8
「で、頼みがあるんだけど・・・」
切り出した霧島さんが何をいいたいかはすぐにピンッと来た。
「何か小物類をプレゼントとしてつけてみたらどうですか?ドレスはレンタルでしょう?やっぱり記念に残る何かはほしいものではないですかね?例えば、サムシングフォーって知ってます?『古いもの、新しいもの、借りたもの、青いもの』これらを身につけた花嫁は幸せになれるって言われているんです。だから、私たちとしてはサムシングニュー・・・新しいものを何か差し上げるんです。新調したものならなんでもいいんですけど、一般的には白いものってことになってます。たとえば、手袋やリボン・・・靴・・・予算を考えるとリボンとかがいいかもしれませんが拍がつくのは手袋とかですかね?あとは、オプションとかでグレードアップでフラワーシャワーからフェザーシャワーに変更とかでもいいんじゃないですか?国内はまだあまり浸透していないようですし。うたい文句としては写真の写り映えを気にする人にとかで??」
気がつくと自分の世界に入ったみたいにペラペラとしゃべっていた。
なんだか我に返ると恥ずかしくなってしまいこっそりと霧島さんの顔色をうかがった。
「どうした?」
いきなり私が話を止めてしまったことを不思議がる彼
「いえ、すみません。」
かぁと顔が真っ赤になっているのが自分でもわかった。
「なんで謝る?」
顔をしかめた霧島さんになぜかあせってしまった。
「だって・・・「今のはオレが君にお願いしたんだよ?そして、すごくオレにとっていや、この企画にとっていいアドバイスだと思う。もっと自分に自信を持ちなさい。」
それが合図のようにウエイターの人がデザートを運んできた。
「さぁ、もうこの話は止めよう。でも、これだけは言わせてくれ。ありがとう君と今回、偶然でも一緒に話が出来てよかったよ。」
霧島さんはそう言うとデザートに取りかかった。