表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/10

【チキンボーン】

【タイトル】チキンボーン




 帰りの電車内の床に鶏の手羽先が落ちていた。


 それはスーパーの精肉売場でパック詰めされている姿でよく見かける、生の骨付きの手羽先。


 だれかが今日の夕飯にと思って買ったそれを、何かの拍子でパックが破けて落っことしてしまったのかな? などと初めは特に気にもしていなかったが、次の瞬間にはそんな風に呑気な事を考えていた自分自身を心底恨んだ。


 周囲に悲鳴が上がり、車内が騒然。ようやく自分に置かれた状況を思い出した。


 そうだ、あの手羽先は……僕の指だ。


 僕は仕事で恨みを買った男に包丁で一突きされた後、バラバラに切り分けられてクーラーボックスに詰め込まれてしまっていたのだ。


 男は剛胆にもその肉塊が入ったクーラーボックスを担いで電車に乗り、どこか遠くにまで赴いて「僕だった物」を捨てようとしていたんだよな。そしてあろうことか転んで「僕」をぶちまけちゃったってワケか。


 まったくドジな奴。そんなんだから僕みたいな口だけ男に騙されるんだよ。あまつさえ逆恨みで僕を殺して遠くに逃げようだなんて……



 とんだチキン野郎だよ。



THE END

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ