前世の記憶を持つ神の物語
人間は闇より深く邪悪なもの。
自分たちがルールだと思い私利私欲のために手段を選ばない。
そんな愚かな行いのせいで、たくさんの生物が犠牲になってきた。
そんな人間たちを見てきた神がいた。こんなことあっていいのか、と神は考えた。
もう、それならいっそ神だけの世界を創ればいいんだと・・・
これはその後、人間がいなくなった後の神々だけの世界の中で生きている一人の青年の物語・・・
一章 前世の記憶
春矢・・・春矢・・・、誰だ俺の名前を呼ぶのは。かあさん・・・母さんなのか!
はっ!・・・なんだ夢か。そうだよな母さんが生きているわけない、俺が産まれてすぐ死んだんだから。
リストリア!バンッと音がして知らない男の人が入ってきた。誰だろうすっごい美形だな・・・
あれ?なんかドアがいつもより大きい・・・寝ぼけてんのかな。
てか、さっきから痛いんですけど!そんなに強く揺らさないでよ。
誰かと間違ってんじゃないの。俺リストリアじゃないし、てかマジで誰。
「あの・・・痛いんですけど」
あれ?なんだこの違和感、俺って声変わりしたっけ?それにしても声高くね?
「すまん、でも良かった階段から落ちたと聞いてびっくりしたんだぞ」
シレル様、そう呼ばれた男の人はすこし落ち着いたようだ。全く肩がじんじんする。
まだ夢じゃないのかなーと思いながらほっぺたをつねる。痛ったー夢じゃないなー・・・ん?手が小さくないか?確かめないとっ
「あのっ鏡ってあります?」
「鏡ってなんだ?そんな名前の物ってあったか?聞いたことない」
あれ?皆一緒の反応だな、鏡知らないの?なんて言ったら伝わんのかな。
「えーっと、自分の姿を映す物です。」
それならここにあるぞ?と水晶みたいな物を渡してきた。覗いてみると・・・これ俺なのか、いや美少年すぎるだろ。待てよ、てことはもしかしてここは異世界!?興奮している俺にシレルさんが
「リストリア、良かったな今日から心の神に命じられたぞ」
神?ここ異世界じゃないの?神の世界なのか・・・でもそれも面白そう!
「明日お披露目会だ。楽しみにしておけよ」
出て行っちゃた・・・それよりお披露目会か、どんなんだろう、すっげーーーーーーー楽しみ、早く明日にならないかな・・・ぐう・・・
そうこうしているうちにもう次の日じゃんか、はっやいな。
「リストリア様、母上様と父上様がいらっしゃいました。」
そう言われて入ってきたのはシレルさんと、誰。
「ミーラス、やっぱりお前に似て綺麗だよなー」
「あなたに似た髪の毛も目の色も似合っているわ」
ミーラスさんか、ってことはここでの父親がシレルさんで、母親がミーラスさんかどっちとも美形じゃんか。
「もう時間よ」
「行こうリストリア」
まだ着替えて・・・えっなんか着替えてる。まあいっか。
☆
なんか騒がしいな。シレルさんが俺を呼んでる、行かないと・・・
俺が出たとたん空気が静まった。俺なんかした?どうしよううううう。待て待て、落ち着け俺。冷静を装うように・・・ふぅ。
「皆さま、今日はわたくしリストリア・ハードのお披露目会にお越しいただきありがとうございます。今宵は満足いくまでお楽しみ下さい。」
俺がそう言った瞬間周りがざわついた。なんかおかしかったか?
過ぎたことはきにしない!でも誤魔化さないと・・・よし!礼、笑顔。これで誤魔化せただろうか。
じゃあ、これで失礼しますねー。・・・ハア、やっと部屋に着いた。もう眠いなー。
寝てもいいよね。いいよね。疲れたんだから仕方ないよね。そう自分に言い聞かせながら俺は夢の中へ。
そんな感じでのんびり過ごしていると・・・もう学校にいく日じゃん。楽しみだな。
そういえばこの一週間で色んなことを知ったなー。
俺の父親のシレル・ハードは翼の神で皆からの信頼が厚い。神様は翼を与えられたら立派ということだから、父さんは必要不可欠ってことだな。
母親のミーラス・ハードは優しさの神で母さんがいることでどんなにピりついていても、皆穏やかで、優しい気分になれる。
そして、この二人の子供。俺リストリア・ハード、心の神で相手の心を読んだり操ったり出来る。
そして、俺の前世だった人間は滅んだらしい。細かい所は気になるが学校で教えてくれるそうだから、はよ学校に行きたい。
「リストリア行くぞ」
「はい」
馬車に乗って一時間・・・やっと着いた!
今日から俺の学校生活が始まるぞー。
今回はこの物語を読んでいただきありがとうございます。
神しかいないこの世界での第一章です。楽しんで見ていただけると幸いです。
近頃色々大変ですが、私は本を読んだりして、たまに息抜きをしています。
他にはアニメを見たり、ゲームをしたりしています。おすすめは、ヒプ○イというアニメとゲームです。作った人凄いなーと思います。
次章はリストリアの初めての神々の学校をお送り致します。では、この辺でお別れさせて頂きます。