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「んっ・・・決められないのか?
ピザとパスタを半分ずつにするか?」
私が考えていることが丸わかりのようでそう告げた。「いいんですか?」
ぱぁと嬉しそうにはしゃぐ私
「かまわないよ。好きなのを選びなさい。」
クスクスと笑いながら言った彼
「一個づつ選びましょうよ。」
ねっと笑いかけ彼は頷いた。
「そういえば、昨日のアレなんだったんですか?」
カルボナーラとマルゲリーターと気まぐれサラダを頼み二人でとりわけて食べ始めた。
「あーぁ、新しくウエディング企画を立ち上げようと思ってな。
どこでも同じような企画立ち上げても料金で競争するだけになるだろ?
それならやる価値があまりないと思ってな。
だから、うちでしかないものを提案したいと思って聞いてみたんだよ。」
器用にピザを口に運び入れた。
「・・・私、そのことに関して何もいいませんでしたけど?」
もう、何も言わないから的外れなことばっかり言ったじゃないと不貞腐れる。
「そんなことないよ。今日も東別府さんに会ったけど延岡のこと感心していたよ。」
グラスにペリエを注ぎ一口飲んだ。
「・・・何を話したんです?」
微かに表情を緩めた霧島さんに対して眉を潜めた。
「特別なことはなにも?ただ、ウエディング関係に興味があって披露した知識は独学だと言っただけだ。」
さらりとどこから仕入れた情報なのか知らないがそう言った。
「否定はしませんけどね。」
きっと転勤する前に誰かの口から耳に入ったのだろうと思ったのであえて聞くことはしなかった。