3 仲良し
仲良し
「悪魔ナンバー 0123456789」が夕食を作る。
ず~とユタカが「悪魔ナンバー 0123456789」を見ている。
「悪魔ナンバー 0123456789」がユタカに聞いてみた。
「何を見てるの?」
「みすずちゃん、可愛いな~! ず~と見ていても飽きないな~。」
「ウフ。 そんなに褒めても、料理しか出さないぞ!」
【 え~い、長い! 「悪魔ナンバー 0123456789」、、自分で設定したが、やたら名前が長い! もうこれからは「みすず」でいこう。】
料理が並ぶ、テーブルから溢れそうである。
「もっと大きいテーブルを買おうか?」
「テーブルを大きくすると、ユタカと離れちゃうからヤダ!」
「あ、ありがとう、 みすず・・・」
ユタカの目から涙が溢れた。
こんな嬉しいことを言ってくれる子と別れたくなかった。
「泣いたらイヤ!」
みすずがユタカに抱きついた。
そのまま、二人は唇を重ねた。
キスをしてしまった。
悪魔が人間とキスをしてしまうと、悪魔はその人間の所有物に一時的になってしまうのである。
大体、1日くらいである。
普通、悪魔は人間の心を乗っ取って悪いことをさせるのである。
しかし、キスをしてしまうと一時的ではあるが、人間の所有物、その人間の為に頑張るようになってしまう。
悪魔にとっては、最悪のパターンになってしまうのである。
「ユタカ~! 温かいうちに食べようよ~。」
みすずの元々優しい喋り方は、優しさに「甘さ」が上乗せされてしまっていた。
何を食べても美味しかった。
みすずは天才的に料理が上手なのである。
真面目だから?
夕食の時、みすずはビールを飲んだ。
ユタカはノンアルコールだった。
ユタカがアルコール類を飲まないのを知ったみすずは、ビールを少し遠慮して飲んでいた。
500ml缶を2本、、あまり遠慮していないのかな?
狭いキッチンだが、二人で片付けると、やっぱり早い。
居間にお茶を持ってきて、ゴロゴロする。
たまに顔が近付き過ぎて、キスをしてしまう。
もう、お茶どころではない。
クドクド説明するが、悪魔が人間とキスをしてしまうと、悪魔はその人間の所有物に一時的になってしまう。
効果は、大体、1日くらいである。
効果のある間にキスをすれば、そこからまた、1日くらい効果が持続する。
しかし、二人ともアレはしたことが無い。
そんな訳?で、この段階では、キス以上に進むことはなかった。
「お風呂に入る?」
ユタカが聞いてみた。
悪魔である、、風呂など入ったことはない。
「う、うん。」
可愛く答えてみた。
「じゃあ、お湯を入れるよ。」
ユタカが風呂場に行くと、みすずも付いてきた。
みすずは、風呂など見たことがなかった。
「こんなの、授業になかったな?」
そう言う事である。
「お風呂、先に入る?」
ユタカが聞いた。
「ユタカから入って。」
みすずは、風呂の入り方など知らないのである。
脱衣場でユタカが服を脱いで、風呂場に入っていった。
コッソリ、みすずが覗いていた。
「そうか。 裸で入れば良いんだ。」
みすずは着ていたものを脱いで、風呂場に入っていった。
後ろで風呂場の扉が開いたが、丁度シャンプーの為にシャワーを使っていたので、ユタカは気付かなかった。
急にシャワーヘッドが無くなった。
みすずがユタカの為に、持ってあげたのである。
「え? 一緒に入るの?」
「良いでしょ。 仲良しなんだから!」
お風呂に入った事の無いみすずは、どうやって身体を洗うのか確認したかった。
悪魔は風呂など入る必要は無かった。
悪魔の世界は年中気候が良く、着ている黒いダボダボの魔法の服は、身体の汚れを吸収していたのである。
身体以外の顔や手は、近くにある魔法の黒いタオルで拭けば、簡単に綺麗になったからである。
ボディタオルでユタカが背中を洗おうとした時、みすずはボディタオルを取り上げ、背中を洗ってあげた。
大体の洗い方を理解したのである。
「あ、ありがとう。」
ユタカに言われて、道徳の教科書にあった通りに言った。
「どういたしまして。」
シャワーでみすずがボディソープを流してあげる。
ユタカの前側も流そうとするが、股間を押さえて拒否された。
強引にユタカの手をどけてシャワーで流してあげた。
性教育の教科書にあった男○○にしては、柔らかい。
「こんなんじゃ、女の○○には入り辛いじゃん!」
思っただけで、声には出さなかった。
ユタカの男○○を握っていたら、ムクムクと大きく固くなった。
「うわ~! 面白い。 大きくなるんだ?」
みすずの率直な感想である。
慌ててユタカは浴槽に入った。
今度はみすずが洗い始めた。
まずシャンプーから。
短めの髪だが、濡れた髪が顔に掛かって周りが見えない。
手探りでシャンプーを探していると、手のひらにシャンプーボトルがのせられた。
「ありがとう。」
そう言って髪を洗った。
タオルで拭いて終わらせようとすると、手のひらにシャンプーでないものが渡された。
買い物に行った時、買っておいた女性用リンスである。
シャンプーだって初めてなのに、リンスなんて使ったことが無い。
ササッと、容器の説明文を確認して、その通りにしてOK!
髪をタオルで拭いて、髪を纏めてタオルで巻いた。
以前、教育担当の水鏡に女性週刊誌が映っており、写真の女性がそんな感じだった。
みすずがユタカを見ると、そっぽを向いていた。
ただ、やたら顔が赤かった。
「恥ずかしがっているのかな?」
女の裸を見ると、男は興奮すると、何かに書いてあったような・・・
ザバ~っとユタカが湯船から上がった。
身体が真っ赤である。
「もう、身体中で恥ずかしがって・・・」
みすずはそう思った。
そうでは無い。逆上せたのである。
「も、もう上がるよ。」
ユタカが言ったが、みすずが許さない。
「え~! あたしの事も洗ってよ。」
「何なんだ、この女は?」 と思うより、ユタカは倒れそうだった。
換気扇を回し、冷たい水で顔を洗って、水道の水を飲んで一安心?
お風呂用の椅子に座っていると、みすずが前に立った。
週刊誌に載っていた、どのヌード写真より綺麗だった。
「ま、前側はやっぱり自分で洗おうよ。」
「そう?」
アッサリ納得されて、ユタカは安堵のため息をついた。
ちょっと古い一戸建てである。
無駄に風呂場が大きい。
有り難い?ことにみすずが向こうをむいて身体を洗っている。
「は~い、前は洗ったから、背中、お願いね!」
ボディソープで泡だらけのボディタオルを渡された。
背中を洗い終わった時に、みすずが立ち上がった。
ユタカの方を向いて、ユタカを立たせ、抱きつかれた。
「ほら! ユタカも泡だらけ!」
「大丈夫か? この女?」
そう思ったが、身体は正直である。
男○○が立ち上がってしまった。
「ふふふ・・・、 あたしと抱き合って興奮した?」
「あ、当り前だよ。 こんな可愛い、スタイルの良い子と抱き合ったら・・・」
みすずは二人いっぺんにシャワーで洗い流し、二人で湯船につかった。
「ね、ユタカ! 明日も一緒に入ってね!」
「う、うん。」
二人で身体を拭いてお風呂を出た。
抱き合っただけで、何も無かった。
みすずは、買い出しの時に買っておいたパジャマを着た。
バイパス沿いの田舎のスーパーなので、何でも売っていた。
「ユタカと同じ、Tシャツと短パンの方が良いな~。」
みすずが口を尖らせて文句を言った。
「じゃあ、僕ので良ければ明日からそうしなよ。」
「うん、そうする。」
居間でゴロゴロしながら買ってきたペットボトルの水を飲んだ。
二人で洗面所で歯磨きをした。
みすずは歯間ブラシなど知らなかった。
ユタカが見本を見せた。
「みすずは、歯も歯並びも綺麗だから、これからもシッカリ磨こうね。」
褒められたので、嬉しく答えた。
「ユタカと一緒に歯磨きすると、もっと綺麗になっちゃいそう・・・」
歯磨きが終わって、ユタカがみすずに聞いた。
「ぼ、僕はベッドで寝るけど、みすずの分は布団を敷いておくね。」
「ありがとう。」
部屋の電気を常夜灯にして、ユタカはベッド、みすずは布団で寝た。
ユタカが夜中、背中に気配を感じた。
振り向くと、みすずがしがみついて寝ている。
可愛い。
しかし、お風呂の時にあんなに大胆なんだから、彼氏とか男がいるんだろうな。
そう思ったら、悔しかった。
悲しみもあったが、何故か猛烈に悔しかった。
抱き締めてしまった。
ボディソープではなくみすずの匂いがした。
香りと言ってしまおう。
大好きな、懐かしいような・・・
深呼吸をすると、意識が遠のいた。
スマホの目覚ましでユタカが起きると、みすずはいなかった。
夢だったのか?
リアルな夢だったな?
そう思っていると、キッチンから音がした。
キッチンを覗いてみると、ユタカのTシャツに短パンを着たみすずがいた。
みすずはユタカよりちょっと身長は低いが、170cmは越えているようだった。
それよりユタカが驚いたのは、足が長い事である。
昨日、風呂場でみすずの裸を見た筈ではあったが、ユタカは違うところに目がいっていたのである。
「お、おはよう。 早いね。」
そう言うと、みすずから嬉しい?返事があった。
「ユタカ! おはよう。 お弁当、作っておいたよ。」
顔を洗い、みすずと楽しい朝食をして、可愛い布でくるまれたお弁当を持って、車で出掛けた。
因みに、食後は二人で歯磨きをしています。
二人とも、真面目です。
出掛ける時、玄関から出る前に、結構、濃厚にキスをされた。
ユタカの股間は、ちょっとヤバかった。
車での通勤でなかったら、出掛けられなかった。
ユタカの仕事は建築会社の現場担当である。
ついこの間、東京から転勤で長野に来たのである。
今の仕事は、事務所ビルの新築工事である。
現場に着いて、事務所の椅子に座って、考えた。
机の上にはお弁当がある。
夢ではない。
現場の事務のお姉さんがコーヒーを淹れてくれた。
コーヒーを飲みながら考えたが、分からないものは分からなかった。
とにかく、仕事を頑張った。
ただ、現場のみんなから言われた言葉には、照れまくった。
「転勤した途端に、愛妻弁当か?」
「い、いや。 まだ結婚するかどうかは分からないんだけど・・・」
一日の仕事が終わって、帰る支度をしている時に、ユタカは気が付いた。
名前しか知らない女を家に置いてきている事を。
焦って帰ろうとした時に、東京からの転勤組の先輩から声が掛かった。
「地方には色んな独特の車の走り方があってさ、長野も結構変わってるんだよ。」
「長野の場合は、まず、ウインカーが遅い。 ハンドルを曲げるのと、ウインカーが出るのが一緒だ。」
「次に、、驚くなよ。 右折優先だ。」
「そんな事は無いでしょう?」
ユタカが慌てて言った。
「いや! 信号が変わった途端、直進より右折の車が先に発進する。」
「直進の車も、右折の車を待っちゃうんだよな~。」
「とにかく、気を付けて帰れよ。 可愛い奥さんが待ってんだろう?」
「ま、まだ結婚はしていないんですけど・・・」
「まあ、、気を付けてな。 お前は酒を飲まないから問題無いけど、飲酒運転をしたら懲戒免職だからな。」
「役所みたいに、年金が貰えなくなって可哀想って言ってくれるバカな組合は、うちの会社のような民間企業には無いからさ。」
「あ、そうそう、東京だと信号が変わると、みんな一斉に発進するだろう?」
「そうですね~。」
「田舎って言っちゃあ悪いけど、田舎は信号が変わっても1台ずつしか発進しないから、信号だけじゃ無くて前の車もシッカリ見てから発進しろよ。」
「は、はい。 気を付けて帰ります。」
シャカリキになって帰ろうと思っていたが、安全運転で帰宅した。
多分、急いだところで、信号で引っ掛かって、車の流れに乗って走っても、変わりは無さそうだった。
うちに着くと、玄関の灯りが点いていた。
チャイムを鳴らすと、ドアスコープで確認したのか、扉が開いた。
いきなり、みすずに抱き締められた。
「待ってたんだから~! ユタカがいないと寂しくて・・・」
名前しか知らない女と思っていたが、こんなに愛おしい女だとは思わなかった。
「ただいまのキス」をしてしまった。
こんな感じで1週間が過ぎた。
ユタカは帰宅して、伸びをしながら言った。
「やっと、1週間が終わったよ。」
まだ、金曜日ではあったが・・・
「ご苦労様でした。」
みすずは一応そう答えたが、よく分からなかった。
悪魔の世界は、年中無休なのだから・・・
「明日、何処か行こうか?」
「わ~い! お出かけ!お出かけ!」
みすずは大喜びである。
楽しい夕食が終わり、「我慢の」お風呂が終わった。
ユタカ自身、よく我慢出来るなという程、一緒に風呂に入るのは大変だった。
グラビア女優以上の女性が、素っ裸で目の前にいるのだから・・・
いつものように、ユタカはベッド、みすずは布団で寝る筈だった。
起きた時は、二人一緒にベッドにいるが、寝はじめは別々である。
今日は違っていた。
ユタカがベッドに入ると、みすずもベッドに入ってきた。
どうせ、起きた時はこうなるのだからと、ユタカは気にしないことにした。
みすずは思い出したのである。
悪魔の館にいた時、魔法で掃除をした。
みすずは真面目である。
ちゃんと掃除が出来ているか、確認を怠らなかった。
教育担当の部屋を確認しに行った時の事である。
既に悪魔会議が始まっている時間だった。
教育担当は会議に出ている筈の時間である。
しかし、扉を開けると、教育担当がいた。
一人ではなかった。
大魔王が教育担当の上に重なっていた。
大魔王と教育担当がイチャイチャしたい為、勝手に会議を中止にしていたのである。
参加の悪魔には連絡していたが、「悪魔ナンバー 0123456789」には何も言っていなかった。
もう、イチャイチャしたい気持ちでイッパイだったからである。
何故か、いつものダボダボの黒い服を、二人とも着ていなかった。
「大魔王~!」
「教育担当~!」
二人は嬌声を上げながら、腰を動かしていた。
二人とも、「悪魔ナンバー 0123456789」が部屋に入ってきた事など、気付かなかった・・・いや、気付けなかった。
何故か納得して、「悪魔ナンバー 0123456789」は部屋を出ていった。
いつも口喧嘩をしている大魔王と教育担当である。
「悪魔ナンバー 0123456789」は思った、 二人は本当は「仲良し」なんだと。
ユタカとみすずは仲良しである。
だから、ユタカのベッドに入ってきたのである。
みすずは積極的にユタカにしがみついた。
そして言った。
「ねえ、 私の上に重なって。」
みすずは、仲良しは二人が裸で重なる事だと思っていた。
みすずは着ていたパジャマを脱いだ。
「ねえ! ユタカも裸になって!」
「なんて積極的な女なんだ。 みすずってビッチなんだ。」
ユタカはそう思った。
優しくて、清楚な女性だと思っていたのに・・・
気持ちは悲しかったが、身体はそうではなかった。
男○○が大きくなった。
ユタカがみすずの上に移動すると、みすずに抱き締められた。
思わず、ユタカはみすずにキスをした。
唇だけでなく、身体中。
「美味しい」それがみすずにキスをした感覚だった。
みすずのあそこも舐めた。
沢山「蜜」が溢れていた。
「もう、俺も悪者になってやる!」
ユタカはみすずと合体した。
みすずの奥に、深くいれた。
「痛い!」
みすずが小さく声をあげた。
みすずはビッチの筈である。
ユタカはそう思った。
しかし、現実は違っていた。
ユタカと同じ様に、みすずも初めてだった。
みすずを優しく抱き締めた。
「ご、ご免ね。」
「だ、大丈夫よ。 もう一回、ユタカを感じさせて。」
今度は優しくゆっくりみすずにユタカが入っていった。
「痛くない?」
「大丈夫よ。 私の中がユタカでイッパイで、幸せ・・・」
二人で腰を動かしていると、ユタカの愛がみすずに注ぎ込まれた。
悪魔が人間とキスをしてしまうと、悪魔はその人間の所有物に一時的になってしまう。
しかし、愛を注ぎ込まれると、悪魔は永遠にその人間の所有物になってしまうのである。
もう、みすずはユタカのものになったのである。
ユタカはみすずとやってしまった。
処女のみすずと。
それも、避妊もせずに。
ユタカはみすずをベッドに座らせ、ハッキリ言った。
「結婚しよう。」
「うん! ず~っと一緒にいられるんだね。」
「当り前だよ。 ず~っとみすずを幸せにするよ。」
「あ、ありがとう。」
「明日はお出かけだから、月曜日に役所に行って「婚姻届」の用紙を貰ってくるね。」
「うん。」
そのまま抱き合って、もう一回頑張った。
何回も頑張りたかったが、明日はお出かけなので、数回で我慢?した。