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インタビュー式・異世界からの召喚について

作者: 雨水

会話文など無いので、ソレがダメな人はリターンでお願いします。

 我々が異世界と言っている世界には勇者召喚というものがある。まぁ、言ってしまえば此方の世界から彼方の世界へ強制的に人を呼び寄せると言うモノだな。


 ん? ソレは知っているって? あぁ、すまないね。とりあえず話の流れと言うモノは必要だろう。だからそう急かすな。


 でだ、まずこの話をするには俺が何者かを説明しないといけないだろう。

 お前の事はどうでも良いんだよって? それを言われてもな……どうして俺がソレについて知って居るかを理解して貰わないと、俺の話はただの妄想でしかなくなるだろう。だから黙って聞いてくれると助かる。


 さて俺についてだが、俺は〝ウォーカー〟と呼ばれる者でな。〝ウォーカー〟と言うのは何の制限も無し……と言うのは少し語弊があるが、まぁ結構自由に異世界を渡れる特殊能力を持っていると思って貰って良い。

 それで、そんな能力を持つ俺は様々な異世界を渡り歩いたのさ。ん? それすら妄言では無いかって? まぁ、そう言われてしまえばそうなんだが、まぁ証拠に色々な映像やら物証を後でみせてやろう。


 ……また話がそれたな。

 兎に角、俺がどんな世界にでも飛べるものだと思って貰えればいい。


 話を戻そう。

 俺は飛んだ先で色々な調べものをしたのさ。何故かって? そりゃ、俺達の世界で突如人が消えるなんて話がよくあるだろう? 日本においても〝神隠し〟なんて言われてるアレだ。

 突如として消える人。そんな現象が有った時に俺は一つの事を知る事が出来たんだ。ま、所謂時空が歪むと言ったモノだな。そして時空が歪んだ時は大抵が世界と世界が一瞬だけ繋がった時だ。


 そして、世界が繋がった時に人が消えると言う訳だ。

 

 俺は知りたかったのさ。幼い頃より不思議と歪む空間の先に何が有るのか? とね。ま、誰かを助けたいとかそう言うのではなく、俺自信の欲求と言うやつだ。

 あ? 助けてやれよって? ソレは難しいんだよ。世界を渡るのは国境を超えるのと違うんだ。……それでもだって? どれだけ大変かも分からず口を開くな。お前はどこぞと知らぬ誰かの為に自分の命を懸ける事が出来るのか? 俺には無理だね。

 ……これ以上余計な事を言うのなら話は此処で切り上げるが?

 それは困るって? なら最初から大人しく話を聞け。


 兎に角、俺は調べるだけ調べた。それこそ数多と言える異世界中をな。

 そしてとある法則を発見した。ま、本題は此処からだな。




 勇者召喚と言うのは幾つかの段階に分かれている。

 そして、分かれる際に多少の分岐をするのだがソレもまた面白い話……と、ソレは追々で良いだろう。


 まず第一段階と言えるのは、異世界が此方の世界から人を呼び寄せたのが初めてというパターンだな。


 実はこの時に言われるのは漫画などで良く見る「勇者様! よく我々の呼びかけに応じてくれました」と言うのは無い。彼等は「勇者様」でなく「英雄様」と言うんだ。

 何故「勇者様」じゃないのかって? そりゃ〝勇者〟なんてのが特別なのは日本だけだからな。地球上でも他の国なら〝英雄様〟もしくは〝大英雄様〟が基本だ。そして、地球から呼ばれるのは日本人だけでは無いからな、何処の国でも分かるように、翻訳とでも言えば良いのか? それは「英雄様」となっている。

 ……関心するのは良いが、こんなの常識の範囲内だぞ? こと日本において〝勇者〟が特別なのは某ゲームの所為だ。


 まぁそれについては今は良いだろう。まぁ、一応後からも関係して来るんだけどな。


 そんな〝英雄様〟として呼ばれた者達だが、実は年齢・性別・住んでいる国などはランダムなんだ。

 これもまた、高校生がと言う事は無い。彼等が望むのは〝助けてくれる誰か〟であればそれこそ爺さんでも良い訳だからな。


 それはおかしい、神隠しに遭っているのは高校生ぐらいの年齢じゃないか! か、まぁ吠えるな。言いたい事は分かる。

 だから言っただろう? 幾つかの段階に分かれていて、この説明は一番最初の段階だと。


 先ほど言った様に、彼等は助けてくれるのであればだれでも良いのだ。


 では何故地球上では高校生がよく神隠しに遭うのか。それはその最初に異世界へとやって来たモノ達の行った行動による。

 言わばこれが最初の分岐点となる。

 最初に呼ばれた者が、真面目に、彼等を救ったとしよう。呼ばれた者はその後〝英雄様〟として祭り上げられ、元の世界へ戻るか、平穏にその世界で生きて行く事となる。ま、これは一番いい結果と言うやつだな。


 次に、真面目に救ったが、国から脅威と見られてしまった場合。

 その場合だと、国はその者を〝英雄〟などと祭り上げる事無く処理しようとする。だが、呼ばれた側も簡単にやられるような事はしないだろう。死んだことにしてひっそりと生きて行く者、何が何でも元の世界へと戻ろうとした者、力及ばず殺されてしまう者が大半だろうな。


 さて、この二つの事例の場合だと、前者であれば後の異世界であっても〝英雄神話〟は残ったままだ。そしてその場合は〝勇者召喚〟では無く〝英雄降臨〟だの〝英雄顕現〟だのと言われる事が多い。

 後者であれば……禁忌とされ話そのものすら無くなるだろう。異世界から人を呼ぶなんて行為も忘れされるだろうな。

 と、この時点で〝召喚〟にまつわる分岐は二つとなる。そして勿論二つだけでは無い。何せ〝勇者召喚〟と呼ばれるようになるパターンは他にある訳だからな。



 此処までは良くも悪くも、まだマシと言える話だろう。何せ後に続く者は英雄とされるか、そもそも後に呼ばれる者が居ないのだから。



 さて、此処からが〝勇者〟と呼ばれる様になる話。


 呼ばれた者がどう仕様もない人物と言うか、異世界をゲームだと勘違いしてしまっている。そんな者が居るパターンだ。

 ん? そんな奴おらんだろうって? いやいや、居るんだよ……まるで子供の精神の様な存在がな。

 その呼ばれた者は、その世界をゲームの中か何かだと勘違いし、我が物顔で賊とも言える行為を平然と行うんだ。

 人様の家に勝手に侵入してはタンスを漁り、城とあれば宝物庫に突入。奪った金で女の頬を叩き、王女や王妃相手に夜這いをかける。

 とは言え、呼び出した〝英雄〟なのだからと、彼等もある程度は我慢をするだろう。何せ、彼等からしてみれば無理やり異世界へと来て貰った大切な客人なのだから。


 ただやはりやり過ぎと言うのは良くない。


 目に余る行為を行い過ぎた結果、呼ばれた者には首輪をつける、もしくはつけられそうになる。

 そこで分岐が発生する訳だ。「俺は勇者だぞ!」と暴れ出すか、暴れた後取り押さえられてしまい首輪をつけられ役目を全うするか。

 何方にしても碌な世界にならないパターンと言えるな。

 呼ばれた者が主導権を握った場合、その者は暴虐の限りを尽くす。男であればハーレム、女であれば逆ハーレムを作り、国庫など無視して、世界の情勢なども無視して、自分が正しいと思ったことを押し付けて行く。

 上手く行った場合でも、その世界はその者にとって良いように作り替えられた世界。悪く行けば国ごと崩壊だな。現地のモノ達にとっては悪夢でしか無いだろう。


 首輪をつけられた場合の話をしようか。

 彼は役割を全うするだけのマシーンとなり、仕事が完了した後はもはやいらない存在だ。処分されるのが落ちだろう。

 そして、その場合。この世界の感覚では〝勇者〟は〝使い捨ての駒〟と言う認識が出来上がる。そんなパターンが多いという話だな。



 それでは救われないって? まぁ、そもそも種を撒いたのは呼ばれた本人だ。真面目に帰還を行うこと掛けを考えれば良かったと思うぞ。



 さて、最初の段階でコレだけの分岐が行われる〝召喚〟と言う行為だが、これは更に枝分かれしていく事となる。

 頭が痛いって? そりゃそうだろう。調べた俺も相当頭を抱えたからな。


 此処からが本題の一つ。何故高校生ぐらいの年齢が呼ばれるかだ。


 異世界の人間も馬鹿じゃぁない。成功や失敗を基に確りと修正していくのは当然の話。

 最初に成功した世界はまだ良いだろう。再度何かがあった時に呼び出した相手にも〝良心的〟に接触してくれる。何せ、最初に呼び出した者が救世の英雄なのだからな。

 最初から陰謀を働いた世界はと言うと、召喚の事すら忘れ去られ自分達の力だけで何とかしようとする。この場合、英雄の血脈が残っていれば……ワンチャン有ると言った感じだろうか。ま、奇跡的に異世界から人を呼ぶ方法を見つけ出す事も有るけどな。それは限りなく天文学的数字ではあるのだが。



 問題は自らを〝勇者〟と言う特別な者と認識して、力を振るった存在が居た世界だろう。



 その世界の場合……どちらにしても〝勇者〟と呼ばれ召喚された者は所謂(笑)と後ろに着くパターンが多い。

 言ってしまえば、「呼びかけに応じてくれてありがとうございます(勇者来たよプークスクス)」と言うやつだな。影で笑われているんだよ。

 ソレはあんまりだ! って? まぁ俺もそう思うよ。ただ、それを正すには前任者が最悪過ぎたという話だ。


 だから〝召喚〟なんだよ。〝顕現〟でも〝降臨〟でも無く〝召喚〟。

 ん? 西洋には天使や悪魔や精霊を呼び出す魔法の事を召喚魔法と言うじゃないか。あぁ、確かにそうだが、魔術的翻訳を理解してほしい処だな。

 日本において〝召喚〟とは、上位の者が呼び出す命令だ。出頭命令などに使う召喚令状とか……な。

 そう、翻訳は日本語で聞こえているという事を理解して欲しい。日本において上位の方を相手に使う言葉は、降りて来られるとか、現れると言ったモノだ。

 だから翻訳の際に聞こえるのは〝降臨〟や〝顕現〟なんだよ。……相手が敬意を持っているのであればな。


 さて、それでは話を〝何故高校生前後が〟と言うモノに戻すとしよう。


 そう、〝勇者召喚〟と言う扱いになった世界では、勇者は単なる駒であることが最上な訳だ。

 そして、駒として扱うに一番良い年齢と言うのは? もう分るな。そう、全能感を覚えるような中学生から高校生が一番良いとなる。洗脳もしやすい訳だしな。

 煽て、金を積み、見栄えの良い女や男を侍らせる。それだけで心の隙が大きくなる。そうなれば後はもうどういう風にも料理が出来る。

 ま、そんな煽てられた勇者の末路は……彼等次第というパターンも有るがな。




 とまぁ、その様な多様化したパターンが第二段目と言った感じだろうか。

 そして第三段階、もしくは最終段階と言っても良いかもしれない内容だが、これはもはや〝召喚〟と言う儀式が恒例行事みたいになった世界だな。


 特に問題が起きた訳でも無い、何か救いを求めている訳でも無い。ただ、過去の事例より異世界より招くという事がお祭りとなってしまっている。そんな世界もある。


 意味がないじゃないかって? まぁ、意味など無い……と言う訳では無いさ。此方の世界で言うならば、神社などでの大祭みたいなモノだからな。

 そして、異世界でいうなら確かに起きた奇跡に対する思いから行われているモノでもある。なのでこの場合、呼び出された者は、余程馬鹿な事でもしない限りは丁重に扱われる事になる。ま、何せ英雄の代理な訳だからな。




 とまぁ、かなり簡略化して話しをした訳だが、勇者召喚なんて碌な物でないというのは分かって貰えたかな?

 そしてなぜこの話をしたかと言うと、もしこれから召喚されるような子が居た場合、このパターンを基に色々と考えて欲しいからだ。

 何せ呼ばれた者が出来るのは自衛ぐらいだからな……助けを待つなんて意味がない。そんな者が来る可能性など皆無だと思った方が良い。神すら……助けてはくれないだろう。


 だから異世界に召喚されたからと言って舞い上がる事などせず、冷静に判断し、上手く立ち回って欲しい。


 俺が見てきた世界は……その殆どが惨劇と言える内容で終わっていたからな。英雄の末路など、その殆どは神話などと同じでバッドエンドだ。

 寧ろ、神話の話は全て真実で地球でも異世界召喚が行われ、良い様に扱われ、そして死んでいった。そう言われても信じられるモノばかりを見て来たからな。


 ま、そう言う訳で上手い事この話を世に広めてほしい。俺はまた異世界へ飛ぶからな。




――――――――――


 彼はそう告げて我々の前から突如として消えた。

 我々が見せられた様々な品は、確かに地球では手に入らない物だと言える。……我等は一体何を見たのか、何を聞かされたのか。其れを飲み込むまでかなり時間が掛かった。


 しかし、見せられた物や彼が最後に消えたという事を踏まえ、彼が話をした事は本当の事なのだろう。

 ただコレの話を公開した処で一体どれだけの人が信じるだろうか。

 そして、異世界があるのなら、地球に無い物が有るのなら、それらに手を伸ばそうとする者達も現れるのではないだろうか。

 これは私達の一存で如何にかできる内容ではない。……一体私達は誰にこの事を相談したら良いのだろう。


 あぁ……異世界には髪を復活する薬などあるだろうか? このままでは悩みのストレスで私の毛は旅立ってしまうだろう。

 しまったな、彼に話を聞いておくべきだった。そういった薬が異世界にはあるのかどうかを。

という事で、雨水式の異世界召喚法則です。

これ、別に他の人の処の作品にはあてはめないでください。私の中のベースがコレと言うだけです。


とは言え、これはちょこっと出した程度。厳密にはまだまだ細かくあるのですが……まぁソレは出さなくても問題無いかな? 私のネタのベースの一つはこんなものだと思って読んでいただければと言った感じです。

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