鉄板の始まり
テンプレート乙で俺TUEEEEEが語る物語。
成分に中二病、俺TUEEEE、テンプレ乙、ご都合主義の成分が多く含まれています。
アレルギーの在る方は、服用を中止して、最寄の書店にお急ぎください。
尚、アレルギーの無い方でも、発作を起こす可能性が在りますので服用の際には強い意志を用意してください。
作者は、楽しみながら書いていますので、他の人が見ると寒いだけの小説の可能性が高いです。
以上の注意をお読みの方のみが閲覧をしてください。
「俺が、、、、俺が、、、神だッ!」
白昼夢を見ていたような、あやふやな記憶を手繰りよせながら、自分の最期を思い出していると、視界全体を覆っていた霧が晴れていた。
そして、その中心にはガッツポーズ?らしきポージングを決めながら、こちらを自信満々に見ている、神?が居た。
初めての神?との遭遇にシゲシゲと感心していると、期待の篭った眼差しを向けられている事に気がつく…。はて…?
「ぉぃぃ?そこは嘘だッ!とか、神様って何さ!?とか慌てる所だろぅ?何故に無反応ですか?」
嘘だッ!の所だけ無駄に力を入れながら、こちらに歩いてくる神様?は、その途中に今度は、ガッツポーズから、所謂『お手上げだぜ』的なポージングを決め『やれやれだぜ』とでも言いたげに首を大袈裟に振っている。
話しかけるのもちょっと躊躇う位の、変態スメルがするけれども、目を覚まして数分、歩いたりしながら周囲を見渡したが、人っ子一人おらず、手に触れる事が出来るのでは?と思うほどの濃霧が晴れているのは、自分と変態の周りだけ…。
「孤立無援…」
「べ・・・・別に取って喰おうなんて思ってないんだからねッ!あんたが心配で助けに来た訳じゃないんだから!仕事!そうよ!仕事なんだから!仕方なくきてあげただけなんだから!」
思わず出てしまった小言に返ってきたのは、どう反応したらそんな返答が返ってくるのだろう?と首を傾げてしまうような、返事だった。
ポージングは、『お手上げだぜ』と『やれやれだぜ』から変化し、肩に平行して挙げられていた掌は、腰に当てられ、踏ん反り返るようにして
顔は、明後日の方を向いて真っ赤だった。
「凄く鬱陶しい…」
なまじっか顔の造詣が丹精なだけに、テンションの高さが余計に強調されている形になって、とても残念な事になっている。
但しイケメンに限りという、文言は万物に通じる訳では、無さそうだ。
「おーけーおーけー!ツレない態度にも俺は、負けないよ?神だし?何時かフラグを建ててデレデレにしてやんよ!」
「サブキャラ扱いなので攻略対象ではない」
「ゆ・・・・友情ENDは?」
「仕様上不可」
「チクショオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!絶望した!公式でキャラ絵見て、胸キュンした未亡人の義理の母が攻略対象外の時だった位絶望したァァァァァ!!」
サンプルCGで三枚も出てたからイケると思ったのに、等と叫びながらゴロゴロと頭を抱えて転がる様は、異様な雰囲気を醸し出し、スポットライトの如く、転がる先の濃霧だけが晴れていくのは、丸で蜘蛛の子を散らしたかのような有様だ。
本来ならこの隙に…と思うところだが、実際の所、ホワイトアウト、と表しても過言でもないような濃霧に辟易してもいたので、ぼーっと眺める事しか出来ない。寧ろ進んで声を掛けたくは無い。
「済まないな!久しぶりの人間との会話で、ちょっとテンションが挙がってしまって見苦しい所を見せてしまった!」
一寸…?と突っ込みたいところだったが、またぐるんぐるん回られても困るので、飲み込んでおくことにする。
「それで、俺は、これからどうすれば良い?」
「そう!それ!それなんだよ!多忙すぎて、机と椅子に同化するんじゃね?って位、忙殺!文字通り死に掛けてた俺が、今!このフリーダムを満喫出来るのは!この事態を改修する為にきたのだよ明智君!」
そう言いながら感極まったのか、神?は、天を仰ぎながら『矢張り自由は、イイ!』『机と椅子が恋人!?フザケンナ!パッキンボイン天使のねーちゃんが居るのに手が出せない!?神は死んだのか!?』等と言いはじめる。子供には見せてはイケない図の一つだろう。
そんな放送コードに引っかかりそうな、神?はスルーして話を進める事にする。
「ツマリ、本当に在るかは、知らないが天国にしろ、地獄にしろ貴方が連れて行ってくれる、と」
神が居るのだから、まぁ天国はあるのだろう。丸っきりフィクションや宗教の世界だと思っていたのだが、現実に在るよ!と突きつけられるとどう反応したら良いのか困る。しかし、神のお迎えという位なのだ、VIP待遇を期待しても良いのだろうか?
「うむ、本来なら魂の選別で、どちらかに別けられ輪廻転生の順番が来るまで過ごす事になるのだが…。」
私の問いかけに、何も無かったかのように振り向いた、神?は意味ありげな笑みを浮かべながら、丹精な顔の前で指を『な・の・だ・が』とでも言いたげに振っている。圧し折ってくれようか…。
「な・の・だ・が!通常、死んだ場合に現れるのは、ここでは無い。君も日本人なら、聞いたことがあるだろ?『三途の川』と呼ばれる物を、その川岸に現れるのだよ。普通はね…。」
意味ありげに『ふふふ』と微笑む姿は、二次元から抜け出たように不確かで、それでいて現実味を帯びているような、不思議な印象を放っている姿と相俟って神々しさを感じる。かもしれないが、ファーストコンタクトが失敗に終わっている今、滑稽にしか見えなかった。
一目惚れとは、第一印象の格好の良さだよ。と初恋を失敗に終わらせ落ち込んでいる私に、祖父との馴れ初めを盛大な惚けを交えて話してくれた祖母の言葉が思い出される。凛とした祖母が惚ける姿は、無慈悲に傷心の私に〆の一撃をくれたのだから忘れようが無い。
「では、何故、君が此処に居るのか?それは、だね。」
思い出に耽っているのをどう捕らえたのか、ドンドンと神?は、芝居がかっていっている。既に当事者というより、第三者的な視線になってしまっている私の個人的な感情としては、親しい友人が自信満々に見せてきた、手品の種を知っていて、どう反応すれば良いのか…という葛藤に、似た感情が渦巻いている。
そんな自己分析に、思考を割いているのを尻目に、神?の演説は佳境に入ろうとしていた。
途中、現在の仕事場の愚痴や世界情勢の不安や贔屓の野球チームの不信などに言及しているのは、矢張り、校長然り、社長然り、偉い人は話が無駄に長い事の証左なのだろう。
「で、在るからして!この『白亜の空間』にやってくる人は要するに、世界の迷子なのである!『白亜の空間』って俺が付けたんだけどどーよ?」
「微妙」
何処から何処までもが、濃霧で真っ白だから『白亜』は悪くは無いと思うが、安直過ぎる。
「……。まぁ良い、前衛芸術も評価されるのは、時間が掛かるからな。さて、ここまでの話で質問はあるか?」
「要約すると、此処に来る人間は、差異はあれども『世界』という枠に囚われない、要らない子だから、輪廻転生という世界のシステムに弾かれたと…」
「少し自虐的な表現だけど、大まかに言えばそうだな。」
白亜の空間というより、魂の墓場だろうか?
墓場に送られる程、波乱万丈な人生を送っているとは思わないが、それは関係ないのだろうか?
色々と疑問は尽きないが、大事なのは『これから』である。終わってしまった過去は、諦めてしまおう。私の存在を消すというのなら、それも由、既に一度死んだ身である以上、諦めるのは容易い。
「だが、状況を鑑みるに、何かある…っか」
「おふこ~す。思考を読んだ訳じゃないが、想像通りで間違いないと思うぜ?『存在は消せない』これが世界のルールにあるんだよなぁ。人間という存在の『魂』という形が最小単位だと思ってくれて良い。この『魂』を昇格したのが『神』だとかの文字通り『上位存在』として考えるとその上に『世界』って言う意思の作ったルールがある訳だ」
「ふむ?では、私も昇格して『上位存在』とやらに?」
世界の意思だとか、ルールだとか詳しく聞いてみたいのだが、『それはそいうものなのだよ』と言われたら元も子も無いので黙って先を促すが、胡散臭い笑みを浮かべている神?は、『のんのん』と指を振りながら自慢げに仰け反っている。いい加減鬱陶しさが目立ってきた…。
「いいえ、、、、、君には、今から異世界に飛んでもらいます!!!」
「テンプレ乙」