18話
「柊ちゃんだったかしら、あんまり危ない事しちゃダメよ!お姉さん心臓止まるかと思ったわ!」
「ごめんなさい…」
「でも、子猫を助けてくれてありがとね!」
「うん!」
「おい、お前右肘怪我してるぞ」
「ん?本当だ!木の折れたとこが当たったのかも?」
「早よ消毒せないかんな!俺の部屋に救急セットあるさかい、おいで!」
「ありがとう!」
気付かない間に怪我をしていたとは、怪我って気付くまで痛くないよね。
気付くとめっちゃ痛いんだけど。
「ほな、消毒行くで〜」
「っ〜〜〜!」
「うわ〜!柊痛そう!大丈夫?」
「イダイ!」
「頭、撫で撫でしようね」
「危ない事したんだから自業自得とも言うけどな」
「こればっかりはしょうがないわね〜」
「可愛い子が泣いている、可哀想に僕が変わってあげられれば!」
「お前は黙ってろ」
精神は大人寄りだけど子供の部分がない訳ではないから、普通に泣くよ〜
柊の怪我の手当てが終わると恒例の自己紹介タイムが始まった。
「そうだ、忘れてたけど俺、貝矢未来よろしくな」
「未来…」
「何だよ似合わねぇって言いてんだろ、母親の趣味だ。気にすんな」
「未来くんよろしく〜」
「素敵な名前だよ!よろしく!」
「おう」
ちょっとぶっきらぼうなオレンジ色の髪の青年が未来さん。
オレンジ色が未来って名前と凄く合ってる気がする。
「はいはい!次は俺や!俺は芦間ひかる言うねん、気軽にひーくんって呼んでや!」
「「よろしく!ひーくん!」」
「素直で可愛ええなぁ〜」
関西弁の元気な青年がひかるさん。
関西弁なんてこの世界にあるんだな、こっちの世界でも関西弁なのかな?
「次は私よ!初めまして、私の名前は武田善之烝って言うの、でも可愛くないからゼンちゃんって呼んでね!」
「分かったゼンちゃん!」
「ゼンちゃん可愛い!」
「あら〜嬉しいわぁ〜」
「クソカマが」
「あ"あ"?」
中身可愛いけど、外見と怒った時が怖い青年?女性かな、が善之烝さん。
髪をアレンジしてあって可愛い。
名前はめっちゃゴツいけど。
「次は僕だね、小さいお嬢さん方こんにちわ。相野恋と言います。恋多き僕に相応しい名前でしょう!そして今日可愛らしいお嬢さん方に会えた事に深く感謝します!」
「よ、よろしくね恋くん」
「あんまり関わりたく無いお兄ちゃんだね!」
「雛菊、関わらないのが正解だ」
「変態だから近づかんとき」
「ここ変態多いね!」
調理場以外で変態に会うとは思わなかったけど、ロン毛を後ろで一纏めにしている青年が恋さん。
曝け出すタイプのナルシストだね。
「てか、お前らあんな所で何してたんだ?」
「ん?お弁当食べる所探してて、あそこ桜も咲いてるし丁度いいかなって」
「なるほどな〜」
「私たちもお邪魔して良いかしら?」
「良いよ〜」
「柊達のお弁当いっぱいあるから食べて良いよ!」
「おおきに!遠慮なく頂くわ!」
「遠慮しろ、広間近いんだから飯取りに行くぞ」
「あぁ〜!」
「先に食べて待っててね」
「「はーい!」」
柊達は縁側に座り、お弁当を広げて4人が帰って来るのを待つ事にした。
数分後お盆に料理を大量に乗せて4人が帰って来た。
「いっぱいだ!」
「そんなに食べれる?」
「むしろ足りないだろ。これでもセーブしてる」
「あんまり食べると食い過ぎだって怒られちゃうのよね〜」
「そうなんだ!大変だね!」
「こわ、ブラックホールじゃん……」
4人が持って来た大量の料理は無事に全部腹に収まっていました。
比較的普通な体型のひかるさんと恋さんもめっちゃ食っててどこに入ってるんだろう、と思いました。
料理長作のお弁当はいつもの如くとても美味しかったです。
ちなみに助けた子猫も一緒にご飯を食べました。
「そうだ、さっき広間に行った時に保弘さんに会ったんだけど、お前らに用事あるらしいぞ?」
「保弘お兄ちゃんが?」
「また?何だろ?」
「内容は知らねぇけど、研究所に来てくれってよ」
「あ!なるほど!」
「解析終わったのかもね?」
「解析?」
「うんん、何でもない!」
4人と少し喋ってから柊達は研究所に向かう事にした。
「こんにちわー!」
「保弘お兄ちゃん来たよー!」
「おぉ、悪いなこっちだ」
先日来た部屋に入ると保弘さんが居て私達に手招きをした。
「雛菊ちゃん、柊ちゃん突然呼んでごめんね〜」
「京お姉さん!」
「この前ぶり!」
「早速だけど本題に…柊ちゃん右腕どうしたの?」
「これ?ちょっと木から落ちちゃって!」
「え!大丈夫なの!?頭は打ってない?ちょっと見せて!」
京さんは座っていた椅子から飛び上がり、私の側に駆け寄って来た。
「頭は打ってない、大丈夫だよ!しっかり消毒してもらったし」
「ダメよ、どうせ湊崎組の誰かにやってもらったんでしょ?アイツら雑だからこういう事は信用できない」
「うう〜ん」
「柊見てもらお?」
「京はプロだ、見せといて損は無いぞ」
「分かった…」
2人に言われ、京さんにしっかりと見てもらいやはり少し雑だったようなので消毒し直しをしてもらい、元は大きい絆創膏だけだったので包帯なども巻いてくれた。
「これでよし!次からは男連中じゃなくて仁美さんとかお姉ちゃんにやってもらいなね」
「お姉ちゃん?」
「そう、言ってなかったっけ?湊崎紫!私のお姉ちゃん!」
「ええ!そうなの!?」
「言われてみれば髪の色とか一緒だし、目がとっても似てるね!」
「でしょ?で、お姉ちゃんの話はまた今度って事で本題入るよ!」
「お願いします!」
京さんの話は私達の頭の中にあるマイクロチップの解析が終わった事、そのマイクロチップは遠隔操作出来る物らしくすぐにでも手術をしたい事。
色々教えてくれた。
「まずは大人組から処置しようと思うの、もう大人組には説明して今から手術を始めるから雛菊ちゃん達は明日手術ね!怖いだろうけど、私達腕は確かだから!」
「雛菊達、大丈夫だよ!全然怖くない!」
「うん!京お姉ちゃんに全部任せる、柊ちょっと怖いけど、早くしないといけないんだよね?」
「うん、遠隔操作でどんな事をされるか分からないから出来るだけ早く取りたいの」
「「じゃあ、よろしくお願いします!」」
「任されました!」
京さんと話をして明日手術頑張れるように今日はよく休んでねと言われた。
保弘さんはそのまま残るらしく、無言で手を振られた。
「お!雛菊、柊!久しぶりだな!」
「ベニおじさん!久しぶり!」
「もしかして、手術しに来たの?」
「何だもう聞いてるのか?そうだ、俺が1番目なんだよ〜」
「頑張ってね!」
「実験台よろしく」
「お〜い!酷でぇ事言うなよ!たく、まぁ後に続く奴らの為にも死なねぇ様に頑張ってくるよ」
ベニさんは施設で知り合った人で、2号棟に居た人だ。
ベニシオ・パーカーさん、この国ではない隣国から自分の意思で施設に来たと言っていた。
私達よりも全然古株でみんなが暗い中、珍しく明るい人で何故か私達に恩があると言い続けている人。
「ベニおじさん、大丈夫かな?」
「大丈夫でしょ、あの人心も体も強いし。殺しても死ななそう」
「そうだね〜でもそれ柊にも言える事だけどね!」
「え、そんな事なくない?」
「そんな事あるよ〜」
「…」
私ってあんなゴリラみたいな外見の人と同じだと思われてたの?
ゴリラは可愛いけど、嬉しくはない。
手術当日。
「じゃあ心の準備はいい?」
「ふぅ〜、良いよ!」
「雛菊もオッケー!」
「心配しないでね!ここまで手術全部成功してるから!」
「心配してないって!」
「京お姉ちゃんを信じてるからね!」
信じてるよ、奢る事はなく、絶対的な自信を持ってる人の目してるもん。
でも雛菊死なせたら殺してやる。
故意じゃないって分かってても、死なせたって事実は変わらないからね。
「雛菊おやすみ」
「柊もおやすみ〜」
私達は麻酔をされてそのまま眠りに落ちた。




