幕間3 夢 晶和110年 七月七日
幕間3 晶和110年 7月7日
その人は、皇島国人なんだろうけど、なかなか見ない、なんというか、かなり軽薄な・・・外人っぽい雰囲気だった。年は・・・若く見えるけど20代半ばくらいだろうか?あんな髪型、周りからいろいろ言われそうだ。だが、どこかで見たことがあるような気がする。
「やあ、坊や。どうしてこんなところに?」
それは僕のセリフだ。ここは僕の夢の中のはずだ。
「坊やじゃありません。」
「ああ、お嬢ちゃんだったかい。ゴメン。」
「子どもじゃないって言ってるんです。もう12だ!」
気にしていることを言われて、つい強く言ってしまった。時々間違われる。髪も短めにしているのに。中等学校に行ったら母様や百合華たちが何と言っても絶対刈ってやる。
「ああ、二重にゴメン。オトコノコかと思ったよ。」
何言ってるか、さっぱりわからない。
その男は、でもかなり面白い人で、いろんな話をした。
「今日は大切な七夕の日なんです。・・・なんであなたなんかの夢を、僕は見ているんでしょう?」
「ひでえ言われようだ。俺だって何でここに来たか、わかんないよ・・・待たせている人がいるのに。」
翌朝、母様が変なことを言い出した。
「お祭りするわよ。ぶっつけ本番だけど、みんな手伝って。お手当は弾むから!」




