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過去への手がかり

眠たい頭を必死に使って書いたので誤字脱字あるかもです

後日編集しておきます


5/10 全部と言いましたが嘘でした、すみません

1話同様ちょこちょこ修正して、終わり方が少し変わったぐらいです

6/2 ちょっとした戦闘場面の修正

「ふあ~ぁ・・・」

軽く伸びをしながら適当にぶらぶらと街中を歩いていた。

俺は仕事がない時や、暇な時はよく散歩をしている。


駅前で立ち止まり、辺りを見回すと色々な人々が行き交っている。

「俺はさ~姫咲先輩に頼まれるなら何だって出来ると思うわけよ」

「あ~分かる!姫咲先輩になら人生捧げても後悔ねーわ」

「ぼ、僕もなんだな!!」

俺の隣を歩いて行く学生達。

「ばあさんや、今日の晩飯は何かね?」

「やーね、さっきも言ったじゃない。今日は肉じゃがですよ」

駅前の巨大デパートから出てきた仲の良い老夫婦。

「部長!こんな時間に上がっても大丈夫なんですか!?」

「気にするな!今日はパーッと飲み明かすぞ!」

何やら興奮気味の上司と部下の二人。

少し耳を傾けるだけでもそこら中で会話が行われているのが分かる。

俺はこういった何気ない会話を聞くのが嫌いではない。


本当に平和だ。

命のやりとりなんて無く、ここにいる人達は平和に暮らしている。

この瞬間だけは俺も周りと同じく、平和に暮らせていると感じれる。

結局は気のせいだが、それでも俺は心を安らげる為に時々街中に出る。


周りの人と俺は違う。

何も俺が特別だというわけではない。

ここにいる人達と違うのはただ、仕事の内容だけだ。

人に依頼され、人を殺し、それで金を貰っている。

別にこの仕事が嫌いな訳ではないし、誇りだって持っている。

ただ・・・時々思う事がある。

俺がこの道に進まず、普通の道を歩んでいたらと。

考えても無駄なことは分かるが、つい思ってしまう。

再度言うが、別に今の仕事に不満があるわけではない。


何処か未練でもあるのかと、思い出せない過去に問う。


・・・・っはぁー、やめだ、やめ。

思い出せないものは今はそれでいい。

俺は駅前から移動し、散歩を再開した。



ピリリリリ、ピリリリリ


数十分ぐらいしてそろそろ帰ろうかと思い帰路に向かう最中、電話がかかってきた。

画面は非通知と表示されているが、相手が誰か分かっていた。

この携帯は普段、発信専用に使っているからだ。

「あのな、こっちの携帯に電話を直接掛けてくるなって俺は何回言えばいいんだ?」

「あっちの電話に掛けたら面倒なやりとりしなきゃいけないですから」

電話の相手は子供のような高い声で悪びれもせず言った。

この問答も何度目だろうなと思いながら用件を聞くことにした。

「で、一体何のようだ?」

「暇だったので電話しただけです。

それでですね。この前の休日に・・・・」

俺の返事など聞かずに一方的に話し始める相手に、いつもの事かと肩を竦めながらも付き合うのだった。



「・・・で!その先輩が助けに来てくれて何とかなったんですよ!

僕もう感動しちゃいましたよっ。演技ですけど、尻もちついていた僕に手を伸ばして『君、大丈夫かい?』なんてなんてっ!!・・・って聞いてます?」

「聞いてる聞いてる。

街中に買い物に行った時に、ガラの悪い連中に囲まれてある先輩に助けられたって話だろ」

あれから数十分以上過ぎていたが、話はまだ終わっていなかった。

俺は既に家に着いていて、日課のイメージトレーニングをしながら話を聞いていた。

「そうですそうです。・・・っと。晩御飯に呼ばれたので失礼しますねっ!」

「よく噛んで食べろよ」

「貴方は母親ですかっ!また仕事があれば呼んでくださいね」

彼女はそう言って電話を切った。

「ふぅ。今日はここまででいいか」

同時にトレーニングもキリのいい所で終わらせ、俺は汗を流しに行くのだった。



「ふぅ、さっぱりした」

風呂から上がり晩飯を作ろうと台所に向かっていると、ある人物に設定している着信音が聞こえた。


ピリッ ピリリリリ ピリッ ピリリリリ


「珍しいな。師匠が電話してくるなんて」

俺は疑問に思いながら電話に出た。

「久しぶり、師匠。何かあったのか?師匠が電話してくるなんて」

電話を嫌う師匠にしては珍しい事だと驚きながら俺は話しかけた。

「・・・・」

「師匠?」

直ぐに黙り込んだ師匠に対して疑問を感じた瞬間、後ろから何かが迫って来る気配を感じた。


ヒュンッ


俺は直ぐ様後ろに振り向き、首を狙った相手のナイフを左の裏拳で払い、続けて右手でみぞおちへと拳を放った。

相手は俺の反撃を後ろに飛び退いて回避しながらナイフを投げる。

首と心臓を狙った2本のナイフを、俺は柄を掴んで投げ返す。

勿論、首と心臓にだ。

相手はニヤリと笑い俺と同じ様にナイフを掴んで仕舞った。



相手は体制を整え、笑顔で俺に向かって手を差し出した。

「衰えては居ないようだな」

「久しぶりだってのに手荒いことで」

先程の相手、師匠と握手をしながら俺は笑った。

「改めて久しぶりだな、師匠」

「あぁ。4,5年振りだ」



その後、師匠も飯を食ってないとの事らしいので俺が晩飯を振る舞うことになった。

といっても豪勢なものは作れないけどな。



「で、一体どうしたんだよ?急に会いに来るなんて」

飯を食い終わり食器を片付けながら師匠に用件を聞いた。

すると師匠は真剣な顔をしてこちらを見た。

「もしかしたら、お前の過去について分かるかもしれない」

「何!?」

驚きのあまり持っていた食器を落としそうになった。

俺は片付けを中断して師匠の話を真面目に聞くことにした。


「お前と別れてから世界中旅をしながら依頼を受けていたんだが、ある日俺に手紙を渡してきた奴がいた。

渡してきたのは現地の奴で『金をやるからあの人に手紙を渡して欲しい』と違う奴に頼まれていただけだった。直ぐに探しはしたが既に見当たらなかったし諦めて手紙を受け取ることにしたんだ。で、その手紙がこれだ」

そう言って師匠は手紙を俺に渡してきた。

すぐに手紙を広げて内容を見た。


『弟子の過去を知っている。過去が知りたいと言うなら新本学園に入学させろ』


手紙にはそう書かれていた。

新本学園って・・・また凄い所を指定して来たな。

「弟子なんてお前しかいないし、過去ってのもお前に当てはまるしな」


日之本ひのもと 大介だいすけという男がいる。彼は弱小企業を、世界で携わっていない仕事はないと言われる程にまで成長させた新本グループ総帥だ。

それ故に多忙な毎日を送っていたが、ある日総帥を息子の日之本ひのもと 好信よしのぶに譲り自身は二年前に学校を建てた。

それが新本学園である。

設備、教育が桁違いに高く、更には入学の無償化を掲げているという事で日本だけではなく、世界中から入学希望者が殺到していると聞いている。


「それで、新本学園は知っているか?」

「あぁ知ってる、結構有名になっていたからな」

「それなら説明する手間が省けたな」

師匠は愛用のナイフで髭を剃りながら言う。

それにしても・・・過去か。



俺は師匠に拾われた後の事しか覚えていない。

勿論、言葉は喋れたし常識や知識だってあった。

しかし、思い出が一切なかったのだ。

師匠の知り合いの闇医者に連れて行って貰ったが脳に異常はなく、精神性の問題だと言われた。

『何か辛い事や悲しい事、思い出したくない事があると子供は自分を守るためにその記憶に鍵をするんですよ』

もしかしたら別の理由なのかも知れないが、俺はそうだと思っている。

今でも偶に見る夢がある。

血塗れの子供がこちらを向いてずっと言うのだ。


「思い出しちゃいけない」



「さて、ここからが本題なんだが」

気が少し滅入ってしまった時に、師匠が話し始めた。

「実は既に入学手続きは終えて、お前は明日から新本学園に入学する一年生だ」

「おいおい。何を勝手に「どうせ、行くだろう?」

俺が抗議しようとすると師匠はまっすぐに俺を見て言った。

図星だけどな。

「あぁ、俺の過去が知れる可能性があるなら例え罠だったとしても行くさ」

「今回の偽の身分を作っておいた。明日から暫くはそれがお前の名前になる。

入学式は明日の9時からだ」

フッと師匠は笑ってそう言うと俺に手帳を投げ渡した。

それを掴み確認すると、幸楽こうらく 信也しんやと名前の欄にそう書かれた新本学園の生徒手帳だった。


「名前は適当に付けたのか?」

「・・・あぁ」

俺が師匠に問うと、師匠は少し間を開けて答えた。

「それと、今回俺が手伝うのはお前のためだけじゃ無い。

俺も少し思うところがあってな」

恐らく師匠は何か俺に隠しているのだろう。

しかしそれを聞くことはしなかった。

隠すということは言いたくないと思っているだろうから。

「準備ありがとな。俺は今から新本学園について調べるけど、師匠はどうするんだ?」

「行く場所があるんでな、そろそろ向かうつもりだ」

師匠はそう言い玄関に歩いて行った。

「また暫くは会えないだろう。達者でな」

「あぁ、師匠もな」

玄関を開け振り向かずに手を振りながら師匠は去っていった。



二度目の高校生活。

過去を知るのが最優先だがせっかくなんだし楽しく過ごせればいいなと思いながら、俺は情報収集に向かうのだった。










妄想全開で書いてみたいですね(笑)


殺し屋=ナイフの発想は安易(戒め

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