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シオンの涙雲  作者: 居鳥虎落
第1章
15/30

15話

「雛菊ちゃん達これから予定あるっすか?」

「無いよ?この屋敷を探検しようとしてただけ!」

「それ以外は特になし!」

「俺今日お休みなんすけど、一緒に探検しても良いっすか?もっと2人と仲良くしたいっす!」

「おお!良いよ!」

「じゃあ早速探検出発しますよ、虎徹隊員!」

「おお!」



 3人で手を上げて早速出発しようとしたら虎徹の首根っこを雨音が掴む。



「お前は昨日の仕事が残ってるからダメだ」

「ああ!忘れてたっす!」

「はぁ、昨日瑞生さんに言われただろ。さっさと行くぞ」

「ぁぁ〜2人ともごめんっす〜!また今度遊ぼうっすー!」

「お仕事頑張ってねー!」

「サボらないでねー!」



 雨音に引き摺られて去っていく虎徹に手を振りながら応援すると振り返してくれて、雨音も軽く手を上げて仕事に向かった。



「行っちゃったね!」

「まぁ、仕事ならしょうがないね。じゃぁ2人でまた探検しようか」

「そうだね!今日は昨日行かなかったあっちの方行ってみよ!」

「良いね」

「あ、いたいた。雛菊、柊ちょっと来てくれ」

「何か今日は良く呼ばれるね」

「これは探検無理かもね」



 保弘に声を掛けられ連れて行かれたのは、屋敷を出て向かい側の建物で、来た時は何故か目に止まらなかった、研究所の様なものが建っていた。



「保弘お兄ちゃんここ何?」

「ここは研究所だ。毒や薬、機械とか色々研究したり、発明とかもやってる場所だな」

「何で柊達連れて来られたの?」

「お前らの中に入ってるマイクロチップを調べさせるためだ」

「あ〜あれか!」

「なになに?雛菊それ知らない!」



 そうだった、雛菊に伝えるの忘れてた。

 柊は雛菊に保弘が話してくれた事を伝えた。



「ええ!本当に雛菊達のマイクロチップ取れるの!?凄い!」

「ね!楽しみだな!」

「今すぐ取れるわけじゃ無いからな」

「「分かってまーす!」」



 研究所に入ってちょっとすると保弘がある1室に入った。

柊達もそれに続いて入る。



「ここにある物は危険物が多いから絶対触るなよ」

「分かった!」

「怖いから触る気ない!」



 保弘は遠慮なく奥まで進んで行き、奥の方に居た白衣を着た銀髪の女性を掴み上げる。



「おわっ!なに!?」

「京、この前言った双子連れて来たぞ。検査してやってくれ」

「おお、マジか、あの子達がそうだね?てか用があるなら声だけ掛けてよ。態々持ち上げる事ないでしょ」

「悪いな、いつも声掛けても気付かない事があるからこの方が手っ取り早いと思ってな」

「たくっ、こんにちは双子ちゃん。今日は来てくれてありがとう、椎名京しいな みやこです」

「雛菊です!」

「柊だよ!」

「ふふっ、元気ね!じゃあ早速どういう検査をするか説明させてね」

「「はーい!お願いします!」」



 京は2人に検査の種類や時間がどれくらい掛かるのかなど色々細かく説明をしてくれた。



「説明はこれで終わりなんだけど、何か質問あるかな?」

「何もないよ〜」

「雛菊も無い!」

「よし!じゃあ早速始めようか」



 そう言った京に連れられてやって来たのは色々な機会が置いてある部屋でした。



「じゃあ説明した通り、この機会に入ってもらって雛菊ちゃん達のマイクロチップがどこにあってどういう物か調べるよ?大丈夫?怖くない?」

「大丈夫!楽しそう!」

「面白そう!」

「良かった、じゃあ2人一緒に入って大丈夫だからね」

「「はーい!」」



 柊達は京に言われた通り2メートルくらいある箱の中に一緒に入る。

 異世界の技術だから分からないけど、MRI的なやつなのかな?



「行くよ〜リラックスしててね〜」



 京は柊達に声を掛けると手元の機械を動かし始め、箱が機械音を発し始める。



「大きい音はちょっと怖いね」

「大丈夫、私がそばにいるでしょ?」

「そうだった!じゃあ安心だ」






「はい!終わったよ〜」

「早いな」

「あまり前私達が作ってるのよ」

「それもそうか」

「疲れたー!」

「これでマイクロチップ取れる?」



 柊の問い掛けに京は考え込む。



「んー、それは詳しく調べてみないと断言出来ないけど、絶対取ってあげるからね!」

「京お姉ちゃんありがと!」

「ありがとう!」

「それはマイクロチップ取れたら言って!」

「うん!」

「取れた時の楽しみだね!」



 柊達は京にお礼を言い屋敷に帰る事になった。



「突然連れて行って悪かったな、疲れただろ?」

「ううん?楽しかった!」

「頑張ったご褒美にお菓子貰えたし!」

「そうか、お前らのそれ取れると良いな」

「「うん!」」



 柊達は屋敷に戻ると食べ損ねていた昼食を食べ、保弘さんに聞いた書庫に来ていた。

 そこで夕飯まで本を漁り、昨日と同じ様にお風呂に入り眠りに付いた。



 深夜、柊は目が覚めてしまい雛菊を起こさない様に庭に出た。



 ここ夜は誰も居ないんだな1人くらい居るかと思ったけど、良かった。

 1人でゆっくりしたい気分だったからね。



 柊が庭に出て空を見上げていると1羽の鳥が柊目掛けて飛んできた。



「おわっ、もう〜毎度突進して来ないでよ。君のご主人様にそう教わってるの?」



 その鳥は施設で良く見ていた鳥でいつもの様に背中にリュックを背負っていた。



「今回は返事が大分と早いね?いつもは1ヶ月くらい返事寄越さないのに」



 リュックの中からは巻物状の手紙が出て来た。



「また、何か変なのにハマってるな。普通の便箋で良いって言ってるのに…」



 柊は苦笑いしながら、手紙を開き隅から隅まで読む。



「なるほど、まぁ大体いつも通り変わらない感じね。私が引っ越した事の愚痴がずらっと書いてあるけど、これはいつもの事なので無視っと。じゃあ返事書きますかね」



 そう言うと鳥を連れて自室へと戻り、普通の便箋に返事を書き、それを鳥のリュックに入れると、再び庭へ戻り飛び立つ鳥を手を振りながら見送った。



「さて、そろそろ寝ますかね」



 柊は足音小さく寝る為に自室に戻っていきました。



「……」


 鳥を放っているのを見られていた事を知らずに。


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