彩瞳のギア・フィーネ〜黄金の歌〜【プロット】
『彩瞳のギア・フィーネ 〜黄金の歌〜』
・あらすじ
カネス暦193年、世界は終わりの見えない戦禍に呑まれていた。
カネス・ヴィナティキ帝国。
支配した国の子供を帝国式教育により兵士に育て上げ、大陸を支配している最大国家。
アスメジスア王国。
高い身体能力を持つ、人種。七つの軍事都市を王に忠誠を誓った七人の将軍が治める国。
そして、ミシア、レネエル、大和などの民主主義国家が主体となった連合国軍が、二カ国の支配を拒む形で抵抗を続けていた。
そんな戦火に満ちた世界に、油を注ぐように現れた謎の人型兵器『ギア・フィーネ』。
いつ、どこで、誰が、なんの目的で製造したのか——。
ただ、その機体は従来機とは比べ物にならない性能を持っていた。
しかし、その機体はパイロットを自ら選ぶ。
そして、それ以外を受けつける事はない。
戦争の鍵を握るであろう『ギア・フィーネ』。
現在その『ギア・フィーネ』は三機確認されている。
二号機、ディプライブをミシアの軍人、シズフ・エフォロンが。
五号機、ブレイク・ゼロをアスメジスア第二軍事主要都市所属の軍人、ラウト・セレンテージが。
そして三号機、アヴァリスを所属不明の何者かが。
謎多き人型兵器『ギア・フィーネ』……それを手にした国が勝つ。
いつ、どこで、誰が、なんの目的で製造したのか——……そんな事はもはや関係ない。
国家の威信をかけて、国々は『ギア・フィーネ』を求める。
勝つ。
ただそれだけのための兵器。
所在不明の一号機と、四号機。
所属不明の三号機。
それを手に入れようと、躍起になる大国と連合国軍。
近い者以外は誰も見ようとはしない……兵器の一部になる者の心など。
その少年、アスベルはミシアの一部である田舎町から、少し大きな都市に新学期の準備品を買いに来ていた。
路上で一人、歌って踊る可憐な少年、リントに出会い、その歌声とパフォーマンスに心を奪われる。
同じく隣で彼に心奪われた少女、モニカ。
目立つのが苦手なアスベルと引っ込み思案だったモニカはしかし、リントのために「なにかさせて欲しい」と口走ってしまう。
その出会いをきっかけに、思いもよらぬ運命に巻き込まれていくアスベルとモニカ。
戦場に歌声が響く時、『ギア・フィーネ』が新たな彩を纏う。
第四の勢力『ジークフリート』に命を救われた三人は、登録者たちを集めて世界をひっくり返す——!
一話
世界の情勢の説明。
田舎町から都市に出てくるアスベル。
路上パフォーマー『リント』に出会う。
あまりに素晴らしいパフォーマンスに、つい隣にいた少女モニカと仲良く語り合って、盛り上がる。
その勢いのままリントに「応援する」「なにかさせて欲しい」と懇願。
彼のパフォーマンスを広める手伝いを始める。
一ヶ月ほど経ったある日、ミシア軍の兵がリントを軍の広告塔としてスカウトに来る。
リントはそれを拒否。
その場に居合わせたアスベルとモニカは、リントが他国からの『難民』であり、『国籍不明者』だと知らされる。
広告塔にならないのならば、スパイ容疑で射殺やむなし。
引き留めようとした時、上空から『ギア・フィーネ』が舞い降りる。
騒然となる町。
緑色の『ギア・フィーネ』が選んだのは、アスベルだった。
二話
混乱したアスベルをリントが落ち着かせて機体を置き去りにして逃げる。
リントは「もう俺に関わるな」と言って姿を消そうとするが、アスベルとモニカが引き止める。
そんな中、通報で駆けつけた軍の人型兵器が『ギア・フィーネ』を回収。
登録者パイロットとなった可能性が高いため、三人を生け捕りにしようと襲ってくる。
町の外まで逃げた時、モニカが足を撃たれて軽い怪我をする。
その時、捕縛されたはずの『ギア・フィーネ』が勝手に動きアスベルをコクピットへと誘導。
二人を守るため、アスベルは登録者パイロットとなる事を受け入れる。
圧倒的な戦闘力で撃退後、途方に暮れるアスベル。
彼に声をかけ、今後の提案をしたのはリントだった。
三話
リントが連絡を取ったのはフリーエンジニア、ジークフリート。
謎が多く、しかし腕は確かで破損した『ギア・フィーネ』を世界で唯一完璧に修復出来る組織とされた。
当然軍はお得意様というやつだが、ジークフリートが取引するのはミシア郡だけではない。
世界の最低限の秩序を保つための三つの組織の一つ、民間軍事機構の筆頭となっているジークフリートならば、たやすく手は出せないだろう、と考えたのだ。
リントはスパイではなくジークフリートの構成員。
家族とも上手くいっていなかったアスベルとモニカは国を捨て、リントについていく事を選ぶ。
そこで出会ったのは、『ギア・フィーネ』三号機の登録者パイロット……ザード・コアブロシア。
謎のフリーエンジニア、『神の手を持つ悪魔 《ジークフリート》』その人であった。
漫画原作コンテストに送ったやつ。
供養。