4
私がどう思う?と問いてもどれでもいい。
それしか言わなかった。その態度を見てなぜ、自分の大切な結婚式の打ち合わせを妹になるといってもほとんど他人に近い私に柚依さんが頼んだかがわかった気がした。
「聞いてるのっ!!」
柚依さんとの待ち合わせ場所に向かう兄に対して大声で怒鳴るように叫んだ私。
「聞いてるよ。そう、かっか怒るよ。だから、男が出来ないんだよ。」
両手を頭の後ろに組みくるりっと振り返った兄
「・・・うるさい。」
兄の何気ない言葉にチクリッと胸が痛み、ふっと脳裏に浮かんだ霧島さんの顔を払いのけた。
そして、私は兄の足を思いっきり踏んだ。
「何すんだよ!!「延岡?」
私の言葉に殴るそぶりを見せる兄
私は慌てて防御しようと顔を腕で隠した。
その時だった・・・目の前に立っている一人の人・・・
「あっ!!」
「あ゛?」
歓喜の声を出す私とぶしつけに名前を呼ばれ不機嫌な兄と声が重なった。
「霧島さん!!」
まさか、思ってもいなかった人が目の前に立っていて私は慌てて腕を下ろしその人の前に移動した。
「どうしたんですか!?出張ですか?」
まさか会えるなんて思ってもいなかった為か声がついつい上ずってしまった。
それでも、嬉しさは抑えきれずに笑顔を彼に向けた。
「いや・・・そうなんだ。実は出張でね、ちょっと時間が出来たから連絡しようかと思っていたんだが・・・」
霧島さんがなにがいいたいのかわからずに私は首を傾げた。
「私に連絡しようとしてたんですか!?」
嬉しさ倍増で私は叫んだ。
しかし・・・彼の表情はとても硬かった。
「どうしたんですか?」
彼の腕を取り聞いてみた。