表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

不吉なサイレン

夜中、友人と二人で奈良の高山サイレン塔跡に行きました。

街灯のない山道は真っ暗で、車を降りた瞬間、胸の奥が急に重くなりました。

土と鉄の錆びた匂いがやけに鼻につき、息をするのも息苦しかったのを覚えています。



---


塔はただの錆びた鉄骨なのに、見上げると視界の端で何かがぶら下がって揺れているように見えました。

ライトを向けると、そこには何もない。

でもまたライトをずらすと、ぼんやりと黒い何かが揺れていました。



---


耳ではなく頭の奥で、「ぼぉぉぉ…」という低い音が鳴り始めました。

風の音ではないとすぐに分かりました。

友人も聞いていたようで、小さく「聞こえるよな…?」とつぶやきました。



---


その直後、右耳のすぐ後ろで

「…まだか…」

という掠れた声が聞こえました。


振り返っても誰もいませんでした。

なのに首筋を冷たいものが撫でるように感じました。



---


ライトを持つ手が震えました。

塔の鉄骨の奥に、何かが立っていました。

白とも黒とも言えない、形が崩れたものがこちらをじっと見ているようでした。


何だったのか分かりません。

ただ、生きた人間ではないことだけは分かりました。



---


「もう帰ろう」と友人が言い、俺たちは慌てて車に戻りました。

エンジンをかけた瞬間、「ぼぉぉぉ…」という音が車のすぐ後ろから聞こえました。


ミラーには何も映っていませんでしたが、背中がぞわぞわと痺れるように怖かったです。



---


家に帰ってからも胸の奥がざわざわして、しばらく落ち着きませんでした。

夜中、ふと洗面所の鏡を見たときのことです。


鏡の奥に、自分の肩の後ろあたりに

顔が半分崩れかけたような何かが、ニヤニヤ笑って映っていました。


瞬きした瞬間に、それは消えていました。





---

後日一応お祓いに行きました。でもたまに聞こえるんです











「…ボォォォ…」と





今回は奈良県の高山サイレン塔跡です。

この場所は怖いと言うより不気味というのを強く感じました。


こうした方が怖くなるとかあったら教えて下さい

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ