甘々なバレンタイン話
「うるさい!うるさい!うるさい!」
こいつはマリア、朝からうるさい奴だ、バイオレンスに殴ったら、さぞ胸がすかっとするだろう、やらんが。
「こっこれはぁ!!! あんたの為に作ったんじゃないんだかねぇ!ばーかー!ばーか!ばーーか!!!」
一人で発狂しているようで、ちなみに今日はバレンタインとか言う日のようで、お日柄もよく。
「あっあんたにコレあげる、べ、別に本命とかじゃっ!ぜ、っったいにっ、にゃいんにゃからねぇ!!」
おーおー、普段の3割り増しで可愛いことで。
こいつは基本可愛いのだが、ここまで可愛くなってるのは珍しい、勘違いした上で惚れてしまいそうだ、いや惚れてまうやろっ!か?
「きらいきらい!顔も見たくない!どっか行って!!! っ、ちょ、行かないでぇ!!」
一人芝居ここに極まれり、だな。
俺はニヤリと笑ってしまった、それがいけなかったのか、まったく知れない。
「このおっ! バレンタインなのに! その態度! あたしぃを馬鹿にしてぇ! 許さないんだからぁ!」
俺はついに噴出し、ニヤニヤニヨニヨして、マリアをジト目風味に見つめてしまう。
「うぅ、、、っ!人の弱みに付け込んでぇ!この変態!ド変態!変態変態!キライ!」
うぐ、面と向かって、変態の上にキライて、
お前に言われたら結構傷つく言葉なんだぞ、それ、この考えなしで軽はずみなことを。
「そうやって言葉遣いが悪いと、誰も付き合ってくれなくなるぞ」
「ふええ、馬鹿っ!あんたみたいな奴とは、絶対に付き合わないから安心して!」
そう強く言って、子供みたいに可愛らしく、可憐にプイそっぽ向いてしまう。
後、手を指、もじもじぐしゅぐしゅ、なんかしてる、これが恥らってる、その所作みたいなのだとしたら、悶えるぞ。
そのうえ俺に聞こえるくらいの小声で「うぅ、、、でも、、好き、、うわー!なんでもない!!」とか行ってくるのだから、もうねえ、馬鹿かとアホかと。
「おりゃっ」 勢いあまって頭撫でた。
「うにゃん!バカ!馬鹿!ばか!頭撫でるなぁ! いやぁ! やめて! 気持ちよく成っちゃうからぁああ!」
その純然たる混じれけなしの、可愛らしい反応に、渾身のドヤ顔すら勝る、ニヤニヤが表出してしまう。
当然、コイツは可愛がられる(虐めではない)と、なぜか怒る性質なので、反応はこうだ。
「最低最悪!! あんたは今すぐ即刻死ぬべき! 万死に値するぅ! うきゃああ!!殺してやるううう!」
こうなるのだ。
「ふっふ、好きだよ、マリア」
「ふええええっ!!!そんな、、、好きとか、言わないでぇ、、、あんたのこと、、、、受け入れちゃうじゃないのぉっ」
女の子らしく、なんだか自分を抱きしめるジェスチャなどを交える。
「本当に好き? たとえば、あした世界がひっくり返って、終わっちゃっても、まだ、好きでいる自信、覚悟ある?」
「よく知らんが、俺の心は、すべてお前にやるよ」
カッコつけて、言ってみるテストだ、微妙に恥らってたので、キモかったかもしれない、なので。
「べーだ!いらないわよ! あんたなんてっ気持ち悪いんだから!」
こいつは、俺にちょっとでも、こういう隙ができると、当たり前のように突いてくるよなぁ!
「童貞童貞! 完全包茎! 彼女もいなくて、きっと惨めに一人で慰めてるぅ~♪」
自分で馬鹿みたいに、お尻を何度も何度もリズミカルにスパンキング、叩いて、後ろ向きのあかんべー、久々に臨界越えたわ。
「小癪な小娘風情がデカク出たなぁ!」
「うええ! 本性あらわしたぁ! ケダモノだわぁ!!」
「こいつこのっ! クソ、今すぐ拉致して軟禁して、身も心も屈服、陵辱の限りを尽くして、そのいやらしい身体に快楽の限りを教え込んでやる!なんどもイかせて絶頂させて、ひいひい言わせてやるぅ!!!」
俺の本気を感じ取ったか、冗談半分、半分しか本気じゃないのだが、危機を察した奴は逃げに転じる。
「まて、この!」
「ふっふ、誰よりもっ、キライよ!、大嫌い!」
その後、七転八倒した後に、捕まえたのだが、
「万死に値するぅ! にゃは!言ってみたかっただけぇっでしたぁ~!」
マリアを追ってる最中に、華麗に現われた新キャラに、逆に拘束されて、簀巻きっぽい姿勢で、取り押さえられてるのでしたマル。
「キアラ、こいつ懲らしめちゃってよっ」
隣ではマリアが腕組みしている、苛めっ子みたいな顔してる、毎度の事ながら殴りたいと思う、殴らんけども。
そしてそれに相方は「うへーうへー了解しやしたー」とかフザケテ答えてるよコイツ、なにする気だ。
「うえー、気持ち悪い奴、夜、一人でずっと、深夜まで果てるまで、やってるんでしょぉ?」
言葉攻めかいっ!って思ったね、唐突にコイツは。
頬をちょんちょん突いて、なんか挑発的台詞を発しているが、ふん、スルーだ、無視してやる。
「うりゃうりゃ、ここがええんかい!」
やめ!
「馬鹿がみるぅ~、ゲームの話でしたー、ちゃんちゃん♪!」
おま!
「疲れた」
ところで、解放された。
「はい、これ」
遊んで満足して帰ったアイツ、残った俺とマリアは、最初の場所に居た。
「おお、あんがと」
「義理だから、好きとかじゃないんだからね」
「知ってるよ、まったく、テンプレートな」
「くぅ、この、女の子の弱みにつけこんで、ムカつく」
「ふ、それが男のサガって奴だ、学べよ」
「意味わかんない、普遍的に、キモイんですけど。
まあ、、、今日だけは許すかな」
「なんだ、優しいな」
「優しい女ですから、ちっ」
不服そうな顔で、俺達はそれぞれ帰った、ツンケンしながらもあいつ、チョコは手作りだったとか。