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002 子供心の大切さ




 あなたは契約と聞いた時に何を思い浮かべるだろうか?

 スマホ代、電気代、光熱費うんぬん……。

 契約することで人は定められた恩恵を受けられる。ただし、契約には代償が必要だった。

 その代償を支払うために人はスキルを身につけて、企業という名のフィールドで戦い、時には上司やパーティーリーダーと対立しながらも、役職のレベルを上げようとするだろう。


 しかし、ある時からレベルの向上による恩恵が減ってしまった。

 どんなに頑張っても、お賃金が上がらなくなってしまったのだ。

 これにより人々はレベルアップへの意欲を失い、失われた時代を過ごすことになったと言われている。

 失われた時代は、まるで積層式のダンジョンのように、終わることなく、世代を重ねながら広がり続けていた。


 そんな与太話は横に置いておいて、田原清士郎という男の状況を見てみよう。

 彼はだらしなく公園のベンチに座り、青空を仰ぐ。なぜ俺はこんな状況に陥っているんだろうかと考えていた。

 ラーメン屋で後輩の極楽寺レモンと共にラーメンを食おうとした清士郎は、そこでラーメンの妖精と出会った。

 ついでにチャーハンの妖精と卵スープの妖精も出てきた。このまま行くとギョウザの妖精も出てきそうな勢いだ。


 妖精たちは口々に言う。自分と契約して、世界を救って欲しいと。

 愕然としていた清士郎だったが、彼は再び立ち上がることを決意する。

 なぜなら彼は、他人から恩恵を受けることを信念としているからだ。

 オゴりオゴられ、世は全てこともなし。出会いはタカりの始まりと考える清士郎は、妖精から何をオゴられようかという、彼なりの健全な考え方にシフトしていた。


「それで、えーと、ラメちゃん?」


『はい。なんでしょうか?』


 ラメと名乗ったラーメンの妖精に対して清士郎は問いかけている。

 なお、清士郎はベンチの背もたれにもたれかかっていて、顔を上空に向けていた。

 妖精ラメは半透明の身体で清士郎の頭の上に浮かんでいる。

 やる気を感じさせない角度で対面しながら、清士郎は言葉を続けた。


「世界を救って欲しいとか何とかって話、本気なの?」


『もちろんです』


「もちろんなんだ」


 もちろんってなんなんだろう、不思議な言葉だなと現実逃避しかけた清士郎だったが、そんな事をしても誰も何もオゴってくれないので止めておく。

 さっきまで一緒だった彼の後輩は、大学の講義がある時間なので別行動を取っていた。

 つまり清士郎は一人で公園のベンチにもたれかかりながら、一般の人には姿が見えない妖精と会話をしているワケだ。

 傍目から見たらスゲー人に見えるんだろうなぁと思いつつ、清士郎は首を横に振って、そこに浮かぶ別の妖精たちに視線を向けた。


「キミたちも同じなのかな?」


『その通りだぜい!』


『…………』


 元気よく叫んだのは、チャーハンの妖精のハーンだった。

 一方、無言の返事をしたのは卵スープの妖精だ。

 和服を着た童女のような見た目をした彼女は、表情の変化が極端に少なくて、何を考えているのか分からない。

 世界がどうこうという壮大な契約の話をされるのもツライけれど、無言を貫かれるのは別の意味でツラかった。


 清士郎は、押し黙ったままの卵スープの妖精に対して心の中でツッコむ。

 せめて会話しようよ。目的すら分からないじゃん。

 もしも最初に出会ったのがこの子だったら、俺は卵スープを飲んで卵スープ妖精マンになっていたのだろうか。二度と人間に戻れない身体になっていたのかもしれない。

 知らない間に人間を卒業する可能性があるとか、世の中はダイナミックに出来てやがると、清士郎は思った。


 それにしてもどうしたものかと彼は思案する。

 妖精たちと契約をしちゃったものの、何をどうすれば良いのか分からない。

 いや、やるべきことの一つは既に決まっている。

 それは世界を救うという契約について、目標のハードルを下げる事だ。


 清士郎きよしろうは、目標というものは下げようと思えば下げられると考えていた。

 清掃活動のボランティアに対し、3時間やるのと15分やるのでは全然違うけど、どちらも清掃活動という点では同じだ。

 それと同じように、何をもって世界を救うのかという事も、出来うる限り基準を引き下げられると信じていた。

 ちょうどそのための作戦も思いついた所だ。ベンチから立ち上がると、清士郎は妖精たちに提案した。


「ちょっと今から世界を支えてみせるから、見ててくれるかな」


 そう言うと清士郎は、ポケットの中のモノをベンチの上に置く。

 そして、その場で逆立ちを始めた。

 この人は一体なにをしているんだろう、みたいな目を清士郎に向ける妖精たち。

 周りからの視線を意識しながら、清士郎は逆立ちした姿勢のままで告げた。


「ど、どうだ?」


 それは妖精たちにとってみれば意味不明の発言だっただろう。およそ一般的な人であってもワケがわからないと思われる。

 一体、田原清士郎は何を言っているのだろうか。

 ラーメンの妖精も、チャーハンの妖精もポカーンとした目で清士郎を見ている。

 卵スープの妖精はあどけない笑顔を浮かべていた。彼女が何を考えているのかは私にも分からない。


 とにもかくにも、妖精たちは考えた。

 清士郎がやっているのは逆立ちであって、それが地球と何の関係があるのだろうか。

 妖精たちのシンキングタイムが進んだことを読み取ったのか、清士郎は逆立ちするのをやめて、その場にスクッと立ち上がった。

 自由になった両手を使って地球の円形を表現しながら、先ほど彼の行動にまつわる論理を説明し始める。


「いいかい? 俺の考える世界ってのはおおよそ、地球全体ってことになる。そして地球は丸い」


 ふむふむと頷くラーメンの妖精とチャーハンの妖精。

 何故かニコニコと微笑んでいる卵スープの妖精。

 俺の言葉は妖精にちゃんと通じてるんだよな、と心配しつつも、清士郎は解説を続けた。


「宇宙に浮かんでる、まんまるの地球の姿を考えてみよう。そこには上下なんて存在しないはずだ。円形のどこが上でどこが下とか無いでしょ?」


 そうですね、と返事するラーメンの妖精。

 ふむふむと納得した表情のチャーハンの妖精。

 卵スープの妖精は先ほどと変化がなく、今も笑っている。

 反応の変化が欲しいなぁと思いつつ、清士郎は彼の目論見の最後の部分を伝えた。


「上下の概念が成立しないんだから、俺が逆立ちすると地球を支えている構図にもなる。つまりさっきの俺は、世界を支えていたと言っても過言ではない」


 その考え方はまさに発想の逆転だろう。

 地球の上に乗っているということは、自分の下に地球が乗っかっているという事でもあるのだ。

 言葉遊びにも似たその論理に対し、チャーハンの妖精は真剣な顔をした。

 そして鋭い視線を清士郎に向けながら言った。


『ニイちゃん、その考え方は無理があると思うぜい』


 妖精は純粋なので基本的に不真面目な態度を嫌うのだ。

 しかし清士郎は、その言葉を待ってましたとばかりに笑う。

 傍から見ていると若干ウザいと感じる顔だろう。

 ウザイマン清士郎は妖精たちに向かって答えた。


「そうなんだよ、俺の言っている事には無理がある。一人の人間で地球を支えるっていう考え方自体に無理があるんだ。傍から見たらバカにしか見えないと思う」


 清士郎は、一人の人間が地球を支える事を否定する。

 それは、彼自身が地球を支える気が無いと言うことを暗に示していた。


「地球とか世界とか、一人の人間で救うようなもんじゃないと思うんだ。だから俺一人じゃ世界は救えない。一人で世界を救えると考える人間がいたとするなら、俺はそいつの考え方を否定する。バカげたことを考えるのは、やめなさいってな」


 清士郎は、一人の人間によって世界が救われる事を否定する。

 それは、彼自身が世界を救う気が無いという事を暗に示していた。


「世界を救うとすれば、みんなのチカラで救うものだと思う。一人で背負ったり、勝手に悩むんじゃなくて、周りの人のチカラを頼りにすることが大事なんだ。俺はそう信じている」


 清士郎は、周りの人を頼るという事を理想としていた。

 それは自分の力を頼らなくても良いという考え方でもあるからだ。

 一人ではなくて、みんなでやっていこう。

 そうすれば、こう、何もしなくても周りが上手いことやってくれるかもしれない。


 清士郎は信じている。俺が何もしなくても地球は回り続けるだろう。

 だから俺が頑張る必要はない。

 その清々しいまでの他力本願さは、ある意味で芸術の域に達していると言えるかもしれない。

 ラーメンの妖精、ラメが清士郎に対して感動の目を向けている。妖精は良くも悪くも純粋なのだ。

 こうして清士郎が順調にハードルを下げていると、いきなり乱入してくる男がいた。


「話は聞かせてもらったよ!」


「うおっ!?」


 横から突然に話しかけられた清士郎は、驚きの声を上げる。

 そこには知らない男が立っていた。

 年齢は二十代前半か後半くらいだろうか。メガネをかけたスーツ姿の青年だ。

 一見して隙の無いフォーマルな社会人に対し、なぜかペテン師という言葉を連想しながら、清士郎は質問する。


「ど、どちら様でしょうか……?」


「僕は立花左京。日本のこれからをうれえる者であり、そういう意味ではキミが指摘する所の、バカげた考え方の持ち主と言えるかもしれないね」


 そして、と前置きしてから口上を続けた。


「『日本を開花させる会』に所属する者だ」


 立花左京たちばなさきょう

 そして日本を開花させる会。

 どちらも清士郎には聞き覚えが無い名称だった。


「ふふ、その顔から判断すると、僕が何者なのか気になっているんだろう?」


「…………」


「聞こえないフリをするのはヤメることだな! この距離でそれは無理がある!」


「あっ、ハイ」


「話しかけてるんだから会話はしようよ!? 人としてのマナーの基本のキだよ!?」


 このままだと僕は悲しくなるぞ、そうなっても良いのかと喚く左京。

 清士郎は面倒くさそうに答えた。


「すみません、死ぬほど怪しいと感じたもんで、つい」


 正直、関わり合いになりたくないなぁと思う清士郎。

 真正面から怪しいヤツだと言われてしまった左京は、意外にも気を悪くした様子が無い。

 むしろ彼自身もネーミングに思う所があったのか、ガックリと肩を落としながら呟く。


「僕だって本当は、もっと歴史的な名称にちなんだ組織名を付けたかった……」


 メガネの奥に悲しみを隠す左京。

 その悲しみを少しだけ打ち明けるような素振りで続けた。


「だけどね、上手くいかなかった。他の団体で既にさんざん使われていたからね。この世の中は早い者勝ちなんだよ。後出しのネーミングは類似品扱いさ。そこで後の先として、仕方なく、文明開化からフレーズを拝借したというワケなんだ。それもいつの間にか花の開花と関連付ける方向になってしまってね。僕の意見なんて誰も耳を貸してくれなかった。多数決ってそんなものだよね」


「よく分かんないんですけど、組織内で孤立でもしてるんスか?」


「名前なんてどうでも良いと思わないか?」


 左京は、メガネのあたりから妙な迫力を漂わせながら言う。


「思ってくれよ。キミなら出来るはずだ。名前じゃなくて中身が大事なんだ。そういう考え方が出来る人こそ、知恵を持つ人間だと僕は思うよ」


 そんな事を言われても名は体を表すと言うし、正直ヤベー中身しか予想できないなぁ、と清士郎は思った。


「それで、開花したいとかしたくないとか言うタチバナさんは、俺に何か用でもあるんですか?」


「用と言うほどの事でも無いんだけどね……」


 スラリとした指先を伸ばす、わざとらしさだけが溢れる優雅な仕草。

 そんなムダな動き発揮してメガネの位置を直した後、左京は言った。


「キミの言葉が魂に響いてしまったんだ。キミの未来と僕の過去は交差するのかもしれない。ハハ、こういうのって運命に導かれたとでも言うのかな?」


「……?」


「ちょっと待って、今の無し! やり直しさせて!」


 空気を読んで、先ほどの発言を取り消そうとする左京だったが、時既に遅し。

 意味不明の発言をした代償として、清士郎からの信頼を失いつつあった。


「そんな冷たい目を向けないで欲しいかな! 僕の言い方も悪かったかもしれない! カッコつけた出会いを演出してみたかったんだよ、わかるだろう!?」


「いやぁ……」


「わかれよ! 分かるはずだ! 大人になっても忘れない子供心の大切さ!」


 左京が主張している子供心の大切さに納得したのか、それとも良い大人が必死になる姿に説得されたのか、清士郎は再び対話の姿勢を示す。

 一方の左京は、老衰しきったサバンナのライオンみたいな疲れた仕草で、乱れたメガネの位置を直すと、堂々とした声で言う。


「僕は妖精が見える側の人間なんだ」


 その言葉を証明するように、左京はラーメンの妖精たちに視線を向けた。


「僕は彼女の呼びかけに応えてココに来たんだよ。彼女はキミのトモダチなんだろう?」


 左京の視線の先には、ラーメンの妖精の姿があった。

 清士郎から見つめられ、ラーメンの妖精、ラメは語り出す。


『私はラメ。私はラーメンとあなたをつなぐもの。そして世界とあなたをつなぐもの。あなたと世界をつなぐために、私は様々なヒトの心に、直接語りかけることが出来ます』


 色々と言いたい事があった清士郎だったが、とりあえず一番聞きたい事を口にした。


「今の話にラーメンのくだりは必要なのかな?」


『私が心に直接語り掛けるためには、対象となる人物に相応のラーメン強度を必要とします』


「ラーメン強度……?」


 一瞬だけラーメン強度について考えようとした清士郎だったが、やめておく。

 深く考えても太麺派と細麺派がケンカを始めるだけだろう。

 気を取り直した清士郎は他の妖精にも確認を取っていく。


「そこのチビッ子。ハーンくんだったかな?」


『なにか用か! ニイちゃん!』


「キミもその、なんたら強度を必要としてるの?」


『オイラが語りかけるためにはチャーハン強度が必要さ!』


 チャーハン強度ってなんだよ。

 ラーメン強度以上に強度の定義がわかんないよ。

 米か? 米粒のアレ具合なのか?

 色々と言いたい事があった清士郎だったが、そこはグッと耐えることにした。


 話が前に進まないからだ。

 立ち止まらなければ前に進める。

 もしかしたら泥沼に向かって進んでしまっているのかもしれないけど、とにかく状況は変えられるハズだ。

 こんな所に立ち止まっていられない。その考え方の下に、清士郎は確認を続けることを決意した。


「そっちの、え~っと、卵スープちゃん」


『…………スウ』


 この子に至っては会話が成立しないねえ。強度の概念がどうこう以前の問題だねえ。

 早くも立ち止まりたくなった清士郎だったが、彼は想う。

 こんな事は慣れていると。

 清士郎は考える。ラーメンの妖精の名前がラメ、チャーハンの妖精の名前がハーンだ。今までの妖精の名前の法則から考えると、


「ひょっとしてキミの名前は、スウちゃんっていうのかな?」


『…………』


 卵スープの妖精は、黙ったままニコリと笑う。

 とりあえず笑い返してみる清士郎。

 なにか言ってくれるかな~と待ってみるけど、卵スープの妖精は微笑むばかりで何も言ってくれなかった。

 こういう子が一番苦手なんだよ。清士郎は心の中で泣いた。


 しかし良くない。清士郎は心の中で泣いている場合では無かったのだ。

 それは立ち止まることと同じであり、立ち止まれば隙が生まれる。

 隙を見せたのが悪いと言わんばかりに、左京が清士郎に話しかける。

 清士郎は太陽の光が降り注ぐ公園の中で、見えない泥沼にハマりつつあった。


「僕らの出会いは偶然ではない。惹かれあっているのさ。妖精がいて、世界が救われるとすれば、そこには必然性がある。キミと僕を結ぶナニカのようにね」


「必然性にも濃いのと薄いのがありますよね」


「それは暗に僕と縁があるのが嫌だと言っているのかな?」


「…………」


「笑ってやり過ごそうとするのは、肯定する事と同じだと思うよ」


 どこか力尽きた感じがある声で左京は言った。

 そのまま、やれやれだと言わんばかりの態度で言葉を続ける。


「まあ良いさ。キミがそういうタイプの人間だというのは分かっていたよ。実を言えばキミの事は以前から知っていた……ちょっと待って、そんなドン引きした顔をしないで? 違うからね? 僕はヤンデレ眼鏡でもないしストーカー眼鏡でもないよ?」


 左京は少し慌てた様子で一気に説明をする。

 少しでも説明を追加投入しないと、誤解が加速しそうだったからだ。


「これは知っていたかな? 実は妖精には独自のネットワークが存在するんだ。目に見えない、妖精同士のネットワークだね。まあ、普通にインターネット回線を利用してることもあるんだけど……」


 清士郎は、左京の話の真偽を確かめるためにラメを見る。

 視線を向けられた妖精ラメは、こくりと頷いてみせた。どうやら本当の事のようだ。

 それにしても妖精がインターネットを利用するのかよ。

 それって上手く言えないけど反則じゃないかなぁ、と感じている清士郎の前で、左京による解説が続く。


「不可視のネットワークの全体像は僕も知らない。だけどそれは確実に存在しているし、僕はそれを利用してもいる。僕が触れているネットワークの中では、キミの事は昔から知られているんだよ。キミは妖精たちの間の人気者と言ったところかな」


「それってマジメな話っすか?」


「真面目な話だよ。そうでなければ、この僕がわざわざ話しかけることはあり得ない」


 キミも大変だね、と左京は言った。

 そこには、同じ目標に向かって進む人間への思いやりが含まれている。


「僕に言わせればキミは、もうずっと前から中心人物の一人だったよ。この世界は変わろうとしている。今さら無関係を気取れるとは思わない方が、おススメかな」


 すなわち、この世界の転換と無関係ではいられないと言う事が、左京が指摘する運命や必然性だった。

 清士郎は妖精ラメや妖精ハーン、そして妖精スウの顔を順番に見つめる。

 世界を救うという約束が何を意味しているのかは、今も分からない。

 それでも、左京の説明を頭の中で繰り返しながら清士郎は言葉を紡ぐ。


「その妖精たちのネットワークとか言うヤツが本当で、俺が妖精たちの人気者って事も本当なら……」


 清士郎は真剣な目を左京に向けた。


「俺が妖精向けに動画配信したら、メッチャ再生数が稼げたりしますかね?」


「……うん、まあ、良いんじゃない? 試しにやってみれば」

 

 僕は試してみたことは無いかな、と呟く左京。

 妖精が顕現けんげんしつつある時代において、世界は変わろうとしていた。





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