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放課後

説明回続きます


前話と同日

「兆治、昼休みの続き、いいか?」


 放課後、帰り支度をしてる兆治を呼び止める。兆治とは家の方向が違うから帰りながらより今学校で話した方が都合がいい。


「おう、構わないが今度は何が聞きたいんだ?」


 教室の椅子に腰掛けながら、さて何を聞くかと考えたところに声がかかる。


「二人共ー、何の話してるの?新しいゲーム?」


声に振り返れば一人の女生徒。やや低い身長にポニーテールに結んだ長い髪が特徴な彼女は、同じクラスの村守千佳子むらかみちかこさんだ。結構なゲーム好きで俺や兆治とも話が合う。


「村守さんか。今年の春先から始まるMOAってやつだけど解る?」


「あぁ、あれねー。私も気になってたんだけど、二人はやるの確定なんだ?」


「兆治の方はβのテスターだし、俺の方も妹とコンビでやるのが確定だね。でもって今は兆治に聞いて事前勉強ってところ」


「なら一緒にゲームしようぜー。村守さん確かVR機器は持ってるって言ってたじゃんか」

 あ、兆治が布教し始めた。

俺としても兆治の他にも一緒にやって話ができる相手が増えるのは嬉しいので、内心で応援しておく。


「んー、兆治君達もやるなら私もやっちゃおうかなー?」

 少し話し込んだ結果、村守さんもかなり乗り気になってるみたいだ。というか誘うの上手いな兆治。


「じゃあ、村守さんもなにか知りたいことあったら言ってくれ」

「そうね……、えっと、確か宝具アーティファクトってのを貰えるんでしょ。あれってどんな感じのなのかな?」


 兆治がこちらを見た、こちらとしても聞きたい話なので頷いて了承する。


「そうだな、MOAでの宝具ってのは基本成長する武器って扱いなんだが…、じゃあ俺がベータ時に使ってた宝具を例にしてみようか」

 

 そう言って兆治は黒板に向かいチョークで何やら書いていく。


名称:黒旋

初期スキル:斧

タイプ:武具・術具

ランク:3

攻撃力:50+ 

アビリティ:黒風纏 リターニング

アーツ:ブラストスイング アポート ※黒天狂乱


「ゲーム中で表示されるのはこんな感じか、上から説明していこう。名称はそのまま宝具の名前だな」


くろつむじ…かな?


「全部の宝具がそんな感じの漢字表記なのか?」


「いや、○○ブレードみたいな洋風な物もちゃんとあるぞ。ただ自分で名付けは出来ないから、良さそうな名前が付いてる事を願うしかないな」


「漢字だったらルビが欲しいところだな」

「全くね、なんて読むのか分かりにくいし」


 村守さんが相槌を打ってくれた。


「読み方はアイテム説明に書いてあるから安心しろ。でもってこれの名前はくろつむじだ。で、次の初期スキルはキャラ作成時に持つことになるスキルだな。宝具に一番関係するスキルが選ばれる筈だ」


 斧か…、バーバリアンかバイキングか兆治がどんなプレイしてたのか気になるな。


「タイプはどんなものに関係するのかの分類がされていく。武器なら武具、魔法関係なら術具、他にも防具や生産具等の種類がある。これの場合は武具・術具で武器だけど風の属性を持っているから術具も付いてるって感じだな」


 属性武器は術具扱いなのか、覚えておこう。


「ランクは宝具としてどの位の力があるかの目安だな。キャラの作成時は1で上げるには専用のクエストをすることになる」


「ランクを上げると性能が上がるのか?」


「ランクが上がらないと性能が上がらないとも言うけどな。低ランクの宝具より強い店売り装備やプレイヤーメイドの物だってちゃんとあるぞ。まぁ、ランクを上げれば性能も上がるし、下に書いたアビリティやアーツも増える。そのうえ自分の所持スキルの枠が広がり控えに回すスキルも減るので飛躍的に強くなれる。ランク1で10個持てたスキルが、ランク3だと12個だ。控えだったスキルを伸ばすのも新たにスキル取って行くのも思いのままだぞ。そんな感じなので宝具のランクは上げられる時は上げた方が良いぜ」


 確かに宝具のランク上げは重要そうだな。村守さんもふむふむと頷いてる。


「攻撃力は武器の威力の大まかな目安で、後ろの+は何かしらの追加ダメージがある印だ。あくまで十全に威力を伝えた場合の数値で、変な武器の振り方だったりしたら威力がガクッと落ちるからな」


「適当に当てるだけじゃダメ?」

「ダメ」


 その辺のゲーム的な判定とかどうしてるんだろうなと思ったけど、まぁ、考えなくてもいいか。


「アビリティは宝具を装備してるだけで発動する常時能力だな。俺の場合は投げた時自動で戻ってくる能力と攻撃時に風属性のダメージ追加だった。アーツはスキルで覚えるアーツの他に、宝具を装備中にだけ使えるアーツになる。アーツの威力や硬直時間がスキルのアーツより優秀なのが多いな」


「この3つ目のについてる※のマークは?」


 わかりやすく※を付けてるので話を振れってことだと思うので、乗るとするか。


「※がついてるアーツは所謂大技、必殺技の類だな。どの宝具でも3ランクに上がれば覚えるって話だ。EPの消費も大きいし1度使うと暫くの間使えなくなるけど威力は凄かった。β時はこれが使える宝具を持つのが一端の実力者扱いだったぜ」


 宝具ランク3が一人前の証って感じかな?


「これで宝具について一通り話してみたが京也、纏めるとどんな感じか言ってみ?」


 とりあえず兆治の言葉を咀嚼し纏めろと、面倒な事を言ってくれる。


「ふむ……、宝具は成長する装備品。タイプとランクで分けられていてランクが高いほど高性能で、付属するアビリティやアーツが増えるし、スキルの枠の広がる。だから宝具ランク上げは積極的にやったほうが良い。基本性能や専用アーツは同程度の一般の装備やアーツより優秀。大技は消費大きいので使用は考えて使おうって辺りでどうだ?」


「おー、すごいすごい。なんか分かりやすい気がする」


 村守さんが感心して拍手してるし、兆治も問題ないと頷いてる。


「じゃあ宝具はこんな感じということで、次は何について言おうか」


「じゃあさー、次は……」


 そんな話をしていきながらゲーム開始を待つ日々は過ぎていったのだ。





次話辺りからゲーム開始できる、はず。

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