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第六話

 

 昨日のあれはやっぱり夢だったのだろうか?


 千鶴から連絡があり同じマンションに住んでいる事がわかったので、待ち合わせ場所のエントランスへ向かう。


 エントランスに着くと足音に気づいたのか千鶴がこちらを振り向いた。


 金髪ロングのサラサラ髪がフワッと浮き上がり太陽の陽を浴びキラキラと光る。

 

 透き通った青い瞳が俺を釘付けにした。


 「咲也おっはー」


 「千鶴おはよ」


 「昨日寝れなかったの?目の下にクマ」

 

 「ちょ、ちょっとな⋯⋯」


 頬を赤くして俺を見ている。ち、違うからな、全然違う事想像してるからな。


 多分これを言ったら現実味を帯びてしまうのでツッコミを入れるのは止め、千鶴を見つめた。


 「な、なんだよ〜♡」

 

 「い、いや⋯⋯」


 恐ろしい勘違いをされたと思う、俺はただ昨日の女の子がやっぱり千鶴なんじゃないかと確認していただけだったのに。

 

 「学校いくぞ」

 

 「うん♡」


 エントランスを出て学校に向かう事にした。それにしてもやっぱり気になる、夢にしてはリアル過ぎたからだ。


 「⋯⋯也、咲也、咲也〜」


 「あ、ごめん何だっけ?」


 「話し聞けし、ずっと上の空とかありえんし」


 全く聞いて無かった、なんか左腕に柔らかいものが当たってるような?


 恐る恐る左に顔を向けてみた、千鶴の顔近っ! え?視線を少し下に向けてみると。 

 

 「腕組むなよ、胸当たってるから」


 「だって〜♡咲也何しても反応無いからさ〜♡」

 

 千鶴には悪いと思ったが組まれた腕を振り払った、その瞬間ムスーっと顔を膨らませこちらを睨む⋯⋯そんな千鶴を不覚にも可愛いと思ってしまう。

 

 「千鶴ごめん!話し聞くからね!ね!」 


 「うんっ♡」


 取り敢えずこの場は収まったか?これ以上昨日の事考えても意味ないし、夢って事で終わらせよう。

 

 気付いたら学校着いてるし、俺どれだけ考えてたんだ?千鶴マジ悪かった。

 

 お互い上履きに履き替え教室に向かった、今更気付いたのだが、なんか視線を感じる?注目浴びてませんか?


 先に教室に入り自分の席に着いた、頬杖を付いて空を見上げようとした瞬間。


 「咲也と桜井さん仲良くねぇか?」


 クラスメイトに声をかけられた。


 突然の事で少しびっくりしたが平常運転、冷静に言葉を返した。


 「そ、そーか?」


 「うん、距離もやけに近いし」


 「そ、そんな事ないだろ?」


 「いや、だって…」


 顎で俺の右を指した、それに釣られて俺も右を向いた。


 へ?つ、机くっついてる?何これ?理解が追い付かないんだが?


 「ち、千鶴ぅ〜?」


 「何?」


 「机くっついてるよ」


 「だって構ってくれないから」


 可愛いかよ、もう完全にキャラ崩壊してない?昨日のイメージどこいった?

 

 「なぁ二人付き合ってるの?なんか二人のやり取りカップルのそれにしか見えないんだが?」


 「つ、付き合ってねぇし!幼馴染だったんだよ!だから近いんだ!」


 「「ブハッ!」」


 「なんだよ?」


 「いや、咲也って焦ったりするのな?こんなに喋るの初めて見たよ、でもな言っておくぞ、幼馴染だからって皆が距離近くはならねぇからな!」


 「そうなの?」


 俺は焦って二人を見た、二人同時に頷いている、そのまま視線を千鶴に向けた。


 めちゃくちゃ笑ってるし、おいっ!どーすんのこれ?俺めちゃくちゃ恥ずかしいヤツ?勘違いしてた?


 顔が真っ赤になるのが分かった⋯⋯


 「咲也おもろ!」


 「「「篠崎くん意外、確かに反応面白い」」」


 外野増えてるし、どーすんのこれ?収まりつくの?千鶴フォローしろよ!横を向くがそんなつもりは毛頭ないのだろう、笑い転げているし。

 

 なんか急にどーでもよくなってきた。

 

 今までなんで距離を取ってたのか?コミュニケーション取らなかったのか?


 一限目の開始のチャイムが鳴る。

 

 千鶴が机をくっつけたままなのはほっといて俺は頬杖を付き空を見る事にした、今日も空は青いな。

 

 「来週から学力テストだからな〜」


 同時に今日一日が終わりを告げるチャイムが鳴った。寝不足もありほぼ寝ていた、来週から学力テストか帰って勉強するか〜。

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