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「ありがとうございます。良かったらご一緒しませんか?」
教えてもらっただけではなんだかと思い思いっきり誘ってみた。
「あっ、悪い・・この後施設の人と約束があるんだ。」
私の言葉にものすごくすまなそうにいう霧島さん
「いいえっ、気にしないでください。」
すぐに、そう言いニッコリ微笑んだ。
目上の人にこうんな感情を持っていいのかわからないがなんだかその表情がとても可愛く思えてしまった。
「おはようございます。ご一緒してもいいですか?」
朝食会場に入るとすでに食べはじめている霧島さんを見つけ声をかけた。
「おはよ。ゆっくり眠れたかい?」
スマートな動きであいている椅子をひいて座るように促した。
「はい。同じホテルだったんですね。・・・さすがにカップル率多いですね。」
キョロキョロと周りを見渡した。
12月の3連休の中日にあたる23日
「明日はイブだからねぇ・・・延岡は今日帰るのか?」
パクパクと朝食を平らげる霧島さん
「いえ、明日の予定です。霧島さんは?」
さらりとクリスマスは一人宣言をした。
「オレも明日だよ。今日は打ち合せが入ってるからな」
私の反応に苦笑いを浮かべた彼。
「・・じゃ、今日「夕食一緒に・・・」」
えっ?
自分の口から出た言葉にも驚いたが相手から発っせられた言葉を聞き更に驚いた。
驚きを隠せないまま相手を見ると相手も私に負けないくらい驚きの表情を浮かべていた。
そして二人してはっと我に返り黙り込んだ
どのくらいの時間だろうか・・・傍から見たらほんの一瞬だと思う。それでも私にとってはすごく長い時間に感じられた。