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「それで、霧島さんのお仕事は終わられたんですか?」
兄たちから離れたところまで彼を引っ張り私は彼に問いかけた。
「あーぁ・・・それよりいいのか?」
まだ完全に覚醒していない様子で言った。
「兄たちですか?大丈夫ですよ。今日は兄も両親もデートらしくて私一人の予定だったんです。」
ニッコリ微笑みかけどさくさにまぎれて組んだ腕に力を入れた。
「さっきの企画の川内だよな?」
バレンタインの時と同じようにちゃんとしたレストランは予約とかでいっぱいになっていて仕方なく霧島さんが泊るホテルの近くのチェーン店のファミレスに私たちは入った。
「はい、半年後に結婚するんです。今日はその打ち合わせに柚依さんのかわりに兄と行ってきたんです。」
いきなり私の言葉に口元を綻ばせた彼。
しかし私はそんな彼に気がつくことなく話し続けた。
「市内のホテルでやるんですけど、最近本当にリゾート地以外でもチャペルを構えるホテル増えましたよね。なんか、どこかのリゾート地で挙式を挙げているみたいな感覚になるんです。それに、テーブルの上とかのバルーンとかめちゃめちゃかわいくて・・・」
ついつい調子に乗ってしまいはっと我に返り顔を下に向けた。
「・・・ごめんなさい・・またやっちゃいました。」
恥ずかしさに顔が火照るのがわかりさらに顔を深く下げた。
「謝る必要はないよ。むしろ、いつもの延岡が見れて安心したよ。」
霧島さんの言葉に嬉しくなり私はぱっとと顔を上げた。
「なに笑ってんですか!?」
顔を上げるなりすごい笑顔の霧島さんに眉を寄せた。
「クスクス・・いやいや、悪い意味じゃないないよ。そういうところがかわいいなと思ってね。」




