【漫才】 「チートハーレム系勇者になりたい」
この作品はフィクションです、登場するアプリは架空のもので実際には存在しません…多分。
二人 「はいどうもー」
ツッコミ「というわけで今から漫才をやらせていただくんですけど。」
ボケ 「時代はまさに異世界転生真っ盛り!」
ツッコミ「急にどうした!? なんか悪いもんでも食べたのか?」
ボケ 「失礼な! 最近巷では異世界転生がブームだとか。」
ツッコミ「なんかアニメも結構やってますねえ。」
ボケ 「しかもイキナリ最強の力を手に入れて、転生先では行く先々で女にモテる。」
ツッコミ「誤解のないように言っときますけど、そうじゃない作品もありますからね!?」
ボケ 「そして大した苦労もしないでハーレムですよ!? 男の夢じゃないですか!」
ツッコミ「まあ、そうかもしれないけどね?」
ボケ 「苦節三十余年、今こそ我が世の春を謳歌するとき!」
ツッコミ「おおう!? ほんとにお前どうしたんだ?」
ボケ 「五月蠅いなあ、僕はいつでも平常運転ですよ?」
ツッコミ「今のお前の何処に平常が有るのかな。」
ボケ 「まあとにかく、自分も異世界にいっちょ転生してやろうかと思いましてね」
ツッコミ「おーい! 妄想と現実の区別がつかなくなっているぞ~。」
ボケ 「まあまあ、話は最後まで聞いて下さいよ、ここにスマホがありますよね?」
ツッコミ「1世代前のふっるいスマホだな、それが何か?」
ボケ 「古いのはこの際良いんです! ここのサイトに『診断メーカー』というのがありまして。」
ツッコミ「あー名前とか入力すると勝手にキャラクターとか当てはめるやつか!」
ボケ 「そこに異世界転生診断なるものがあったんですよ。」
ツッコミ「なるほど、それで自分の名前を入れてどんなキャラクターになるか試してみようと」
ボケ 「これであなたも異世界転生者!」
ツッコミ「なんの宣伝だよ! で早速やってみたのか?」
ボケ 「いや~いざとなると怖くてさ~」
ツッコミ「あ~わかる、嫌な結果とかになるとテンション下がるからな~」
ボケ 「というわけで、まずは君の名前を入力して…」
ツッコミ「いや俺実験台かよ! 変なキャラだったら嫌だな~」
ボケ 「まあそれはそれで美味しいわけで…お、結果が出ましたね!」
ツッコミ「うわ~、見たくねー! ボケ君代わりに読んで!」
ボケ 「あははは、まあしょうがないな~どれどれ‥‥。」
ツッコミ「ん? どうした?」
ボケ 「ツッコミ次郎 レベル999、HP99999、MP99999、力、体力、敏捷、魅力、運、全部最大値、…あなたは最強の勇者です、異世界で縦横無尽に活躍し、エルフや王国の姫、あらゆる美女にモテまくりのハーレム状態です! だって、くそーいいなあ~!」
ツッコミ「おお、予想外に良い結果が出たな! 結構判定が甘いのかもよ?」
ボケ 「そうかー、なら安心して俺も入力っと、只今判定中…」
ツッコミ「おっ!結果が出たみたいだな? ん? どした?」
ボケ 「ちょっとこれ見てくれ…」
ツッコミ「なんだよ、スマホを押し付けて、ん~なになに? ボケ太郎 レベル-100、えっ、待ってマイナスとかあるの!?」
ボケ 「いいから続きを読んでみろ!」
ツッコミ「何イラついてんだよ、えーと? HP5、MP1、力、体力、敏捷、魅力、運、全部最低値…うわあ酷いなこりゃ」
ボケ 「まだ続きがある! いいから読め!」
ツッコミ「何なんだよ全く…えーと? ボケ太郎、あなたはスライムよりもへっぽこな転生者です、勇者という職業ですが異世界の冒険者から『名ばかり勇者』と蔑まれ、パーティーでは足を引っ張るお荷物扱い、当然女性からそっぽを向かれて、やけになって酒場の看板娘を襲うも返り討ちにあい、その後は酔った勢いで路上で女性を襲いますが通りかかった冒険者に撃退されて自室に戻ったところで力尽き短い一生を終えます、もう一回人生を振り返ってみましょう、これは因果応報です…ってひどすぎるなこりゃ!」
ボケ 「だろ!? 何の恨みがあってこんな酷いことを!」
ツッコミ「いや、名前入力してランダム判定だろこんなの、もう一回やってみろよ、名前を少し変えれば違う結果になるかもしれないし。」
ボケ 「う、ま、まあそうだよな!? いくら何でもおかしいもんな! よーし、じゃあ名前はボケ次郎で入力っと、判定中…」
ツッコミ「さあ、今度はどうだ!?」
ボケ 「…判定結果、ボケ次郎、あなたはコボルトよりもへっぽこな転生者です、以下同文。」
ツッコミ「あー、こりゃあ多少名前変えても結果変わらなそうだね。」
ボケ 「くそー! 俺の夢が! チートハーレムの夢があああっ!!」
ツッコミ「全力で悔しがるなよ! まあ、そんなに気を落とすなよ、たかが診断メーカーだろ?」
ボケ 「よーし! こうなったら!」
ツッコミ「こうなったら?」
ボケ 「今から役所に行って改名してくる!」
ツッコミ「そういう問題じゃねえ! 君とはやってられんわ!」
二人 「どうも、ありがとうございましたー」
もし万が一似たようなアプリを試して酷い目に遭っても、当方は一切責任を負いませんのであしからず。