強敵な奴ほど・・・・・
「ちょ、待って!私も行く!」
「.....これは遊びじゃねえ、分かってんだろ?お前はここに残るんだ」
「いーや、私も行く!」
俺の腕を必死に引っ張って離そうとしない。
こんな時に強情になるなっ!!
「私も、行かないと、意味ないもん.....それじゃあ....」
お前......。
「~~、っんなこと言ったってお前はまだそれ使えねえだろ?!おとなしく待ってろ!!」
「それじゃあ私に、教えて」
「はあ?!」
こいつ....目が本気だ....。
「~~~~、.......」
ちっ、...んな顔すんなよ!.....あ~~、くそっ!!
「勝手にしろ!....その代わり、お前俺から離れるなよ?」
「....わかった...!」
満面な笑顔しやがって.....こいつ....。
「ひゃ?!」
「....つかまってろ」
池松をお姫様抱っこして、俺の部屋から外に出る。
「ちょ、う、浮いてる?!お、落ちる~!!」
「落ちねえよ馬~鹿。少し黙っとけ」
俺が真顔で飛んでると池松も言葉をなくした。
「こ、これ.....」
「.....あ?」
今さっきしゃべるなと言ったばかりに口を開かれて、少しイラッとして池松を見返したが、池松が見ている下に、目を落とした。
「....ああ、たぶん死魔、のせいだ」
「......」
?急におとなしくなったな...。
俺でも気付かなかった。イヤ、気付けなかった。
不意に池松の体が震えだした。
「どうした?なにがあった」
「イヤだ」
「あ?」
俺でも気付けないことがあるなんて、自分でもびっくりだった。
!!.....この気配は.....。
何で気付かなかったんだろう。
俺も感性が鈍くなってきているのかもしれない。
自分が追っていた者の気配を感じ取れないなんて――.....。
ビルの上に降りてそこからあいつを睨む。
池松は震えながら俺の黒いマントを掴み、後ろに隠れる。
「?何だお前。雑魚どもはさっさと消えろ」
低く、暗い声で遠くの場所からこっちへ移動してきた。
どうやらアイツは俺を忘れているらしい。
俺が一番憎かった“シト”と呼んでいる存在が――...。
「紫.....紫縞......く.....」
「紫縞?.....ああ、お前、あの時の生き残りか。ふっはっはっは!ふ~ん、それで?復讐って奴か?」 俺の中で、パキッと割れた音がした。
「はっ、復讐?くっだらねえ。俺はそんな雑魚じゃねえ、お前は俺がっ...転送よりも死後者としてはいずりまわるような生き地獄を見せてやる」
一瞬でシトの頬に傷をつけたが、シトは動かずにじっとしていた。
「紫、紫縞君?!」
.....やっぱアイツはこさせるんじゃなかった。
いても、厄介ごとに巻き込まれるだけだ。
シトは傷を手で確認したら、舌でペロッとなめた。
「ふ~ん、.....でも......俺を倒せるほど実力は無いんじゃないの?」
シトは話ながら紫縞のお腹を殴った。
「ぐはっっ!!」
い、つのまに.....!!
俺はぐっとかみ締めてシトの腕を取った。
「――?!」
「お、れはそんくらいじゃ駄目だな」
シトに一撃攻撃したつもりの刀は、一瞬のうちにいなくなりいつの間にか俺の背後にいた。
「人間ってくだらないな」
「やめてっっ!!」
シトが振り下ろそうとした蒐竜という刀の動きが止まった。
....池松............?
見ると、池松がシトに抱きついていた。
「.....何だこのくずは」
「私になら何でもしていいから!紫縞君を殺さないで!!」
....いけ....ま、つ.....?
驚いた。
池松がそんな風にしてまで俺を守ってくれるとは思わなかった。
何やってんだ、あの馬鹿......っ!!
「池松!!やめろ、こっちへ来い!!!」
「私は、あなたのなんにでもなりますから....お願い.....」
「...........気に入った」
論外な言葉だった。
「「はっっ??」」
俺と池松はその時初めて意気投合した。
「お前、俺のところに来い」
「は?!お、おい!!シト~~~~~~~~~~!!!」
そう言いながら、シトは池松を持ち去るようにしてどこかに行ってしまった。
う、うそだろおおお?!
大変なことになってしまった....。
ども!!長く呼んでくれて感謝しますw(^7^w そして~!
次からは池松ちゃんを主に続きます~! どうぞよろしく~(>v</!