友達ってなに?(短編)
僕「おはよう。」
今日は高校の入学式、友達なんか出来ない、そう思った。
出来たとして離れて行くのが友達だと僕は昔教えられた。
でも、10年間の幼馴染で何でも言い合える友達は一人だけ居る。
その友達は他校に入学することになっている。
だから、離れ離れなのだ。
まぁ、なんの支障もないし、僕はちょっと残念と思うだけでそれ以外はどうとでも良かった。
僕「さて、昨日のうちに入学式の準備もしたし、そろそろ、学校に行くか。」
そう言葉を零して、家に出て、自転車乗って、電車を乗って、そして歩く、歩いてる時に誰かが背後からついてきてるような気がした。
誰も居ない、狭い道を僕は見つけ、そこに早歩きで行く、ついてきてるのはだいたい予想は付いてた。
この前、学校の見学で見たことのある女の子だった。
そんなことを分かっていながら面白そうに思い、僕は意地悪で気付いてないフリをして、学校に向かった。
黄葉「教室にやっと着いた、4階とか超怠い」
緊張をしながら僕はガラガラと教室のドアを開け、教室に入ったのだった。
そして、チャイムが鳴り、皆席について、先生の話を聞いて、学校が終わった。
僕「はぁ、やっと終わった。まぁ入学式だし、短いけど」
「あの!」
そう呟いてると女の子の声が聞こえた。
誰かは予想出来ていたので振り向いた。
縁「私の名前は葉也美縁です。私と友達になって下さい!」
黄葉「別にいいよ?ストーカーさん」
縁「え!?」
黄葉「どうせ、今日の朝着いてきてたんでしょう?」
縁「わ、分かってるのなら話しかけてくれてもよかったんじゃ…?」
黄葉「生憎と人見知りでね。」
縁「なるほど……」
黄葉「まぁ、友達なんだし、一緒に帰るか」
縁「うん!あ、一緒にお弁当も食べない?」
黄葉「別にいいよ?」
縁「やった!!」
そう彼女は嬉しがっていた。
それから彼女とお弁当を食べたり、十分休憩は移動教室で忙しかったから遊ぶことは無かったけど、その代わり昼休憩遊んだりしていた。
結構面白い子で僕は爆笑したりしてこんなに笑った事は無かった。
人生で初めてだった。
だから、信用した。
だけど……あれから半年後……
彼女は僕を避けるようになっていた。
「僕、何かした?」とLINEでそう言ったがいや別になんにもないよ。と返ってくるだけだった。
少しそっとしておいて欲しいのかなと思い、
そっとしておいてあげた。
でも、暫くして、
「一緒にお弁当を食べよう?」
ってLINEで言ったら教室で食べるけどいい?って返ってきて、
僕は教室で食べるのが苦手、それは何故かって人が怖いから、
周囲にいるだけでも落ち着かない。
だから、違う所で食べない?と聞いたら
友達に言った。と来た、その時僕の頭は真っ白になったのだ。
今まで避けてきたのはその友達と居るから?
もしかして、縁もそうだったのか?
あの醜い人間と同じだったの?と頭の中に巡り巡って、離れないと言ってくれた。
でも、裏切られた、僕は友達いるなら、もういいやと言った。
そこから、大事な連絡以外は取っていない。
ただ、分かること、やっぱり、僕は好かれていないこと
そして、友達なんか所詮飾りということ、
僕「友達って……その人の全てを受け入れるもんじゃないの?
支え合うものじゃないのか?」
そう言葉を零して、昔の事を振り返る。
僕は小学生の頃、友達が沢山出来たけど、幼馴染の星羅とはまだ仲良くはなかった。
でも、星羅と仲良くなったものは皆離れて行くらしい、僕はそれを聞いて別に動揺もしなかった。
ただ、そんなに危ない子なのか?とか思ってたが、星羅はとても優しくていい子だった。
だから、近づいた。
でもある時僕と喧嘩する時暴力を降ってくる馬鹿女が星羅を避け、虐めた。
まだ、このとき小学生でもある僕はただひたすらにそれを見る事しか出来なかった。
でも、影で傍で支えている弱い僕だった。
そして、小学五年生の時はある同級生の女のヤンキーにタイマンをしかけられた。僕は嫌だと断った。
こんな平和主義者が悪いやつでも殴れるわけがない。
でも、強制的にタイマンをされ、
一方的に僕が負け、「この事言ったら殺す」と脅迫もされた。
僕は何も思わなかったが、そいつらは僕の家を聞いて、僕は言った。
そしたら、休日とかに僕の家に来て、僕を連れ出して木の棒とかで殴られた。
それが、小学校の頃の僕
そして、中学校に入り、新しい友達が出来て、一緒にお弁当も食べた、でも、半年経ったら何も言わず離れて行った。
2年生は星羅と同じクラスだったが、不登校だった為、お弁当を一緒に食べる事は少なかった。
三年生はまた新しい友達が出来て、それを星羅に報告した。
星羅も3年生になってから不登校ではなくなり、友達も出来た。
楽しそうだった。
でも、僕はやっぱり、半年経ったら離れられたけどそれでも星羅に嘘をついた。
ハッキリとは覚えてないけど「友達と居て楽しいよ?」そんな嘘を言ったような気がする。
本当は誰も居なくて、お弁当すら食べてなかった。
そして、今に至る…
今も変わりやしなかった。
どうせ、信じたって無駄だった。
結局友達にとって僕は新しい友達が出来るまでの玩具だったんだ。
憎しみしかなかった。
怒りがこみ上げた、生きてる人間に怒りがこみ上げた。
他人が死んでもいいとすら思えた。
僕の視界は真っ暗になり、「生きてる自分のせい」だとそう言い切った。
こうじゃないと、生きてる人に殺意が湧くから、何の罪もない人を殺したって僕が後悔するんだ。
結局の所僕は独り、独りだったんだ。
希死念慮をしたって死なないのに何の意味もないのに…
僕「これ程の絶望はないだろう…願わくば死んでしまいたい」
そして、僕は誰一人、人を信じることは無かった。