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私小説の本棚

新人小説家の独り善がりな独り言

 皆さんは小説を書いた事が有るだろうか? 読む専門の方も沢山居るだろうし、書いた事が無い人は『小説を書いてる(この)作者はこんな事を考えてるんだなぁ』くらいに思って貰えると助かる。


 私も子どもの頃から小説は読んでいたし、物語を想像したりするのは大好きだった。高校生の頃だっただろうか、小説を書き始めたことも有ったが今程時間を費やして執筆したことは無かった。


 生まれて初めての小説を完成させたのはごく最近だ。投稿サイトに投稿を始めて一日に二千文字前後の量で更新を続け、十話完結の短編小説程度の文量ではあったがなんとか終わらせる事ができた。


始めたばかりのころ。最初の二、三日は誰かに読まれる事すら無かった。感想などあるはずもない。誰からも読まれないで埋もれていた。自分なりに考えて書いた作品が。それを見て正直、空しく感じてしまった。他人からの指摘や悪評などで心を痛める人も居るかもしれないが、言わせて欲しい。


 反応されているだけ幸せなのだと。


 無関心。無反応。視界に存在しないように流されて、埋もれる空しさに比べたら、他人からの指摘や悪評などどうという事はないはずである。むしろ、喜ばしい事だ。人は本当に興味の無い者や物には関心を示さない。反応されるという事は気にかけられている事の証明に他ならない。


 そんな事を考えながら投稿を続け、諦めかけていた頃に自分の書いた小説のアクセス履歴を確認してみた。するとどうだろう。十数名ではあるが私の作品を見てくれていた。感想は無かったが評価をしてもらえ、その上ブックマークまでしてくれる人が居た。たった数名、片手でも数えるに余りある人数だった。でも、あの時は本当に嬉しかった。めげそうになって、消してしまうか悩んでいた。それでも少しでも面白いと思ってくれる人が居る。そう思うだけで、小説を書き続ける事に悩みはなかった。


だが、最近はどうだろう。期間で考えればそれほど長く投稿を続けていたわけではないし、作品の数も少ない方だろう。だけど、感じた事があった。


 『誰のために書いてるんだ?』


 最初は自分が面白いと感じる物語を書きたい。もし、そんな物語が書けたら誰かに見てもらいたい。そのくらいの思いで執筆し投稿していた。


だが、近頃は違ってきた。評価が欲しい。ブックマークが増えて欲しい。沢山の人に見て貰いたい。その思いばかりが先走っていた。


 自分が投稿した作品を最近になって改めて見て思った事は、『本当に面白いと感じて書いたのかな?』という事だった。元々は自分のために書いていたのに、ポイントのために書くのが目的になっているように感じた。


テンプレの物語を思いついたままに執筆し、サイトに人が増える頃に投稿する。これの繰り返しになっているような。最初の頃の気持ちが薄れているような。

 

 そう感じてから筆は進まなくなった。無駄に意識が高いだけなのかもしれない。でも、一度疑問に感じたら半端な作品は投稿出来なくなってしまった。


もっとプロットを細かく、人物に人間味を、本当に居る人間のようなリアルさを。物語が平坦にならないように所々に刺激を入れて、気が付かれないように伏線を張って。そうして突っ走り、振り返って見ると面白く感じない。


こんな話が書きたいわけじゃないはずなのに、もっとリアルな物語が書きたいけど形にならない。


そんな無限回廊に入って出れなくなっている。このまま何も浮かばないような気さえする。


そんな思いを抱いて小説なりエッセイなりを書いている人は他にも居るのだろうか? 別に小説で生きていくわけでもないのに、こんなに頭を悩ませる事なんだろうか?


しかし、せっかく自分が『やりたい』と思って始めた事。半端な事はしたくない。


そう考えながら私は今日もプロットを書いている。物語がスムーズに進むように。物語に違和感を感じさせないように。人が生き生きと動くように。


もし、自分でも納得のいく物語が作れたら。

他の人にも読んでもらいたいから。


そんな私の本音と言い訳の独り言がこの話。


もし、小説を書いている人が見てくれたなら思い返して欲しい。その物語は何のために、誰のために書いている物語なのかを。


本当に人の心を打つ作品は、伝えたい気持ちが伴ってこそ出来るものだと私は思う。

 

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― 新着の感想 ―
[一言] 感想欄に書くのは違うかもしれませんが……。 傷ついていませんので、どうかお気になさらないで下さい。 同じ書き手として、気持ちを分かってくれる文章で、救われました。 このエッセイも、分かる…
[一言] なんだか分かります。 最初は一人でも読んでくれた人がいる! そうやって純粋に嬉しかったはずなのに、いつの間にかポイント等の数字ばかり気にするようになり……。 結果として私は、話を考えるの…
[一言] ネットで作品を投稿する身にはつきまとう問題ですよね。共感いたします。 自分の作品の本当に最初の読者、それは自分ですからね。小説を書く人は読むのも好きなはずだから、まず自分が楽しめなきゃ、と…
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