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私は、はっ?となりキョロキョロ周りを見渡し他に誰もいないことを確認すると自分を指差した。
するとコクコクと首を縦に振った。
私に気付いて私を呼んでる?
とても不思議に思いながらも私は一段一段階段を登っていった。
なんだかもったいない気がしてゆっくりと端に寄って・・・
「なに、そんなに端っこを登ってるんだよ。」
上からクスクスと笑い声が聞こえキッと相手を睨むもののまったく相手にされず登り切った私をもう一人に紹介しだした。
「延岡さん、こちらここの総支配人の東別府さんだ。」
はじめましてと挨拶をされ、私もはじめましてと答えた。
そして、視線を隣に向けた。
ちゃんと説明してほしいと・・・
すると、私の視線に気付いたのかチラッと私を見た。
が、またすぐに正面を向いた。
「きりし「将来、花嫁になるならどんな花嫁になりたい?」
突拍子のない言葉で遮られ、私は黙り込んでしまった。
「・・・二人が幸せであるならば形にこだわらないです。」
ニッコリと微笑むと二人の男性は言葉を失った。
彼が主語ナシで話しだすのは今に始まったことではない。
過去、彼と一緒に仕事をしている時と一緒だ。
だから、私はいつも彼の考えを読み取らなければいけなかった。
その時の能力はいまだ健在らしくスラスラと答えが出た。
いきなり人を呼び相変わらずの彼をいじめるのはこれぐらいにしておこう。
二人の反応に満足した私は再び口を開いた。