」
「でも柊達これで十分だよ?」
「そういう訳には行かない、何かさせてくれ」
「う〜ん…」
なんかこれデジャブだな、総一郎さんにもこの前に言われたばっかりなのにそんなに直ぐ思い浮かばないよ……あっ
「はーい!雛菊はこの料理みんなに食べさせてあげたい!」
「みんな?」
「組にいるみんなに食べて欲しいから持って帰っても良い?」
「なるほどな、でもここにあるのは持って帰らなくて良い、組の物用に新しく準備させるから、今は好きなだけ食え」
「本当に!?やったー!ありがと!」
大人達が雛菊を微笑ましそうに見てるな。
みんなにも食べさせないなんて、本当雛菊らしい優しい願い事だ。
「そっちの柊は何か無いのか?」
「う〜ん、じゃあ施設長とお話しさせて欲しい!」
「柊?」
「…それはどうしてだ?」
「施設長死んじゃうんでしょ?だったら最後にお話しさせて欲しいなって!出来れば、2人っきりが良い!」
「話をするのは構わない。ただ、2人っきりは許可出来ない、話をするときは護衛を付かせる」
護衛を付けられるのは困るな。
聞かれたら後々厄介な内容を話すから、出来れば2人がいい。
「何かされそうな雰囲気がしたらすぐ大声あげるからお願い!」
「……」
「柊、あいつは死刑を下されたばかりだ。ヤケクソで何をするか分からないんだぞ」
「そうだよ?柊ちゃんに何かあったらどうするの、僕達はまだ君に恩返し出来てないのに」
「でも…」
反対する気持ちは分かる、私だってもし雛菊からこんな提案されたら絶対泣かれても止まる。
でも"あれ"の効果を間近で確かめられるのは今しかない。
数少ないからどうしても見ておきたいんだ。
「お願い!絶対危ない事しない!」
「……しかしなぁ」
「……雛菊からもお願い!柊がこんなに言うんだから何か大事なお話しなんだよ!許してあげて!」
「………はぁ〜、分かった。だだし時間を設定する。10分だそれ以上話すなら護衛を交えて話してもらう。良いな」
「全然良い!ありがとう!」
「王様優しい!」
「そうだろう?私は優しいんだ。……ローグの奴は鎖で二重に繋いでおけ」
「…かしこまりました」
助かった、雛菊が居た本当に良かった〜
これで2人っきりで話が出来るし、3年間我慢した鬱憤も晴らさしてもらおう。
ルゥへのお土産話しも1つ出来たし、良い感じ。
「それにしても、お前らよく食うな、その小さい体にその量入るの凄いな」
「信じられませんね」
「ほぉ?」
「このぐらい余裕!」
「いつもこれぐらいは食ってるけど、ウチの若いのはこれの倍は食うから気づかなかったが、改めて見ると良く食うな」
そんな話をしながらご飯を食べていたら、夜遅くなってしまったので王様が特別に部屋を用意してくれた。
もちろん全員分。
「敷布団も良かったけど、王宮のベットはフワフワだね!」
「本当だね〜フワフワで暖かいからもう寝そう」
「こんな部屋用意してもらえるなんて、証人さんやって良かったね!」
「やって良かった!施設長には会いたくなかったけど、こんな思いができるなら、何回でもやる」
「あはは!やりたいね!」
「ねぇ、柊。施設長と何をお話しするの?」
……そうだよね、やっぱり気になるよね〜
でも言えない、これだけは絶対に。
「…雛菊に言ったら軽蔑されそうだから言いたくない」
「なぁに?それ、雛菊はどんな事があっても柊の事を愛してるよ?」
「分かんないよ、もしかしたら本能的に嫌いになるかもしれないじゃん」
「どゆこと?まぁ、柊が不安なら無理には聞かないよ。言いたくなったら言ってね?」
「そんな日来ないと思うけど、分かった」
「分かんないでしょ〜、全く柊は!」
そんな日は来ない、だって私人殺しだもん。
雛菊に言って受け入れてくれる訳ない。
でももし、受け入れてくれたら雛菊も相当私に依存してるね。




