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「いや・・・」
チラッと彼はある方向へと視線を移した。
「んっ?・・・あっ、気にしないでいいですよ。」
彼が何をいいたいか視線の先でわかり私はそのままそのことを放置することにした。
「おい、悠夏!気にするなって、あんまりじゃないか??」
視界の端で兄が苦笑いをしているのが見えたが私は気にせず彼に話しかけた。
「荷物届きました。すっごくかわいくて・・ありがとうございました。」
ニッコリほほ笑みお礼を言った。
「あっ・・・あーぁ」
戸惑い気味の彼
私はニッコリ微笑み兄に彼を紹介したの。
「こちら、企画課の元上司。今は、転勤されて本社勤務ですけど。で、こちらは11月の移動で販売課長としてやってきた・・・「あーぁ、海外から戻られた人か。
本社じゃあなたの話で持ちきりでしたよ、延岡課長・・・延岡?」
私の言葉に思い出したかのように言う彼
しかしあることに気がつき言葉を失った。
「はじめまして。延岡 悠月といいます。お察しの通り、悠夏の兄です。」
彼に手を差し出す兄
戸惑いながらも兄の手を取り握手をする霧島さん
「はじめまして、きりし・・「霧島・・課長?」
和やかに(!?)自己紹介を、しようとしていた彼の声をかわいらしい声が遮った。
「柚依、遅かったな」
その声にいち早く気がついたのは兄だった。
「柚依さん、兄のこと宜しくお願いしますね。」
兄の彼女である柚依さんが来たことにより私はしめたと兄を彼女に押し付けるように背中を押した。